KDDI:高速無線併用スマートフォン来期投入-差別化で

国内通信2位KDDIは、他社に比 べて出遅れていたスマートフォン(多機能携帯電話)戦略の差別化のた め、同社が出資元として強みを持つ高速の次世代無線LAN(域内通信 網)の 「WiMAX(ワイマックス)」と、第3世代サービス(3G) を併用可能な端末を来期(2012年3月期)に投入する。

田中孝司社長が6日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビュー で、投入時期について「来期の早い段階」と語った。スマートフォンは パソコンに近い性能を持ち、大量のデータを消費するため収益に貢献す る半面、通信網充実が課題となっている。田中氏はWiMAX併用端末 投入が、こうした「データ津波」を乗り切るのに有効だと強調した。

スマートフォン戦略では、同3位のソフトバンクが、米アップルの 端末「iPhone(アイフォーン)」を軸に先行しているが、販売好 調で今期の設備投資を過去最大まで高めている。一方、WiMAXは、 通信速度が固定回線の光ファイバーと同程度の最大毎秒40メガビット (メガは100万)と、3Gや既存の無線LANに比べても速い。

高速化では同首位NTTドコモも今月から、同75メガの3.9世代 サービス(LTE)を開始する。ただ、田中氏は、LTEをドコモがス マートフォン向けに使える来年の時点でも利用可能エリアは限定的と 述べ、自社の優位性を強調した。田中氏は07年から今年6月まで、日 本唯一のWiMAX運営会社UQコミュニケーションズの社長を務め た。

来期増益なら「評価一変」

田中氏はまた、来期1年間で同社の端末全体に占めるスマートフォ ンの機種数の割合を過半数まで増やすことなどで「データARPU(1 契約当たりの月間収入)が音声を上回る」と語った。ただ、来期には利 用周波数帯や販売手法の変更に伴う移行コストなどが響き、携帯事業が 増益に転じるか不透明と説明、反転は翌13年3月期になるとの予測を 示した。同事業の今期営業利益は2年連続減の4300億円の見込み。

クレディ・スイス証券の早川仁アナリストは、KDDIの携帯事業 について市場では「来期も移行コストに押され減益が続き、13年3月期 に増益に転じるとの見方が一般的」と指摘。一方で「田中氏への社長交 代でスマートフォンへのシフトを強化している」とも語り、戦略転換の 加速で来期の増益が実現すれば「KDDIへの見方はがらりと変わる」 とコメントした。

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