ドル続伸、対円で一時約1週間ぶり84円台-米金利上昇で買い優勢

東京外国為替市場ではドルが続伸。 オバマ米大統領が減税措置の延長に同意したことを受け、米金利が急 騰し、ドルが買われた海外市場の流れが続き、対円では一時、約1週 間ぶりに1ドル=84円台を回復した。

午後4時25分現在のドル・円相場は1ドル=83円87銭前後。米 金利上昇で日米金利差拡大が意識されるなか、一時は84円02銭と今 月2日以来の水準までドル高・円安が進んだ。朝方には北朝鮮領海内 に砲弾が着弾したとの報道がドル買い・円売りを後押する場面も見ら れた。

バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は、減 税延長について「二番底懸念を低下させる材料で、そういう意味では 量的緩和が少なく済むのではないかという思惑にもつながりやすい」 と指摘。半面、「明らかに財政赤字を拡大させるという需給面の話にも なる」とし、米金利の上昇の理由には「両面ある」と語った。

ユーロ・ドル相場も一時、1ユーロ=1.32ドル台を割り込み、

1.3198ドルまでドル高が進行。1.31ドル台をつけるのは前週末以来で、 ドルは米雇用統計の下振れを受けて下落する前の水準を回復した。

ブルームバーグ・データによると、ドルは主要通貨すべてに対して 前日終値比で上昇。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引 所(ICE)のドル・インデックスは一時、前日比0.5%上昇し、約 1週間ぶりの高水準となる80.345をつけた。

減税2年間延長で同意

オバマ米大統領は、国の失業保険の給付延長と引き換えに、ブッ シュ前政権時代のすべての減税措置を2年間延長することに同意する と表明した。給与税の税率も2ポイント引き下げる。大統領はまた、 議会の休会前に税制をめぐるこう着を打開するため、遺産税の税率を 民主党の望む水準より引き下げることも受け入れるとした。現行税率 は2001年と03年に施行されたもので、年末に失効する予定だった。

合意発表を受け、減税延長と給与税引き下げによる個人消費の加 速観測が広がり、7日の米株式相場は上昇。また、財政赤字拡大懸念 から米国債相場は下落し、10年債利回りはこの日、一時3.25%と6月 22日以来の高水準に達した。

クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨スト ラテジストは、11月の雇用統計悪化を受けた米景気に対する悲観的な 見方は行き過ぎていた感があり、他の指標がおおむね良好で、財政政 策も出てきていることから、景気見通しは回復する可能性があると指 摘する。

一方、山本氏は、米金融当局は高い失業率と低いインフレ率を是 正するため、量的緩和を長期間続ける可能性が高く、いずれは「FR B(米連邦準備制度理事会)のハト派スタンスが米金利の上昇を抑え る」と予想。「ドル・円がこれまでのレンジの上限を超えてくるとは思 っていない」と語った。

欧州財政問題

アイルランド議会は7日遅く、最初の一連の採決で財政決議案を 相次いで可決した。同国は先月、欧州連合(EU)や国際通貨基金(I MF)からの850億ユーロの国際的支援の受け入れで合意しており、 この支援を受けるには予算案の議会通過が前提となっている。

バークレイズ銀の山本氏は「アイルランドで予算が通過すればユ ーロにとっては中立で、通過しなかった場合はネガティブサプライズ になる」と指摘。その上で、欧州中央銀行(ECB)による債券購入 で周縁国の対独国債スプレッド(利回り格差)の縮小が続いているこ とは「ポジティブな材料」しながらも、EU財務相会合では支援基金 の拡大が決定されず、「ユーロ単体ではあまり買い材料がない」と指摘 している。

ユーロ・円相場は対ドルでのユーロ買いと円買いに挟まれ、方向 感の出にくい展開。1ユーロ=110円台後半を中心に一進一退が続い た。

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