12月8日の海外株式・債券・為替・商品市場(訂正)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドルが対円で上昇、減税延長で米景気を楽観

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対円で上昇、ほぼ10週 間ぶりの高値をつけた。米減税延長措置が景気を押し上げるとの観 測を背景に米国債の利回りが上昇、ドル建て資産に需要が集まった。

ドルは主要通貨の大半に対して上昇。米10年債利回りは過去2 日間で大幅に上昇した。オバマ米大統領は6日遅く、減税措置の2 年間延長や給与税の引き下げに合意した。米ドルに対する下げでは 主要16カ国通貨で最もニュージランド・ドルがきつかった。ニュー ジーランド中銀は9日に会合を開く。

先物ブローカー、MFグローバル・ホールディングスのアナリ スト、ジェシカ・ホバーセン氏(シカゴ在勤)は、「相場は金利差に よって大きく左右されている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.7%上昇して 1ドル=84円04銭。9月27日以来の高値付近となった。前日は 83円49銭だった。この日のドルは対ユーロではほぼ変わらずの1 ユーロ=1.3262ドル。ユーロは対円では0.7%上げて1ユーロ= 111円45銭となっている。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は0.2%上昇。BG キャンター・マーケット・データによると、米10年債利回りは

3.33%と、6月4日以来の高水準をつけた。

ドル上昇

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指 数 によると、ドルは過去1カ月間で2.3%上昇。ユーロは1.9%安、 円は0.6%下落となっている。年初来ではドルは1.1%安、ユーロ は9.2%下落、一方、円は10.8%高となっている。

オバマ大統領は、連邦失業保険の給付延長と引き換えに、高額 所得者の所得税および配当やキャピタルゲイン税などの減税措置を 2年間延長することを受け入れた。現行税率は2001年と03年に施 行されたもので、年末に失効する予定だった。

米国債、日本国債およびドイツ債はいずれも下落。ブルームバ ーグがまとめたデータによると、日米10年債の利回り格差は

2.06%に拡大した。これは6月以降で最大。

米財務省が実施した10年債入札(発行額210億ドル)の結果 によると、最高落札利回りは3.34%と、7カ月ぶり高水準だった。

ユーロ動向

アイルランドのレニハン財務相は7日、60億ユーロ規模の予算 通過に向けた最初の投票で議員の支持を得た。これを受けてユーロ は下げを抑えた。

欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)の主導でアイルラ ンドへ850億ユーロの支援策が決定しているが、確実に支援を取り 付けるためには、アイルランドは予算案を通過させる必要がある。

シティグループの主任テクニカルアナリスト、トム・フィッツ パトリック氏が率いる同社ストラテジストは顧客向けリポートで、 ユーロに対して1ユーロ=1.3228ドルでショートポジションを建 てるよう助言。同氏は、今後3-6週間のユーロ見通しで、1ユー ロ1.24-1.26ドルまで下げる可能性が高いと述べ、1.21ドルを 割り込む可能性も指摘した。また、1.3450ドルへ上昇した場合に はポジションを手仕舞うよう助言している。

◎米国株:上昇、減税延長への期待やAIG債務返済計画で

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は2年ぶり高値を付 けた。減税措置延長への期待感に加え、アメリカン・インターナシ ョナル・グループ(AIG)が米連邦準備制度理事会(FRB)の 融資枠を利用した債務の返済で合意したことが材料。

リージョンズ・ファイナンシャルやザイオンズ・バンコープが 高い。国債の利回り上昇で、融資の収益性が高まるとの期待が高ま った。モルガン・スタンレーは、出資する中国国際金融(CICC) の株式売却が承認されたことが好感され上昇。リンカーン・ナショナ ルなど生保株は、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が業 界見通しを上方修正したことから買い進まれた。AIG株は、債務 返済に関する発表のため取引が一時中止される前の段階では下落し ていた。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1228.28と2年ぶ り高値。ダウ工業株30種平均は13.32ドル(0.1%)上げて

11372.48ドル。米国債市場では、10年債利回りが11ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇し、3.238%となった。

セキュリティー・グローバル・インベスターズで210億ドル相 当の資産運用に携わるマーク・ブロンゾ氏は「景気のポジティブな モメンタム(勢い)に異議を唱えるのは難しい」とし、「減税措置の 延長や金融緩和がある。中国の引き締め懸念はあるが、実施は段階 的なものになるとの見方も存在する。これら全てがリスク資産にと ってプラスの環境を作り出している」と述べた。

銀行株

S&P500種は11月5日に2年ぶり高値を付けて以降、最大

3.9%下落。中国の利上げ観測や欧州ソブリン債危機をめぐる懸念 が背景にある。

銀行株はこの日、S&P500種の主要24業種中で最大の上げ。 銀行株指数は3.4%上昇した。

地銀株も高い。キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(K BW)のアナリスト、ブライアン・クロック氏は電子メールで、期 間が10年以上の米国債の利回り上昇は、銀行の融資による収益拡大 を示唆していると指摘した。

