日経平均7カ月ぶり高値、金融や輸出に買い-円安とGDP

東京株式相場は続伸。日経平均株 価は終値で、11月中旬以降に上値抵抗ポイントと見られてきた6月高 値を上抜けた。前日の海外時間に為替が円安・ドル高方向に動き、相 対的な日本株投資環境の良さが市場参加者の間で認識されたほか、朝 方発表の四半期国内総生産(GDP)の上方修正もプラスに働いた。 銀行や証券など金融株、精密機器など輸出関連株の一角が高い。

BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳執行 役員は、「米国での量的緩和第2弾(QE2)以降に為替が円安気味に 落ち着いたことで、投資家の日本株に対するリスク許容度が上がって いる状況」と話していた。

日経平均株価の終値は前日比53円55銭(0.5%)高の1万285 円88銭、終値では5月14日以来、およそ7カ月ぶりの高値。TOP IXは同4.21ポイント(0.5%)高の891.60。

8日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で1ドル=84 円30銭台まで上昇、米国の減税延長措置が景気を押し上げるとの観測 を背景に米債利回りが上昇し、ドル建て資産に需要が集まった。東京 時間9日は1ドル=83円台後半まで円が強含んだが、一昨日に82円 台を付けていた状況からは円安方向での動きとなった。

円は対ユーロでも111円台半ば近辺と円安に傾き、収益懸念の後 退で精密機器や輸送用機器や電機、化学といった輸出関連株に買いが 優勢。日経平均のプラス寄与度上位を見るとファナック、TDK、ホ ンダ、京セラ、信越化学工業が並んだ。

7-9月GDP2次速報は上方修正

日興コーディアル証券・国際市場分析部の橘田憲和ストラテジス トによれば、米国でブッシュ減税が延長されたことに加え、米国債入 札がやや苦戦していることもあり、「米長期金利の上昇に伴う日米金利 差の拡大を背景に、目先はドル高・円安に向かいやすい」という。そ のため、輸出関連株には追い風との認識を示していた。

また、東証1部業種別33指数の値上がり率上位には証券・商品先 物取引、保険、銀行が並んだ。内閣府が9日朝に発表した今年7-9 月期の実質国内総生産(GDP)2次速報値が前期比年率4.5%増に 上方修正され、国内経済の回復期待が高まったことも支援材料になっ た。法人企業統計の動向などから、GDPの上方修正は前もって想定 されていたが、予想以上の修正幅で、「市場心理にプラス」と日興コー デ証の橘田氏は受け止めていた。

TOPIXの直近安値だった11月2日から12月7日までの33 業種別指数の騰落状況を見ると、銀行8.8%高、保険9.7%高と、TO PIX(10%高)のパフォーマンスをやや下回った。水戸証券の吉井 豊投資情報部長は、「日本株に対してもようやく先高期待を持てる状況 になりつつあり、銀行など相対的に出遅れているセクターのキャッチ アップも見られる」としている。

SQ前の水準攻防も、騰落レシオと黄金交差

もっとも、テクニカル分析面では強弱感が対立。また、株価指数 先物・オプション12月限の特別清算値(SQ)算出を10日に控え、 日経平均のオプション権利行使価格である1万250円も意識された。 BNPパリバの清川氏は、「SQを控えた1万250円のせめぎ合いで、 同水準を死守したいとの意向を持った市場参加者による先物買いが相 場全般を支えた色彩が濃い」と見ていた。

東証1部の値上がり、値下がり銘柄数の割合を示す騰落レシオ (25日移動平均)は8日時点で158%と、算出可能な1970年6月以降 で最高水準を記録した。一般的には120%以上が過熱気味とされる。 一方、日経平均の25日移動平均線(9952円)は200日移動平均線(9916 円)を上抜け、チャート分析上で強気相場入りを示す「ゴールデンク ロス」を形成。両移動平均が上向いていることへの評価もある。

日興コーデ証の橘田氏は、上場投資信託(ETF)など指数連動 型ファンドが指数採用銘柄を広く薄く買う流れで、日々上昇する銘柄 が多くなっている影響から、騰落レシオが記録的水準まで駆け上がっ てきた分析。同レシオについては「説明力がやや弱い」とし、「相場の トレンドを示すゴールデンクロスを重視したい局面」としている。

東証1部の売買高は概算で21億2025万株、売買代金は1兆4184 億円。騰落銘柄数は値上がり808、値下がり686。

船井電やFAアクHが上昇、電力や不動産安い

個別では、自社株買い実施方針を示したアズワンが株式需給の改 善期待で急伸。クレディ・スイス証券が投資判断を新規に「アウトパ フォーム」とした船井電機、同証が「アウトパフォーム」に引き上げ たマキタ、野村証券が新規に「1(買い)」としたF&Aアクアホール ディングスも買われた。

半面、長期金利が一時半年ぶり高水準に上昇し、有利子負債が多 い電力や不動産、空運株などは金利負担増の懸念から弱含み。ばら積 み船の国際運賃市況のバルチック海運指数が続落したことがマイナス に働き、日本郵船など海運株が下げた。8日のニューヨーク商業取引 所で金や原油の先物相場が続落した影響から、住友金属鉱山や三井物 産、JXホールディングスなど資源関連株の一角も小安い。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.2%高の51.15と 小幅に9日続伸、東証マザーズ指数は0.4%安の397.50と小幅に3日 続落した。ローソンと業務・資本提携契約を締結したオリコンが買わ れ、サイバーエージェント、インフォテリア、一建設も高い。半面、 11年1月期の連結純損益が赤字に転落する見通しとなったACCE SSが急落。田中化学研究所、スカイマーク、アプリックスが安い。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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