アドテスト:半導体検査装置の米ベリジーに買収提案

半導体検査装置(テスター)メーカ ー国内最大手のアドバンテストは7日、同業の米ベリジーに買収を提案 したと発表した。フラッシュメモリー向けテスターなどに強いベリジー を傘下に収めることで、アドテストはテスター市場全体での優位性を高 めるのが狙い。

ベリジーが6日朝(米国時間)に明らかにした提案内容によると、 アドテストはベリジー株を1株当たり12.15ドルで買収する。提示額は 3日のベリジー株終値に約33%上乗せした。全株式を取得した場合の買 収総額は約7億3000万ドル(約600億円)。実現すればアドテストにと って過去最大の買収案件となる。

ベリジーはシンガポールに拠点を置き、米ナスダック市場に上場し ている。2009年の売上高は約3億2300万ドルで、従業員数は約1500人。 11年前半にも同業の米LTX・クリーデンスと合併することで合意して いる。

アドテストの提案についてベリジーは、LTXとの合意内容よりも 「優れたものではない」と説明。その上で、より良い条件での契約に向 けてアドテストと交渉に入る考えを明らかにした。LTXも別の発表文 で、LTXとベリジーの組み合わせの方がアドテストによる買収よりも 顧客や従業員、株主にとって優れたものになると主張している。

今回の買収提案について、野村証券金融経済研究所の和田木哲哉ア ナリストはアドテストにとってポジティブと評価する。アドテストはノ ートパソコン(PC)に使われるDRAM(記憶保持動作が必要な随時 書き込み読み出しメモリー)用テスターでは世界トップ。だが、ノート PC市場は米アップルの「iPad(アイパッド)」などのタブレット 型PCに取って代わられつつあり、DRAM市場は厳しい状況だ。同氏 も「PCメモリー向けテスター市場は成長がない」と指摘する。

また、アドテストは今後タブレット型PC向けに需要が見込まれる NAND型フラッシュメモリー用テスターでシェアが低く、同氏は「ア ドテストはこれからフラッシュメモリー向けを強化したい。一方ベリジ ーはDRAM用でかなり新製品を出していた。買収が成功すれば無駄な 競争が避けられる」との見方を示した。

和田木氏はまた、携帯電話などのデバイスであるシステム・オン・ チップ(SOC)用テスターでのシェアが低いアドテストが、この分野 で非常に優良な顧客ベースを持っているベリジーを手に入れることは大 きい、という。

アドテストの調べによると、09年の半導体テスター市場シェアは 米テラダインが約37%、アドテスト23%、ベリジー22%、LTXが9% となっている。

アドテストによる買収提案を受けて、ベリジーの株価は一時、前週 末比45%高と急伸、6日の終値は同3.81ドル(42%)高の12.95ドル と06年6月の新規株式公開(IPO)以来の大幅高で取引を終了した。 LTXは1.05ドル(12%)安の7.40ドル。アドテストの7日の株価は 一時、前日比6.4%高の1916円まで上昇。終値は、同66円(3.7%)高 の1866円。

--共同取材:Jason Clenfield, Editors: Tetsuki Murotani,

Takeshi Awaji, Tetsuzo Ushiroyama,Eijiro Ueno

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