地球温暖化対策:もたつく米国に中国が反転攻勢-交渉の主役交代へ

地球温暖化対策で米国と中国が攻 守所を変えている。昨年末にコペンハーゲンで開かれた国連気候変動枠 組み条約第15回締約国会議(COP15)では米国が中国にもっと積極 的に行動するよう迫った。今や米国がもたついている間に中国がエネル ギー産業のクリーン化に動き、立場が逆転している。

ドイツ銀行気候変動アドバイザーズのマネジングディレクター、 マーク・フルトン氏(ニューヨーク在勤)はインタビューで「中国 は米国が行動を起こすまで何もしないと考えられていた。しかし、何 か見落としていない限り、中国は既に大きく動いている」と述べた。

メキシコのカンクンで開催中の第16回締約国会議(COP16)で は、米中は2大温暖化ガス排出国だ。190以上の国が法的に拘束力を持 つ協定策定に向け合意を目指しているが、COP15では合意に至らな かった。

オバマ大統領が法制化を目指した温暖化ガス排出抑制法は議会で廃 案同然となった。それとは対照的に中国は温暖化ガスを削減しエネルギ ー効率を高める法制を整備、二酸化炭素(CO2)排出権取引制度も検 討している。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、再生 可能エネルギーへの投資額は中国が昨年345億ドル(約2兆8900億円) だったのに対し、米国は約半分の186億ドルにとどまった。

迅速な政策展開

デューク・エナジー(米ノースカロライナ州)の最高経営責任者 (CEO)、ジム・ロジャーズ氏は11月30日、カンクンでのインタ ビューで「中国は米国よりも政策展開が速いので、行動を共にする上で 大切だ」と述べた。

中国のクリーンエネルギー開発補助金は手厚く、オバマ政権は世 界貿易のルール違反だと世界貿易機関(WTO)に訴える構えを示して いる。

米民間団体「憂慮する科学者同盟」の政策担当責任者、オールデ ン・マイアー氏は「米国では国内政策も進展しておらず、中国は昨年の コペンハーゲンに比べ交渉力を強めている。中国の国民は、米国より立 場が強いのだから譲歩する必要はないと考えている」との見方を示し た。

国連気候変動枠組み条約のフィゲレス事務局長は11月、中国が風 力、太陽光発電、温暖化ガス抑制などで主導権を発揮していることに ついて「アウトパフォーム」と称賛した。

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