中国の流動性供給、米国を上回る-11年にインフレ急加速の恐れも

中国の人民元切り上げに慎重な姿 勢がインフレ抑制努力に水を差し、国内経済を内需主導に移行させる 取り組みに黄信号が灯っている。

ブルームバーグ・ニュースがアナリスト29人を対象にした調査に よると、中国人民銀行(中央銀行)が引き続き流動性を拡大している ことから、11月のマネーサプライ(通貨供給量)は前年同月比19%増 (中央値)となる見通し。

米ゴールドマン・サックス・グループの元大中華圏担当会長で、 投資助言会社プリマベラ・キャピタル・グループを創設した胡祖六(フ レッド・フー)氏は、インフレを抑制するためにはマネーサプライ増 加率を15-16%に抑える必要があるとの見方を示した。

中国は連続利上げを差し控えている。その理由の一つには、自国 の輸出を守るため低めに抑えている人民元に上昇圧力がかかるという ことがある。別の調査によると、こうした戦略で中国のインフレ率は 2011年に4%を超え、3年ぶりの高水準となる見通しだ。これは消費 の落ち込みや国内産業の利幅縮小につながる。

北京在勤の胡氏は、世界金融危機の際に講じた措置の縮小におい て、「中国は後手に回っている」と指摘。「政策担当者は満足してしま い、巨大な金融拡張政策の結果として起こるインフレを予測できてい ない」と述べた。

「段階的」利上げ

人民銀貨幣政策委員会の李稲葵委員は3日のインタビューで、よ り積極的な金融政策が株式・不動産市場を不安定にするリスクがある ため、人民銀は「段階的」に利上げを実施するとの見通しを示した。

中国当局者は、米連邦準備制度理事会(FRB)の6000億ドル(約 50兆円)の米国債買い入れ計画が新興市場への資本流入を引き起こし、 資産価格を押し上げると批判しているが、米国の流動性が急増してい る兆しは今のところ見られない。

米国では、10月のM2マネーサプライが前年同月比3.2%増えた。 10月の食品とエネルギーを除いたコア消費者物価指数(CPI)は前 年同月比0.6%上昇となり、伸び率は1958年以来最低だった。

英スタンダードチャータード銀行の中国調査責任者スティーブ ン・グリーン氏(上海在勤)は、「もし誰かが紙幣を増刷しているとし たら、それは中国の中銀であり、米国ではない」と述べた。中国の消 費者や企業が直面する実質的な物価上昇は、恐らく公式の発表よりも 大きく、金利引き上げが「最も賢明な行動だ」との見方を示した。

--Kevin Hamlin. With assistance from Jay Wang and Sophie Leung. Editors: Chris Anstey, Paul Panckhurst.

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 亀山 律子 Ritsuko Kameyama +81-3-3201-7441 rkameyama@bloomberg.net Editor: Fumihiko Kasahara 記事に関する記者への問い合わせ先: Kevin Hamlin in Beijing on +86-10-6649-7573 or khamlin@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Chris Anstey at +81-3-3201-7553 or canstey@bloomberg.net

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