10月の経常黒字額は前年比2カ月連続増-貿易収支は減少

10月の日本の経常収支黒字額は前 年同月比で2カ月連続して増加したが、伸び率は前月から減少した。 海外経済の回復の遅れから輸出額が鈍化、輸入額の伸び率を下回った ことから貿易黒字額が前年同月比でマイナスとなり、経常黒字の伸び も足踏み状態にある。

財務省が8日発表した10月の国際収支状況(速報)によると、海 外のモノやサービスの取引状況を示す経常収支は前年同月比2.9%増 の1兆4362億円となった。伸び率は前月の同24.3%増に比べて大幅 に縮小した。このうち貿易収支の黒字額は同2.6%減の9129億円と2 カ月ぶりに減少した。

一方、所得収支は海外子会社からの配当金や再投資収益の受け取 りが増加したことから同3.9%増の8832億円の黒字と3カ月連続で増 加した。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査では、10月の 経常収支の予測中央値は1兆4811億円の黒字だった。

政府・日銀は約15年ぶりとなる円高進行を受け、9月15日に約 2兆円に上る円売り・ドル買い介入を実施。しかし、米国の追加緩和 予測が根強いなかで、円高水準に歯止めは掛っていない。財務省によ ると、10月の円相場の月中平均は1ドル=81.87円と高値で推移した。

貿易収支の内訳をみると、輸出は前年同月比8.8%増の5兆4143 億円と11カ月連続で拡大している。しかし、伸び率は過去最大だった 2月(同47.7%増)以降、減少を続けており、前月(同15.9%増)に 比べても大幅に縮小。輸入も同11.5%増と10カ月連続で増加してい るが、円高の影響で原油などの輸入価格が下落していることから9月 以降、伸び率は鈍化傾向にある。

みずほ証券の千野珠衣エコノミストは統計発表前のリポートで 「貿易黒字の伸びの大幅な縮小に加え、円高が下押し要因となり、所 得収支黒字幅も縮小することから、経常黒字の伸び率は鈍化する」と 予測していた。

10月の経常収支を前月比(季節調整済み)でみると、黒字額は

12.0%減の1兆4626億円、貿易収支は同8.7%減の6413億円だった。

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