リージョンズ・ファイナンシャルは5.3%高の6.33ドル。ザ イオンズ・バンコープは5.5%上昇し22.45ドル。

モルガン・スタンレーは3.2%高の26.47ドル。同社は、保有 するCICC株の売却に必要な監督当局の承認を得た。

生保業界

米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が生保業界の見 通しを「ステーブル(安定的)」とし、従来の「ネガティブ」から引 き上げた。株式や社債の発行を受け、各社が来年格下げを回避する 可能性があるためと説明している。

リンカーン・ナショナルは7.5%高の27.24ドル。ハートフォ ード・ファイナンシャル・サービシズ・グループは3.5%高の25 ド ル。メットライフは3.9%上げて42.79ドル。

◎米国債:下落、景気を楽観-10年債利回り3.24%

米国債相場は下落。10年債利回りは6カ月ぶりの高水準となっ た。世界的な景気回復のペースが増しているとの楽観的な見方から、 比較的安全とされる国債の需要が減退した。

ドイツ10年債利回りは5月以降で初めて3%台に上昇したほ か、日本の5年債利回りは約2年ぶりの大幅な上げとなった。米政 府が今週3回の入札のうちの2回目を実施した後、国債相場は引き 続き軟調に推移。この日は10年債を210億ドル相当発行した。オ バマ米大統領は前政権が導入した減税措置の延長で議会と同意した。

野村ホールディングスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャ ルべス氏は「修羅場は終わっていない」と指摘。「国債市場は量的緩 和の実施前に貪欲になっていただけに、その反動で、このところ損 切り売りが広がっている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時1分現在、10年債利回りは前日11ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.24%。同年債(表面利率

2.625%、 2020年11月償還)価格は7/8下げて94 26/32。同利回りは一 時

3.33%と、6月4日以来の高水準を付けた。過去2日間では36b p上昇し、2日間の上げとしては08年9月19日以来の最大となっ た。

2年債利回りは一時10bp上昇の0.64%と、7月28日以来 の高水準。

利回り格差

10年債と2年債の利回り格差は一時2.68ポイントに拡大し、 5月18日以来の最大となった。

この日の10年債入札で、最高落札利回りは3.340%と、ブル ームバーグがプライマリーディーラー7社を対象に実施した入札直 前の予想の3.307%を上回った。今回の入札は11月9日の前回入 札分とのリオープニング(銘柄統合)だった。前回の最高落札利回 りは2.636%。

この日の入札では落札全体に占める、海外の中央銀行を含む間 接入札の割合が44.4%。11月の前回入札では56.6%と、米財務省 が2003年にデータ公表を開始して以降で最高水準となっていた。 過去10回の入札の平均は43.4%。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)の米国債・デリバティブ(金融派生商品)取引責任者、スティ ーブ・ロドスキー氏は、「このように相場が急落する場合はしばしば、 海外の買い手が参入し市場を救い出すが、彼らにそうする用意があ るのか定かでない」と指摘。「これが一部の市場参加者を不安にした」 と述べた。

応札倍率

入札では、投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.92倍と、 過去10回の入札の平均である3.12倍を下回った。

前日実施の3年債入札(発行額320億ドル)では需要が2月以 来の最低水準となっていた。政府は9日、130億ドルの30年債入札 を実施する。今週の発行総額は660億ドル。

国債相場はこれで2日続落となった。オバマ大統領は6日、国 の失業保険の給付延長と引き換えに、ブッシュ前政権時代のすべて の減税措置を2年間延長することに同意すると表明した。

グリーチャー・セキュリティーズのマネジングディレクター兼 金利取引責任者、ラス・サート氏は、「市場の大半が予想していた以 上にこの措置で安心感が広がったことは疑いの余地がない。特に給 与税に関してはそうだ」と指摘。「高い税率は住宅市場の回復を脅か す可能性があるということは特筆すべきだ。国民が税制度から受け ている恩恵を高い税率により打ち切ることは誰も意図していないと 思う」と述べた。

◎NY金:続落、ドル上昇で代替投資需要後退-終値1383.20ドル

ニューヨーク金先物相場は続落。3週間ぶりの大幅安となった。 ドルが上昇し、代替投資としての魅力が弱まった。

ドルは主要6通貨バスケットに対して3日続伸。減税措置の延 長で米経済成長が促進されるとの思惑が背景にある。金は年初来で 26%上昇しており、7日には1オンス=1432.50ドルと最高値を更 新した。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・ レシュ氏(シカゴ在勤)は「金市場は現在、短期的な観点のトレー ダーが支配している。大口の投資家は最高値更新後に利益を確定し た。ドル相場も安定しているため、短期的な観点のトレーダーは金 やほかの商品に売りを出すだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物 2月限は前日比25.80ドル(1.8%)安の1383.20ドルで終了。 中心限月としては11月16日以来の大幅な下げとなった。

