12月6日の米国マーケットサマリー:国債上昇、当局の購入拡大観測で

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3312 1.3414 ドル/円 82.68 82.53 ユーロ/円 110.07 110.73

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,362.19 -19.90 -.2% S&P500種 1,223.12 -1.59 -.1% ナスダック総合指数 2,594.92 +3.46 +.1%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .42% -.05 米国債10年物 2.93% -.07 米国債30年物 4.24% -.07

商品 (中心限月) 終値 営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,416.10 +9.90 +.70% 原油先物 (ドル/バレル) 89.12 -.07 -.08%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが主要通貨の大半に対 して下落。欧州当局者の間でソブリン債危機の対応策をめぐり意見 が分かれていることが嫌気されて売られた。

主要6通貨のバスケットに対するドル指数は、4営業日ぶりに 上昇した。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が追加 緩和策の規模拡大の可能性を示したのが手掛かりだった。ベルギー のレインデルス財務相はユーロ圏救済基金の拡大もあり得ると発言。 ドイツのメルケル首相、フランスのサルコジ大統領と異なる姿勢を 示した。アイルランドでは7日、予算案を採決する。欧州連合(E U)などからの支援策を実施するには予算案の可決は必須だ。

ゲイン・キャピタル・グループ傘下のオンライン為替取引会社 FOREXドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)の チーフストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は、「基金の拡大 をめぐるユーロ圏内での見解の相違は、EU内の亀裂を示し始めて いる」と述べ、「それがユーロを押し下げている」と続けた。

ニューヨーク時間午後2時43分現在、ユーロは対ドルで

0.7%下げて1ユーロ=1.3326ドル。前週末は1.3414ドルと、 終値としては11月22日以来の高値だった。対円でのユーロは

0.6%下げて1ユーロ=110円07銭。前週末は110円73銭だっ た。

◎米国株式市場

米株式相場は反落。S&P500種株価指数は4営業日ぶりに下 げた。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が米経済 の成長は失速しかねないとして、金融緩和策を拡大する可能性があ ると示唆したことが背景にある。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)は、2011年に格下げのリ スクがあると野村ホールディングスに指摘されたことが嫌気されて 下落。医薬品のセルジーンは、S&P500種で値下がり率最大。同 社の多発性骨髄腫治療薬「レブリミド」について、ISIグループ が二次がんの発症リスクを指摘したことに反応した。

一方、ネットワーク機器のシスコシステムズは、オッペンハイ マーによる投資判断引き上げに反応し上昇。携帯電話事業者スプリ ント・ネクステルはワイヤレス通信インフラのアップグレードにつ いて詳細な計画を発表したことが好感され、買い進まれた。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前週末比0.1%安の1223.12。ダウ工業株30種平均は

19.90ドル(0.2%)下げて11362.19ドル。

キー・プライベート・バンク(オハイオ州クリーブランド)の チーフ投資ストラテジスト、ブルース・マケイン氏は、「心配の種 は多い」と指摘。「米国の失業率や欧州で起こっている問題を考え ると、今後上昇をけん引するのは何だろうか。懐疑的な見方が多く ある。経済指標や企業決算ではかなり良い数字が聞かれるが、投資 家はより積極的なスタンスを取るべきか、ディフェンシブになるべ きかなおも確信を持てない」と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。2年債利回りは3週間ぶりの水準に低下し た。米連邦準備制度理事会(FRB)が景気回復の支援に向け国債 購入プログラムを拡大する可能性があるとの観測が背景。

10年債は4営業日ぶりに上昇。バーナンキFRB議長は前日放 送の米CBSの番組で、米失業率が5-6%前後という「より通常 の」水準に低下するまでに5年を要する可能性があると述べ、国債 購入額が先月発表した6000億ドル(約49兆6200億円)を超え る公算があるとの見解を示した。NY連銀はこの日、償還期間が 2028年8月から2040年11月までの国債を20億4400万ドル 買い入れた。

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、 ポール・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は、「バーナンキ議長の コメントは、FRBが国債購入プログラム実施をまったく思いとど まることなく、むしろ拡大する可能性があることを示唆している。 それが相場上昇の要因になっている」と指摘。「NY連銀による国 債買い入れも相場の一段高を支えた」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後3時7分現在、10年債利回りは前週末比7ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の2.94%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は17/32上げて97 9/32。 同利回りは3日、3.04%に上昇し7月28日以来の高水準を付け た。

2年債利回りはこの日5bp低下の0.43%。一時は0.42% と11月10日以来の低水準となった。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。1オンス=1416.10ドルと、 終値ベースで最高値を更新した。米国が量的緩和を拡大するとの観 測と、欧州の債務危機が深刻化するとの懸念から通貨に替わる投資 先として金の魅力が高まった。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は国債購入額 が先月発表した6000億ドルを超える可能性があるとの見解を示し た。欧州当局はソブリン債危機に歯止めをかける方法をめぐり意見 が分かれた。金はユーロ建て、ポンド建てでそれぞれ最高値を記録 した。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の金属トレー ダー、マット・ジーマン氏は「通貨の価値低下は新たな標準となっ た」と指摘。「それがある限り、投資家は紙幣に対するヘッジとし て金属を買うだろう。金がさらに上値を追うのは明白だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物2月限は前営業日比9.90ドル(0.7%)上昇した。一時は

1422.40ドルまで上昇し、11月9日に記録した取引時間中の最高 値1424.30ドルまであと1.90ドルに迫った。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は小幅続伸し、2年2カ月ぶり高値 に上昇した。世界最大の石油消費国、米国で景気刺激の措置が拡大 されるとの観測が強まり、需要増加への期待が高まった。また欧米 の寒冷予報も買い材料となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は国債購入 プログラムを現行の6000億ドルから拡大する可能性を示唆。原油 価格は過去4週間で最長の連続高となった。米国の一部と欧州が厳 しい冬に入ったことで、暖房用燃料に買いが入った。

BNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのブローカー、 トム・ベンツ氏(ニューヨーク在勤)は、「一段高を支えるような 明るい経済ニュースが相次いだ。寒波も追い風になった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前 営業日比19セント(0.21%)高の1バレル=89.38ドルで終了 した。2008年10月7日以来の高値。年初来では13%上昇した。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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