ドルが対円で1週間ぶり高値付近から反落、米金利低下で売り先行

東京外国為替市場ではドルが対円 で約1週間ぶり高値付近から反落した。米長期金利の上昇が一服した ことや、オーストラリアの雇用統計が予想を上回り、対豪ドルで米ド ル売りが強まったことが背景。

ドルは対円で1ドル=84円台前半から一時、83円66銭まで下落。 前日の海外市場では米金利上昇による日米金利差拡大を背景に今月2 日以来の水準となる84円31銭までドル高が進んでいた。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクターの斎藤裕司氏 は、米金利の低下について、一部で不安視されていた8日実施の米10 年債の入札が好調だったことを受けた債券買いとの見方が理論的かも しれない、と分析。「きのうの米金利の上昇はかなり急激で、さすがに 利食いが出ているのだろう」と語った。

ドルは対ユーロでも前日の海外市場で約1週間ぶり高値、1ユー ロ=1.3180ドルをつけていたが、この日の東京市場では一時、1.3323 ドルまで下落する場面が見られた。

一方、ユーロ・円相場は小動きながら、ユーロがじり高となり、 午後には1ユーロ=111円62銭と11月29日以来のユーロ高値を更新 した。

米金利低下

ブルームバーグ・データによると、ドルはほとんどの主要通貨に 対して前日終値から値を切り下げている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部為替課長 の塩入稔氏は「マーケットも薄くなっているので、目先の材料に振ら されやすい」とした上で、「米金利が少し下がっていることやオースト ラリアの指標が良かったことなどがドル売りの材料になっている」と 説明していた。

米10年債利回りは午後3時50分現在、前日比3ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01ポイント)低下の3.24%。オバマ米大統領が 同意した減税措置の延長が景気押し上げにつながるとの思惑を背景に 同利回りは8日に一時、6月4日以来の高水準となる3.33%まで上昇 し、過去2日間の上げ幅は36bpと2日間の上げとしては2008年9 月19日以来の最大となっていた。

クレディ・アグリコル銀の斎藤氏は「最近の金利上昇を踏まえて、 今月14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で量的緩和について強 いコミットメントが改めて示されるとの思惑が出てもおかしくないと の憶測がドル売りにつながった面もあるようだ」と話した。

豪ドルが急反発

オーストラリア統計局が9日発表した雇用統計によると、11月の 雇用者数は前月比5万4600人増加した。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト調査の予想中央値は2万人増だった。失業率は

5.2%と前月の5.4%から低下した。

豪ドルは海外時間に対米ドルで1豪ドル=0.97米ドル半ばまで 下落していたが、この日のアジア市場では雇用統計の上振れを受け、 急反発し、0.98ドル台後半まで値を戻した。

一方、日本では7-9月期の国内総生産(GDP)が発表され、 事前予想を上回ったが、円相場への影響は限定的となった。内閣府が 発表した四半期別国民所得統計によると、7-9月期の実質GDP2 次速報値は前期比年率4.5%増に上方修正された。前期比では1.1%増。 エコノミスト調査の予想中央値はそれぞれ4.1%増、1.0%増だった。

ニュージーランド(NZ)ドルは対豪ドルで約1カ月半ぶりの安 値へ下落。NZ準備銀行(中央銀行)が過去80年間で最悪の被害をも たらした地震の影響で短期的に経済成長が抑制されることから、向こ う2年間の政策金利上昇の程度は一段と限定的になるとの見通しを示 したことが売りを呼んだ。

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