米国債:上昇、FRB議長発言で-国債購入拡大に期待

米国債相場は上昇。2年債利回 りは3週間ぶりの水準に低下した。米連邦準備制度理事会(FRB) が景気回復の支援に向け国債購入プログラムを拡大する可能性がある との観測が背景。

10年債は4営業日ぶりに上昇。バーナンキFRB議長は前日放 送の米CBSの番組で、米失業率が5-6%前後という「より通常の」 水準に低下するまでに5年を要する可能性があると述べ、国債購入額 が先月発表した6000億ドル(約49兆6200億円)を超える公算 があるとの見解を示した。NY連銀はこの日、償還期間が2028年 8月から2040年11月までの国債を20億4400万ドル買い入れ た。

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、ポ ール・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は、「バーナンキ議長のコメ ントは、FRBが国債購入プログラム実施をまったく思いとどまるこ となく、むしろ拡大する可能性があることを示唆している。それが相 場上昇の要因になっている」と指摘。「NY連銀による国債買い入れ も相場の一段高を支えた」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時57分現在、10年債利回りは前週末比7ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の2.94%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は19/32上げて97 11/32。 同利回りは3日、3.04%に上昇し7月28日以来の高水準を付け た。

2年債利回りはこの日5bp低下の0.43%。一時は0.42%と 11月10日以来の低水準となった。

バーナンキ議長の見解

バーナンキ議長はCBSとのインタビューで、国債購入を予定額 よりも拡大する「可能性があることは確かだ」とし、それは「同プロ グラムの効果」とインフレや経済の見通し次第だとの認識を示した。

米労働省が3日に発表した11月の雇用統計によると、非農業部 門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比3万9000人増 加と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央 値(15 万人増)を下回った。家計調査に基づく11月の失業率は

9.8%で前月の9.6%から上昇した。

バーナンキ議長は、現在の水準で推移すれば、5-6%前後とい う「より通常の失業率に戻るのは4、5年先になる可能性がある」と 述べた。

同議長は、住宅などのセクターが一段と落ち込むことはないため、 リセッション(景気後退)への逆戻りは「なさそうだ」と指摘。長期 にわたる高失業率は引き続き信頼感に打撃を与える可能性があるとし、 「新たな景気減速を引き起こすリスクの主な要因となる」と続けた。

「安心感」

フェデレーテッド・インベストメント・マネジメントの国債・M BS担当共同責任者、ドナルド・エレンバーガー氏は、「必要ならば 国債購入を拡大するとしたバーナンキ議長の発言で、市場には安心感 が広がった」と指摘。「10年債利回りが3%水準を超えるのには困 難を伴った。同水準を超えるためには今後、好調な経済指標が必要と なるだろう」と述べた。

一方、米リッチモンド連銀のラッカー総裁は、FRBによる 6000億ドルの米国債購入プログラムについて、向こう数年でインフ レを加速させるリスクがあるほか、FRBの刺激策の引き揚げを複雑 にする恐れがあると指摘した。

米財務省による今週の660億ドル規模の中長期債入札を控え、 国債相場の一段の上昇は抑えられる可能性がある。財務省は7日に3 年債を320億ドル、8日は10年債210億ドル、9日には30年債 130億ドルをそれぞれ発行する。

バークレイズは米国債利回りが来年の下期に上昇するとの見通し を示した。米経済指標の改善に加え、財政赤字に再び市場の注目が集 まるため、欧州をめぐる不透明感の影響を打ち消すとの見方が理由。

バークレイズは3日の調査リポートで、10年債利回りは来年末 までに3.50%に達すると予想。従来予想の3.20%から引き上げた。

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