ドルが下落、83円台後半-米雇用統計控え売り圧力、海外動向注視

東京外国為替市場では、ドルが対 円でじり安。注目の米雇用統計の発表を控えて、全般的に動意は乏しか ったが、前日に米長期金利が上昇したにもかかわらず、ドル高が進まな かったこともあり、ドルは午後にかけてじわじわと売られる展開となっ た。

午後4時38分現在のドル・円相場は83円59銭前後。朝方につけ た83円90銭を日中の高値に午後には一時、83円54銭までドル安が 進んだ。1ユーロ=1.3200ドル前後で小動きだったユーロ・ドル相場 も午後には一時1.3234ドルまでドルが弱含みとなった。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏は 「ドル・円は今週3回も84円40銭の突破に失敗しているし、米雇用 統計前でポジションの整理もあるだろう」と指摘。「12月なので今は 需給面で動く部分も多い。ただ、ポジション整理が落ち着けば、ドル・ 円は再び米金利の動向に引っ張られることになるだろう」と語った。

ユーロ・円相場は1ユーロ=110円90銭から一時、110円43銭 までユーロ安・円高が進行。ただ、米雇用統計を控えて様子見姿勢が広 がるなか、午後にかけては110円台半ばで小動きの展開となった。

米雇用統計

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 11月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比15万人増加と、 5月以来の大幅増(同15万1000人増)となった10月並みの伸びが 見込まれている。

一方、11月の失業率は4カ月連続で9.6%にとどまる見通しとな っている。予想通りなら、9.5%以上の状態が1年4カ月続くことにな り、1948年の統計開始以降で最長となる。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部為替課長の 塩入稔氏は、「雇用統計については強めの予想が出ているようだが、き のうの動きを見ても米金利上昇がなかなかドル・円の上昇につながって おらず、正直、指標が出た後の動きを予想するのは難しい」と指摘。雇 用統計が好感された場合、「ドル・円は良いムードの中で米金利に引っ 張られて円安になる可能性もある」半面、「リスクオン(選好)で単な るドル安」の展開になる可能性もあるとみている。

また、日興コーディアル証券国際市場分析部の為替ストラテジスト 、松本圭史氏は、「ここから1週間程度はクリスマス前のポジション調 整云々も絡んでくるだろう」とし、「ドル・円は指標発表後に大きく振 れたとしても結局、『行って来い』のような形になる可能性がある」と 指摘している。

米雇用統計以外にも、この日は米供給管理協会(ISM)が11月 の非製造業景況指数を発表する。エコノミストの予想中央値は54.8 (10月は54.3)で、5月以来の急速な伸びが見込まれている。

一方、中国で発表された11月の非製造業購買担当者指数(PMI) は9カ月ぶりの低水準となった。インフレ加速でサービス業界の利益率 が縮小したことを反映している。また、英HSBCホールディングスが 発表した11月のHSBC中国サービス業PMIは約2年ぶり低水準と なった。

国営の新華社通は、中国当局が来年、「用心深い」金融政策へと、 現行の比較的緩和的な政策から移行すると、中国共産党中央委員会の政 治局会合を引用して報じた。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)レーティ ングス・サービシズは2日、ギリシャの長期ソブリン格付け「BB+」 をクレジットウォッチに指定し、引き下げ方向で見直すと発表した。

ECBのトリシェ総裁は前日開いた政策決定会合後の記者会見で、 危機対応で導入した緊急の流動性措置の解除を遅らせることを明らかに するとともに、国債購入は継続中だと述べた。

松本氏は、ECBの決定について、「ネガティブサプライズ」もな かったが、「リップサービスでもいいので、国債買い取り強化などもう 少し出すべきだった」と主張。その上で、「米雇用統計が下振れなけれ ば、基本的にはリスクセンチメント改善でドル売りが出やすいとみてい るが、ユーロ自体の上値は重く、ドル・円については動きが限定的とな る可能性が高い」と語った。

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