首相:社民党首と会談、通常国会へ連携模索-安保が障害

菅直人首相は来年1月からの通常 国会に向け、社民党との連携強化を模索し始めている。6日には同党 の福島みずほ党首と会談し、来年度予算編成で同党とも協議していく ことを確認したが、福島氏は米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市) の県内移設や政府・民主党が検討している武器輸出3原則の見直しに 反対する考えをあらためて伝達。協力関係の再構築には安全保障政策 がなお障害となる可能性を浮かび上がらせる形となった。

菅首相は同日午後の記者会見で、今後の国会運営について「全体 として政権運営がしっかりと進められるような体制をいかにつくっ ていくかを念頭に置いて、次期通常国会までの間に全力を上げたい」 と指摘。その上で、「その中には社民党、国民新党との関係をより緊 密かつ戦略的に捉えていくことも含まれるし、場合によっては他のグ ループともいろいろな話し合いは機会があれば行っていきたい」と語 り、社民党などとの連携強化に期待感を示した。

これに対し、福島氏は同日昼の会談後、記者団に対し、首相との 会談について「政府としては通常国会をスムーズにしたいかもしれな いが、社民党としての譲れない部分や思いがあるわけで、それをしっ かりきょう、要望した」と説明。特に武器輸出3原則に関しては「見 直しとなれば政権との距離としても考えなければならない」とクギを 刺した。

ねじれ国会

7月の参院選に大敗し、野党が参院の多数派を占める「ねじれ国 会」に悩む首相。今年度補正予算は衆院の議決を優先させる憲法の規 定を使ってなんとか成立させたものの、通常国会では来年度予算案に 加え、税制改革などの予算関連法案を成立させなければならず、野党 の協力が必要だ。

社民党は衆院6、参院4の少数政党。仮に協力を得られても参院 では過半数に及ばないが、衆院は1議席が欠員で議長は採決に加らな い慣例となっているため、民主、国民新両党の会派、与党系無所属に 社民党が加わると3分の2の319議席となって再可決に必要な人数 に達する。このため、国民新党は社民党との連携強化を促しているほ か、仙谷由人 官房長官も6日午前の会見で、社民党との党首会談に ついて「議論をして国会運営にも政策の実現にも協力してもらいたい というのが基本だ」と語っている。

鳩山由紀夫前政権末期、普天間を沖縄県名護市辺野古地区に移設 するとした日米合意に反発して連立政権を離脱した社民党だが、先の 臨時国会では政府提出の今年度補正予算に賛成、自民党などが提出し た仙谷由人官房長官らへの問責決議に反対するなど他の野党と一線 を画した対応を取ってきた。

来年度予算

福島氏によると、この日の党首会談では社民党が重視する労働者 派遣法改正案について通常国会で成立を目指すことで一致。来年度予 算編成に向けて協議していくことでも合意した。

ただ、今後の連携でネックとなるのは安全保障政策であることに は変わりはない。福島氏は普天間飛行場の移設問題について「仲井真 弘多さんが知事になったが、仲井真さんも県内移設にノーであるので、 そのことをしっかり受け止めてほしい」と首相に迫ったが、首相から は「見直すということは答えとしてなかった」という。

また、福島氏は武器輸出3原則についても「平和の問題からとて も重要だと考えている。堅持するようにお願いしたい」と首相に要請。 その上で、「わたしがぶち切れなくてすむようによろしくお願いしま すということは何度か申し上げた」とけん制した。

これに対し、首相は記者会見で、民主党内にも慎重論がある3原 則の見直しについては「基本的な理念はしっかり守っていかなければ ならない。社民党と意見交換を始めるように指示をした」と語った。 普天間問題に関しては「5月28日の日米合意を踏まえながら、沖縄 における基地負担をいかに軽減できるのか。いろいろな経済振興とも あわせながら誠心誠意、沖縄の皆さんに理解が得られるよう努力した い」と述べ、日米合意の履行を目指す考えを強調した。

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