アルゼンチンになる欧州、来年債務再編の公算-デフォルト予想の大家

【記者:Ye Xie】

12月7日(ブルームバーグ):アルゼンチンが2001年に債務履行 を停止する9カ月前、スタンダード・アセット・マネジメントの元バ ンカー、ジョナサン・バインダー氏は同国の国債の保有をすべて売却 し、過去最大のソブリン債のデフォルト(債務不履行)から顧客を守 った。同氏は今回、ギリシャとポルトガル、スペインが債務再編とユ ーロ離脱に追い込まれると予想している。

現在はコンシリューム・インベストメント・マネジメント(米フ ロリダ州)の最高投資責任者(CIO)を務めるバインダー氏は過去 1年間、ギリシャとポルトガル、スペインに加えて、イタリアとベル ギーのデフォルトを保証するクレジット・デフォルト・スワップ(C DS)を購入。さらに欧州連合(EU)加盟国の金融機関の劣後債に 対してショート(売り持ち)ポジションを設定している。

バインダー氏は「少なくとも1カ国が来年中に債務再編に追い込 まれる公算が大きい」と話す。バークレイ・ヘッジによれば、同氏の 新興市場アブソリュート・リターン・ファンドの年初来のリターンは プラス17.6%と、途上国に投資するファンドの平均(プラス10%)を 上回っている。

このように予測するのはバインダー氏だけではない。米パシフィ ック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のモハメド・ エラリアン最高経営責者(CEO)は01年当時、アルゼンチンのデフ ォルトの影響を回避し、自ら運用する新興市場ファンドで他の類似の ファンドを上回る好成績を上げたが、今回やはり複数の国がユーロ圏 を離脱すると考えている。

一方、米コネティカット州を拠点とする投資会社グラマシーのロ バート・ケーニヒスベルガーCIOも、デフォルトの1年以上前にア ルゼンチン国債を売り抜けたことで知られる。同氏は電子メールで質 問に回答し、「アルゼンチンが01年当時とらわれていた通貨の硬直性 と財政の罠は、欧州の周辺国が現在陥っている問題と酷似している」 と指摘。「デフォルトの決定は経済的なものではなく、政治的なものと なろう。純粋に経済的な決定が行われていれば、ギリシャは既にデフ ォルトに追い込まれ、他の複数の諸国もすぐこれに続いていただろう」 との見方を示した。

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