◎NY原油:続落、石油製品在庫が予想外に増加-88.28ドル

ニューヨーク原油先物相場は続落。米エネルギー省の統計でガ ソリンと留出油の在庫が予想外に増加したため、売りが膨らんだ。

ガソリン在庫は前週比381万バレル増加の2億1400万バレル。 ブルームバーグがまとめた調査では30万バレルの減少が見込まれ ていた。暖房油とディーゼル油を含む留出油は215万バレル増加し た。

エナジー・セキュリティー・アナリシス(マサチューセッツ州) の原油市場ディレクター、リック・ミュラー氏は「ガソリンと留出 油の在庫増は供給側に問題はなく、需要見通しがさほど明るくない ことを示している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前 日比41セント(0.46%)安の1バレル=88.28ドルで終了した。 過去1年では22%上昇している。

◎欧州株:3日続伸、2年ぶり高値-保険株が高い

欧州株式相場は3営業日続伸し、2年ぶり高値を付けた。保険 株 が上昇したほか、買収観測を背景にスミス・アンド・ネフューや バーバリー・グループ、フィアットなどが買われた。

英保険会社プルデンシャルは3.7%上げた。UBSが同銘柄の 投資判断を上方修正したほか、格付け会社スタンダード・アンド・ プアーズ(S&P)が保険業界の格付け見通しを引き上げたことが 手掛かりとなった。英医療機器メーカーのスミス・アンド・ネフュ ーと、高級ブランド品小売りのバーバリー、イタリアの自動車メー カー、フィアットは大幅高。

一方、英不動産投資会社キャピタル・ショッピング・センター ズ・グループは5.3%下落。サイモン・プロパティー・グループが 買収計画を取り下げる可能性を示唆したことが嫌気された。中国利 上げの観測の高まりを受けて、鉱業株も下げた。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%高の274.98と、 2008 年9月以来の高値で引けた。業績改善に加え、米連邦準備制度理事 会(FRB)が景気刺激策として6000億ドル相当の国債買い入れ の方針を示したことを背景に、同指数は年初来では8.3%上げてい る。

シティ・インデックス(ロンドン)の市場ストラテジスト、ジ ョシュア・レイモンド氏は、「全般的に投資家はリスク回避よりも前 向きな話題に目を向ける傾向が見られる」と指摘。トレーダーは「い かなる買収・合併の話題にも注目していた」と語った。

8日の西欧市場では、17カ国中10カ国で主要株価指数が上昇。 アイルランドのISEQ全株指数は0.6%高となった。アイルラン ド議会が前日に一連の財政決議案を相次いで可決したことがきっか け。

◎欧州債:アイルランド債、独債との利回り格差縮小-予算案可決

欧州債市場では、アイルランド10年債のドイツ10年債に対す るスプレッド(上乗せ利回り)が縮小し、ここ1カ月で最小に縮小 した。アイルランド議会が前日に一連の財政決議案を相次いで可決 したことがきっかけ。

独10年債利回りは5月以降で初めて3%台に上昇。世界の景気 拡大が持続するとの楽観的見方が強まる中、米国債相場が大きく落 ち込んだことが背景にある。ドイツ政府がこの日実施した国債入札 で札割れしたことから、独2年債利回りは1%を超えた。

INGグループ(アムステルダム)の先進国債券戦略部門の責 任者を務めるパドライク・ガービー氏は、アイルランドの予算案採 決後「国債スプレッドが縮小し、若干ながら前向きな動向があった」 と述べ、もっと全般的には「国債相場は良好な経済ニュースの一部 を織り込み始めている」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時36分現在、アイルランド10年債利回り は8.22%と、前日からほぼ変わらず。同国債(表面利率5%、2020 年10月償還)価格は0.04ポイント下げ78.79。

独10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇の3.02%。一時は3.03%まで上げ、5月4日以来の 高水準を付けた。

◎英国債:下落、10年債利回りは4カ月ぶり3.5%台

英国債相場は、米国債とドイツ国債に追随して下落した。世界 景気が回復ペースを速めているとの観測に加え、ユーロ圏債務危機 に伴う安全需要で利回りが急低下した後だけに、売りが優勢となっ た。

10年債利回りは4カ月余りで初めて3.5%を超えた。11月に は2.93%まで下げていた。KPMGと全英職業紹介業連盟(REC) がまとめた正社員雇用者の動向を示す指標は11月に上昇した。イン フレ連動債の取引動向によると、トレーダーのインフレ見通しは先 月26日以降で最大となった。

ロイズ・コーポレート・マーケッツのシニアマーケットエコノ ミスト、ケネス・ブルックス氏(ロンドン在勤)は、「英国で経済デ ータが失望する内容でなかったほか、インフレ期待はまだ低下して いない」と述べ、「経済データが顕著に悪化しない限り、利回りが 11月の低水準まで戻ることはないだろう」と続けた。

ロンドン時間午後4時現在、10年債利回りは前日比9ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.54%。同国債(表面 利率4.75%、2020年3月償還)価格は0.71ポイント低下の

109.46。2年債利回りは7bp上昇し1.11%。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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