米国債:大幅下落、減税措置延長で-入札不調も重しに

米国債相場は大幅下落。10年債 利回りは2009年6月以来の大幅上昇となった。オバマ米大統領が減 税措置の2年間延長に同意したことや、この日の3年債入札で需要が 2月以来の最低水準となったことが背景。

30年債は2ポイント以上の下落。オバマ大統領の減税延長計画が 財政赤字の拡大につながるとの懸念が強まった。同計画は景気回復支 援に向け、給与税税率の2ポイント引き下げも含む。この日の3年債 入札の規模は320億ドルだった。これにより今年の中長期債の発行総 額は2兆1160億ドルとなり、過去最高を記録した前年の2兆1090 億ドルを上回った。

ウェルズ・ファーゴで約30億ドルの債券運用に携わるジェイ・ミ ューラー氏は、「減税パッケージが相場の流れを変えた」と指摘。 「今回の減税合意は、協議が始まるまでは誰も予想していなかったほ ど景気刺激や成長を支援する内容だ。これは二番底に対する見方を変 える。米国債市場が望むものではない」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時18分現在、10年債利回りは前日比20ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.13%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は 1 5/8下げて95 3/4。利回 りは終値ベースでは21bp上昇した09年6月1日以来の大幅上昇。 ブルームバーグのデータによると、同利回りは一時3.17%と、6月 23日以来の高水準を付けた。

2年債利回りは11bp上昇の0.53%と、終値ベースでは3月24 日以来の大幅な上げ。

30年債利回りは一時20bp上昇の4.44%と、5月14日以来の 高水準。既発の3年債利回りは13bp上昇の0.82%。

10年債と2年債の利回り格差は2.61ポイントと、5月以来の最 大となった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) の債券ストラテジスト、トニー・クレセンツィ氏は、「利回りはこれ までも上昇基調にあったが、この日の発表が触媒となり、利回りのさ らなる上昇を促した」と述べた。

減税措置延長

オバマ大統領はまた、ブッシュ前政権が導入した減税措置の延長 をめぐるこう着を議会の休会前に打開するため、相続税の税率を民主 党の望む水準より低くすることも受け入れるとした。

現行税率は2001年と03年に施行されたもので、年末に失効する 予定だった。大統領は今回の譲歩がなければ中間層が「ワシントンの 政争の巻き添えとなり、被害を受けるだろう」と述べた。発言はテレビ で放映された。

クレディ・スイス・グループは、減税措置を延長するというオバ マ大統領と議会共和党の合意により、連邦政府の財政赤字が拡大し、 国債発行が削減される可能性は低くなるとの見方を示した。

クレディ・スイスのストラテジスト、スコット・シャーマン、ア イラ・ジャージー、ジェイ・フェルドマンの3氏は7日付顧客向けリ ポートで、今回の譲歩により2011年度の財政赤字は1480億ドル増 加の1兆3400億ドルになると指摘した。この見通しは09年度財政赤 字実績の1兆4200億ドル、10年度の1兆2900億ドルに近づくこと になる。

3年債入札

この日の3年債入札で最高落札利回りは0.862%と、ブルームバ ーグがプライマリーディーラー6社を対象にまとめた入札直前の予想 の0.841%を上回った。前回入札(11月8日)は0.575%だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.91倍と、2.83倍を付け た2月以来の最低水準となった。

8日の10年債入札は規模210億ドル、9日の30年債は130億 ドルで、今週の発行総額は660億ドルとなっている。

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