債券は急反発、長期金利1.2%割れまで低下-米債高や短観悪化予想で

債券相場は急反発。前日の米国債 相場の反発や国内株安を受けて買いが先行した。最近の相場下落で利 回り水準が大きく上昇しており、午後に入ると投資家などからの買い が膨らみ、長期金利は朝方の1.2%台半ばから1.2%割れまで大きく水 準を切り下げた。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、「これまで 現物債の持ち高調整売りが出ていたが、先物にショートカバー(売り 建ての買い戻し)が入って急速に上昇した」と指摘。「来週で主要な国 債入札も終わり、企業短期経済観測調査(短観)も控えている。金融 緩和政策の時間軸の見直しで、債券市場も落ち着くのではないか」と も述べた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比3ベーシスポイント(bp)低い1.235%で始まり、午前 9時45分前後には1.5bp低い1.25%を付けた。しかし、その後は買 いが優勢となって水準を切り下げる展開。午後3時過ぎには8bp低い

1.185%まで低下した。長期金利は前日に一時1.27%と半年ぶり高水 準まで上昇していた。

中期債も上昇。新発5年債利回りは約8カ月ぶり高水準の0.55% から0.515%まで水準を切り下げた。新発2年債利回りは昨年11月以 来の高水準となる0.23%から同0.5bp低い0.215%まで低下した。

クレディ・スイス証券の河野研郎債券調査部長は、「金融政策に対 する見通しが変化しない中で、中期セクターの利回りが上昇した結果、 中期セクターのバリューは極めて高いものになった」と分析し、実際 の物価動向、10月に導入された金融政策の時間軸を考えれば、絶好の 買いの機会との見方を示した。

現物債に買いが入ったことについて、T&Dアセットマネジメン トの天野尚一運用統括部長は、貸し出しが伸びて国内の金融機関が国 債を売って資金を回さざるを得ない状況にはなりそうにないと指摘し た上で、「債券利回りがこのまま上がっていくとは考えにくい。相応の 水準になると買いが入る」と見ていた。

また、みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエ コノミストは、「相場が大きく崩れた後だけに主に先物の買い戻しが中 心だが、これだけ金利水準が切り上がったので買い方向でみている投 資家も多い」と述べた。

9日の米国市場で米国債相場は3日ぶりに上昇。30年債利回りが 7カ月ぶりの高水準に接近していたため、この日の30年債入札(発行 額130億ドル)が好調となった。米10年債利回りは前日比7bp低下 の3.20%程度となった。

先物は4日ぶりに反発

東京先物市場で中心限月3月物は、前日比20銭高の139円32銭 で始まった後、いったんは3銭高まで上げ幅を縮めた。しかし再び買 いが優勢の展開となり、午後に入ると一段と水準を切り上げ、一時は 70銭高の139円82銭まで上昇した。結局は59銭高の139円71銭で 引けた。

三井住友海上きらめき生命保険経理財務部の堀川真一部長は、「前 日に米国債が買われた影響が強いほか、昨日まで売られ過ぎだったこ との反動もある。企業短期経済観測調査(短観)はあまり良くなさそ う。売られた反動が来週も続いて債券が買われそう」と述べた。

来週15日に発表される日銀短観(12月調査)では、企業の景況 感悪化が予想されている。ブルームバーグの予測調査によると、12月 の日銀短観で大企業・製造業の業況判断DIはプラス3、非製造業D Iはゼロへ悪化する見通し。9月調査では大企業・製造業がプラス8、 非製造業がプラス2だった。

国内株式市場で日経平均株価は3日ぶりに反落し、前日比73円 93銭安の1万211円95銭で引けた。みずほインベスターズ証の落合 氏は、「国内株式相場が反落したことも債券の下支え要因。米国で金利 が上昇した背景には財政悪化懸念のほか、景気への期待もあったため、 株価の上昇が鈍ることは債券市場にとって追い風」と述べた。

--取材協力:近藤雅岐、赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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