日本株小安い、欧州懸念で輸出や金融売り-紙パや電力堅調

東京株式相場は小幅安。欧州財政 問題や為替の円高方向への動きが懸念され、自動車や精密機器、電機 など輸出関連株が売られた。保険や銀行など金融株も安い。一方、円 高メリット業種のパルプ・紙や電気・ガス株が上昇、相場全般を下支 えした。

日経平均株価の終値は前日比26円13銭(0.3%)安の1万141 円10銭、TOPIXは同2.31ポイント(0.3%)安の879.10。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、欧州財政問題の先行 き不透明感を背景に、「リスク回避の動きから対ドルでも円買い圧力が 強まり、輸出関連銘柄の収益不安が増した。しかし、この問題の根深 さはだいぶ織り込まれ、保有株式を売るよりも見送り気分を招いた面 が強い」との認識を示していた。

ベルギーのレインデルス財務相は4日、7500億ユーロ(約83兆 円)規模のユーロ圏救済基金の拡大はあり得ると発言。ドイツのメル ケル首相、フランスのサルコジ大統領と異なる姿勢を示した。また、 ユーロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相) とイタリアのトレモンティ経済・財務相は6日、欧州共通債「Eボン ド」の創設を呼び掛けたが、ショイブレ独財務相は反対を表明した。

欧州財政問題の足並みの乱れが懸念され、外国為替市場ではユー ロが主要通貨に対し下落。東京時間7日午前には、1ユーロ=109円 57 銭までユーロ安・円高方向へ振れた。円は対ドルでも円高基調とな り、収益環境の悪化が警戒された自動車や精密、電機といった輸出関 連株が売りに押された。

騰落レシオは139%、海外勢観測は支え

また、東証1部の値上がり、値下がり銘柄数の割合を示す騰落レ シオ (25日移動平均)は6日時点で139%と、過熱気味とされる120% を大きく上回り、4月15日(145%)以来の高水準まで上昇。テクニ カル分析からも、いったん売りが出やすかった状況にある。

もっとも、株価指数が大きく崩れる展開にはならず、午後には急 速に下げ渋る場面も見られた。大和証券キャピタル・マーケッツ金融 証券研究所の西村由美次長によると、中国での金融引き締め懸念を背 景に安く始まった香港ハンセン指数が上昇転換したほか、上海総合株 価指数も堅調に推移し、「市場心理は落ち着き、日本株への押し目買い も入りやすくなった」という。

また立花証券の平野憲一執行役員は、需給のバランスが改善して いることが、相場全般の底堅さの一因と指摘している。海外投資家の 間では、決算期末を控えたヘッジファンドなどの買い戻しに加え、「機 関投資家が来年の運用をにらみ、極端に落としてきた日本株のウエー トを中立水準まで引き上げる動きもある」と同氏は話していた。

この日の取引開始前の外資系証券10社経由の注文状況は、市場で は買い1650万株に対し売り820万株と差し引き830万株の買い越しと 観測され、金額ベースでも大幅買い越しだったとみられている。東証 1部の売買高は概算で17億2644万株、売買代金は1兆2950 億円。 騰落銘柄数は値下がり570、値上がり926。

紙パや電力・ガスは堅調

東証業種別33指数の値上がり率上位にはパルプ・紙、電気・ガス が並んだ。両業種とも、円高進行が原燃料コスト負担の軽減につなが る。「出遅れ業種の位置付けから投資資金が向かった面もある」と、み ずほ投資顧問の岡本氏は指摘していた。

TOPIXの直近安値だった11月2日から12月6日までの33 業種別指数の騰落状況を見ると、電気・ガスが1.7%高、紙パが5.4% 高と、TOPIX(9.8%高)のパフォーマンスを下回っていた。

ピジョンや協和キリン安い、アドテストは上昇

個別では、円高などの影響で2011年1月期業績予想を下方修正し たピジョンが急落し、東証1部の下落率1位。癌治療用抗体LIV-1205 のライセンス契約解消、抗体の白血病リンパ腫を対象とした国内第2 相臨床試験の結果を明らかにした協和発酵キリンも売られた。このほ か、今期業績と年間配当計画の増額を受け、前日急伸した東栄住宅が 急反落。米エアコンメーカー買収に向けた協議に入った、と一部報道 で伝えられたダイキン工業は、財務負担などが警戒され下げた。

半面、シンガポールに拠点を置く半導体試験器メーカーのベリジ ー社に買収の話し合いを申し入れているアドバンテストが買われ、日 経平均のプラス寄与度1位。多機能携帯端末などに使うタッチパネル の生産能力を2011年中に現在の10倍の月60万枚に引き上げる、と7 日付の日本経済新聞朝刊で報じられたグンゼが買われ、ドイツ証券が 目標株価を引き上げたリンナイも高い。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.04%高の50.87と 小幅に7日続伸、東証マザーズ指数は0.3%安の399.49と5営業日ぶ りに小幅反落した。11年1月期業績予想の増額修正が見送られた一建 設が売られ、エイチアイ、サイバーエージェント、ミクシィも安い。 半面、スタートトゥデイ、ユビキタス、アズジェントが上昇、一太郎 シリーズの新製品発売を発表したジャストシステムは急伸した。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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