日本株はTOPIXが4連騰、資源や素材に買い-輸出重し

東京株式相場は、TOPIXが小 幅ながら4日続伸。原油など国際商品市況の上昇を好感し、非鉄金属 や海運など資源関連株が高い。鉄鋼やガラス・土石製品、繊維など素 材関連株も堅調。米国の雇用統計低調を受けた金融緩和政策の持続期 待も、相場全般を支える要因となった。

TOPIXの終値は前週末比2.19ポイント(0.3%)高の881.41。 一方、海外市場で円高方向に振れた為替動向を嫌気し、電機や精密機 器など輸出関連株の一角が安くなった影響で、日経平均株価は同11 円9銭(0.1%)安の1万167円23銭と4営業日ぶりに小幅反落。日 経平均の日中値幅は36円とことし最小で、昨年12月21日(32円) 以来の値動きの狭さだった。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、米国では消費 関連をはじめ直近で持ち直し傾向のマクロ指標が目立っていたことを 考慮すれば、「米雇用統計の下振れは一過性の可能性が高い」との認識 を示した。米経済は緩やかな回復基調にあるといった見方がメインシ ナリオで、それが投資家の行動に表れていると同氏は受け止める。

週明けの日本株市場では、三井物産や住友金属鉱山など資源関連 株の一角が上昇。マネックス証券の金山敏之マーケット・アナリスト によると、「リスク志向の投資資金は、ドル下落で代替資産としての商 品に向かっており、資源関連銘柄には買いが入りやすい」という。3 日のニューヨーク商業取引所では、原油先物が前日比1.4%高の1バ レル=89.19ドルと約2年2カ月ぶりの高値で終了。金や銅先物も高 く、関連銘柄には収益への好影響を見込む買いが朝方から優勢だった。

商船三井など海運株も上昇。ばら積み船の国際運賃市況のバルチ ック海運指数が続伸していることがプラスに働いた。このほか、東証 1部の業種別33指数で値上がり率上位には鉄鋼、ガラス・土石製品が 入った。鉄鋼株では、神戸製鋼所が3%超上昇。神戸鋼には、同社や 日立金属など日本勢6社が、航空機の機体に使うチタン材を国産化す ると6日付の日本経済新聞朝刊が報じる材料もあった。

米雇用失望、量的緩和期待が交錯

一方、米労働省が3日に発表した11月の雇用統計によると、非農 業部門雇用者数は前月比3万9000人増加と、エコノミストの予想中央 値(15万人増)を下回った。また、11月の失業率は9.8%で前月の9.6% から上昇、4月以来の高水準を記録した。

雇用統計を受け米景気の回復期待が後退し、3日のニューヨーク 外国為替市場ではドルが売られた。この流れを受けた6日の東京市場 でも、1ドル=82円台後半と3週間ぶりの円高・ドル安水準で推移。 収益環境の悪化が警戒され、キヤノンやパナソニック、ホンダ、ファ ナックなど輸出関連株には売りが優勢だった。

ただ輸出株も含め、相場全般への売り圧力は限定的。米雇用統計 が失望を誘う内容となり、かえって米国での量的金融緩和が長期化し、 過剰流動性による株高トレンドが続くとの見方が背景にある。日興コ ーディアル証券国際市場分析部の河田剛シニアストラテジストは、「米 国で雇用統計が予想を下回ったにもかかわらず、量的金融緩和が長期 化するとの思惑から米株が上昇して終えたことで、市場センチメント は悪化していない」と話していた。

通常の失業率回帰は4、5年先

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は5日放送予定 のCBSの報道番組「60ミニッツ」のインタビューで、5-6%前後 という「より通常の失業率に戻るのは4、5年先になる可能性がある」 と予想。量的緩和プログラムの効果とインフレや経済の見通し次第で は、国債購入を予定額よりも拡大する「可能性があることは確かだ」 と述べている。

東洋証券情報部の大塚竜太部長は、米雇用統計が市場予想を下回 ったにもかかわらず、株式への売り圧力が限定的だった点について「過 剰流動性相場への期待感が悪い材料を覆い隠している。株式の先高観 を抱く投資家が増えてきたようだ」と指摘。同氏は、11月3日の米連 邦公開市場委員会(FOMC)での追加金融緩和決定をきっかけとし た日本株の上昇局面が、なお続いていると見る。

東証1部の売買高は概算で14億8079万株。売買代金は1兆355 億円と、10月25日(1兆68億円)以来の低水準に落ち込んだ。騰落 銘柄数は値上がり1222、値下がり306。

東栄住宅高い、マザーズ7月来の400台

個別では、不動産分譲事業が好調で、2011年1月期の連結業績と 年間配当計画を増額した東栄住宅が急伸。11月のグループサイト利用 者数が前年同月比52%増の6703万人だったカカクコム、サイバーエ ージェントグループと中国、日本のソーシャルゲームデベロッパーを 共同で発掘、支援するディー・エヌ・エーも高い。クレディ・スイス 証券が投資判断を「アウトパフォーム」に上げた日本ガイシも上昇。

半面、9-11月期の連結営業利益が前年同期比約2割減の30億 円前後になったもようと、4日付の日本経済新聞朝刊で報じられたサ イゼリヤが下落。沢井製薬、東和薬品などジェネリック薬品株の一部 も下げた。東証2部では、公募増資などでファイナンス後の発行済み 株式総数が現状比19%増えるアルコニックス、11年4月期業績予想を 下方修正した野田スクリーンが下落率上位。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前週末比0.6%高の50.85 と6日続伸、東証マザーズ指数は2.1%高の400.58と4日続伸し、終 値で7月29日以来の400ポイント台回復となった。

1対2の株式分割を発表したクックパッドが買われ、開発した眼 科領域疾患に対する治療用ワクチンのライセンスを塩野義製薬に供与 することが明らかになったオンコセラピー・サイエンスも高い。サイ バーエージェントやスタートトゥデイも上昇。半面、11年7月期の連 結純利益は5億7000万円の赤字と、従来計画の4000万円の黒字から 悪化する見通しとなったエム・ピー・ホールディングスはストップ安。 楽天や田中化学研究所も下げた。

-- Editor:Shintaro Inkyo

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