11月の国内企業物価は2カ月連続でプラス-前年比0.9%上昇

11月の国内企業物価指数は、国際 商品市況の上昇を受けて、2カ月連続で前年同月比プラスとなった。 国内景気の改善には一服感が出ているが、新興国の力強い景気回復を 背景に国際商品市況は堅調な値動きを続けており、国内企業物価指数 も当面、緩やかな上昇基調をたどる見込みだ。

日本銀行が10日発表した11月の国内企業物価指数は前年同月比

0.9%上昇した。前月比は0.1%上昇だった。ブルームバーグ・ニュー スの予想調査では前年同月比1.0%上昇、前月比0.1%上昇が見込まれ ていた。10月の確報値は前年同月比0.8%上昇、前月比は0.1%上昇。 同月は税率が引き上げられたたばこの値上げが全体を押し上げた。

国際商品市況は10月以降上昇しており、原油先物相場は足元で1 バレル=90ドル近辺に上昇している。日銀は前月8日に公表した11 月の金融経済月報で国内企業物価指数について、これまでの円高の影 響が残るものの、「国際商品市況の強含みの影響などから、当面、緩や かな上昇基調で推移するとみられる」と指摘した。

10月の国内企業物価指数はたばこ増税の影響で、前月のマイナス から一転してプラスに転じた。前月比、前年比ともにたばこの値上げ が0.4ポイント全体を押し上げた。前月比の影響は11月にはく落した が、前年比を押し上げる影響は来年9月まで続く。

時間差伴い川下に波及も

日銀の愛宕伸康物価統計課長は国内企業物価指数の前月比の動向 について「海外市況の影響を受けやすい石油・石炭製品、非鉄金属、 化学製品などが強含む一方で、電機機器などが厳しい販売競争を背景 に弱含む構図に変わりはない。基本的に横ばい圏内の動きが続いてい る」と指摘。ただ、「海外市況の上昇に伴う川上の値上がりが時間差を 伴って川下に波及していくことも想定できる」としている。

原油先物相場は8月後半に一時70ドル近辺まで下落して以降、じ わじわと水準を切り上げている。BNPパリバ証券の河野龍太郎チー フエコノミストは「足元では米国など先進国の金融緩和や中国経済が 勢いを増していることを背景に、石油製品や非鉄金属、食料品などの 国際商品市況が再び上昇している」と指摘する。

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは 「足元では円高が修正傾向にある」と指摘。その一方で、資源の一大 消費拠点であるアジア経済の回復が続いていることに加え、グローバ ルに供給されている流動性の多さを考慮すると、「今後も国際商品市況 は上昇していく可能性を無視できない」とみている。

日銀は10月28日に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポー ト)で「国内企業物価指数の前年比は、為替円高の影響を受けつつも、 マクロ的な需給バランスの改善や国際商品市況の動きなどを反映し、 見通し期間を通じて緩やかな上昇が続くと見込まれる」と指摘。委員 の中央値で、2011年度は前年度比0.5%上昇、12年度は0.6%上昇と の見通しを示している。

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