中国は日本国債を3カ月ぶり買い越し、10月2625億円-財務省

財務省が8日発表した10月の国際 収支状況(速報)の対内証券投資によると、中国の日本国債投資は2625 億円の買い越しだった。買い越しは3カ月ぶり。米金融緩和観測を受 けたドル安や欧州債務不安を背景に、円資産への分散が復活した。

内訳は、短期債が2319億円の買い越し。昨年12月から増加が続 いた後、8、9月に2兆6500億円余りを売り越していた。中長期債は 306億円の買い越し。純増は2カ月ぶり。中国の対日証券投資は年初 から7月までの買い越しが2兆3159億円と、過去最大だった2005年 通年の約9倍に上ったが、8月は一気に2兆182億円の純減。9月も 売り越し、年初来でも純減となっていた。

財務省の統計によると、中国を含む10月の対内証券投資全体では 1兆6213億円の買い越し。短期債が1兆42億円、中長期債は3472 億円、株式は2699億円の買い越しだった。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、今春からの円 高進行と金利低下(債券価格は上昇)を考えると「9月にかけての売 却は妥当な判断と言えるが、10月は再投資のタイミングとして適切だ ったか、やや疑問が残る」と語った。中国が「ドルからの分散を長期 的に進める姿勢は変わらない」との見方も示した。

円高と金利低下

9月には円・ドル相場が5月の年初来安値から一時13%近く上昇 し、短期債利回りも低下。海外投資家にとっては、為替差益と債券の 評価益を得られる相場環境だった。しかも、6年半ぶりとなる円売り 介入の観測や民主党代表選をめぐる政局混迷の懸念が広がっていたた め、中国が利益確定売りに動いたと、宇野氏は分析した。

円高・ドル安と金利低下は11月初めまで続いた。10月は日本銀 行による5日の追加金融緩和にもかかわらず、米金融緩和観測を背景 に円高・ドル安が進行。政府が9月16日以降は円売り介入を見送る中、 円は11月1日に一時1ドル=80円22銭に上昇。1995年4月に記録し た戦後最高値79円75銭まで50銭弱と迫った。国庫短期証券の3カ月 物、6カ月物利回りは0.105%程度まで低下した。

中国の外貨準備高は9月末に2兆6480億ドルで世界最大。2位の 日本の倍以上だ。中国国家外為管理局(SAFE)は7月、同国の外 準ではドルとユーロ、円が主要な準備通貨だと説明。構成比率を積極 的に調整する方針を示した。中国証券報は9月、外準の通貨別構成は 世界的な平均に近い、と報じた。世界的な平均はドルが65%、ユーロ が26%、英ポンドが5%、円が3%だという。

世界的な金融危機を受けた米金融緩和を背景にドルが中長期的に 下落する中、中国は韓国国債の保有額も増やしている。韓国金融監督 院(FSS)によると、11月には6兆1400億ウォン。年初の3倍超 に拡大した。中国の外準全体に占める韓国国債の割合は約0.2%。

ドルからの分散投資を進める一方、中国は世界最大の米国債保有 国でもある。米財務省によると、直近の9月は8835億ドル。過去最高 だった09年7月の9399億ドルを6%下回る。2位は日本で8650億ド ル。10月分は15日に発表される。

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