円が上昇幅を縮小、アジア株堅調でリスク回避弱まる-対ドル82円後半

東京外国為替市場では、午後の取 引終盤にかけて、円が上昇幅を縮小する展開となった。1ドル=82円 台前半を中心に取引されていたドル・円相場は82円73銭まで円が押 し戻される場面も見られている。中国株が午後にプラス圏に浮上する など、アジア株の底堅さを背景に、リスク回避に伴う円買いの動きが 弱まる格好となった。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、米連 邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が量的緩和拡大の可能 性を示唆したことが、「世界的な株価の底堅さにつながっている」と指 摘。また、米金利も戻してきていることから、ドルが対円で「そんな に下げるイメージはない」としている。

また、この日はオーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)が 金融政策決定会合を開き、政策金利を現行の4.75%に据え置くことを 決定した。野村氏は、声明内容を見ると、「足元で豪指標が強弱まちま ちだった割には、そんなにハト派でもなかった」と指摘。金利の据え 置きが長期化するイメージはないとして、豪ドルの戻りにつながり、 クロス・円(ドル以外の通貨の対円相場)を下支えした(円には売り 圧力)面もあると説明している。

東京市場午前の取引では、欧州債務懸念や中国の利上げ観測など を受けて円買いが進行。正午すぎにはドルに対して一時82円34銭と、 11月12日以来、約3週間ぶりの高値を付けていた。午後4時8分現 在は82円65銭で取引されている。ユーロ・円相場は午前に一時1ユ ーロ=109円57銭と、4営業日ぶりの円高値を付け、同時刻現在は110 円10銭付近で推移している。

海外不透明要因でリスク回避局面も

中国証券報は7日、国内の銀行と証券会社のエコノミストの予想 を基に、中国人民銀行(中央銀行)が11月の消費者物価指数(CPI) 発表日の13日前後に政策金利引き上げに動く可能性や、18日までに 利上げがある公算が大きいといった見方を伝えた。

一方、ユーロ圏では、金融支援基金の規模拡大や欧州共通債であ る「Eボンド」の創設をめぐる当局者間の意見相違が浮き彫りとなる 中、6日の欧州債市場でスペインとイタリアの国債が下落。ドイツ国 債利回りとの差が再び拡大した。さらに、クレジット・デフォルト・ スワップ(CDS)市場では、イタリアやスペインなどユーロ圏周縁 国の国債保証コストが上昇している。

この日の海外時間には、欧州連合(EU)財務相理事会があるほ か、アイルランドが2011年度の予算案を議会に提出する見通し。

資産管理サービス信託銀の野村氏は、EU財務相理事会を控えて、 域内の金融危機に対応するための枠組み拡大については「意見がまと まらない」との見方が優勢で、「不透明感が尽きない」と指摘。海外の 材料待ちと言った感のある東京市場では、リスクを避ける動きから、 じりじりと円高方向に進む局面も見られたと説明している。

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