アイルランド議会、11年予算案の一部可決-緊縮財政で危機打開図る

【記者:Joe Brennan、Dara Doyle】

12月8日(ブルームバーグ):アイルランドのレニハン財務相は、 同相自身が「同国史上最悪の危機」と呼んだ緊急事態に対処する60 億ユーロ(約6650億円)規模の緊縮策を盛り込んだ予算案通過に向 けた最初の一連の投票で議員の支持を得た。

議会は7日遅く、最初の一連の採決で財政決議案を相次いで可決 した。レニハン財務相は、2011年度予算案は、アイルランドが「再 びしっかりと自立する」第一歩だと指摘した。

経済規模が過去3年間に11%縮小したアイルランドは、緊縮財政 の実施で景気の落ち込みが長引く恐れがあるが、政府は850億ユーロ の救済資金を確保するため予算案可決の圧力にさらされている。この 予算案は08年10月以降4回目。財政赤字削減を目指す同政府はこの 期間に既に約140億ユーロの緊縮措置を盛り込み済みだ。

ロンドンの経済コンサルティング会社、ロンバード・ストリート・ リサーチの調査ディレクター、チャールズ・デュマス氏はブルームバ ーグテレビジョンのインタビューで、「アイルランドの状況はかなり深 刻だ」と語った上で、「景気に打撃となるため、当局が望んでいるよう な財政改善は実現しない」と予測した。

財務相によると、閣僚は1万ユーロの減給となるほか公務員の賃 金上限も25万ユーロに設定される。インターネットの賭博に課税し、 子供手当も子供1人当たり10ユーロ削減する。

11年度予算が成立すれば、子供2人で夫婦の年収が計9万2000 ユーロの世帯には、年間2830ユーロの増税となる。年収5万2000 ユーロの単身世帯では同1295ユーロの増税だ。

財務相は議会での予算声明で、「財政赤字を削減するには、今後4 年間にわたって社会福祉分野での一段の削減が避けられない」と強調 した。

予算成立には、別の社会福祉関連の支出削減案を含むあと少なく とも3回の採決が行われる。

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