自治体の仕組債損失、リスク対応が課題-地方公共団体機構の清田氏

地方公共団体金融機構の清田浩史 資金部資金課長は、バークレイズ・キャピタル証券が9日に開催した セミナーで、地方自治体の一部が過去に発行した仕組み債で損失を被 っている状況に対して、仕組み債の運用に関しては国や都道府県でチ ェックしているところが多いものの、「金融知識が乏しい地方公共団体 のリスク対応が課題だ」と述べた。

地方公共団体が導入した仕組債ではトリガー(為替・金利など引 き金を引く条件に該当した場合に変化する適用金利)条項付きの仕組 み債と変動利付債が多い。総務省によると、2008年末で17の自治体 が総額4200億円の仕組み債を発行している。

地方公共団体が仕組債を発行することは、資金調達方法にデリバ ティブを組み入れることを通じて、発行体の需要に応じて多様な利払 い費などを設定することが可能となる。

こうした中、3日付の日本経済新聞夕刊は、為替相場が1ドル= 100円を突破する円高になると支払い金利が跳ね上がる仕組債を06- 07年ごろに発行し、最近になって利払い負担が膨らむ地方公共団体が 増加していると報じた。岩手県、新潟県、大阪府堺市などが一定以上 の円高になると金利が急騰する条件を設定し、足元の利払いが年6% を超える例が出ており、資金運用面でも含み損を抱える事例が増えて いるという。

バークレイズ証の江夏あかねチーフ公的セクター・クレジット・ アナリストは、「地方公共団体に対する破たん法制を創設し、デフォル ト(債務不履行)の仕組みを導入することは、かなり高いハードル」 だと説明した。

その上で、江夏氏は「夕張市が財政再生団体と認定された際、地 方債のスプレッドが国債に対して拡大した。その時、北海道債を購入 した投資家は非常に良好なパフォーマンスを享受している。内外景気 回復による金利上昇は2月ごろまで継続する可能性がある。国債より もスプレッドが乗った地方債の購入にも良い機会になる」とも話した。

横浜市総務局の五十嵐誠一財政部財源課長は、同セミナーで同市 の財政健全化への取り組みについて説明。羽田空港の国際化による横 浜市への経済効果が年間191億円に上るほか、横浜港のハブポート化 に向けた国際コンテナ戦略港湾計画など、地域経済の活性化による税 収拡大を目指す姿勢を強調した。一方、「成田空港の顧客減少による千 葉県財政への影響もあるかもしれない」と述べ、「羽田空港、成田空港 とも共同で顧客拡大を目指す道もあると思う」との見方も示した。

地方公共団体機構は09年6月1日、従来、地方公営企業等金融機 構が行っていた公営企業に対する融資に加え、地方公共団体の一般会 計に対する融資を行うことを目的として業務を開始した。地方公共団 体に対して長期かつ低利の資金を融資する。

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