日本株は小幅に3連騰、米景気期待で一時6月高値抜け

東京株式相場は、小幅ながら3日 続伸。米国の中古住宅や小売りに関する指標が改善し、景気回復期待 から電機や精密機器など輸出関連の一角、商社や化学株など海外景気 に恩恵を受ける業種の一角が買われた。

日経平均株価の終値は前日比9円80銭(0.1%)高の1万178円 32銭、TOPIXは2.01ポイント(0.2%)高の879.22。

りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・ストラテ ジストは、「米国景気は思ったほど悪くなく、米国景気が大丈夫という 間は為替面でも円安要因になる。日本株にとっては、しばらくダブル の効果が続くだろう」と見ていた。

日経平均は朝方、前日の米シカゴ市場での先物清算値にさや寄せ する格好で一時85円高の1万254円まで上昇。需給、チャート上の1 つの節目と見られてきた6月の日中高値(1万251円)を上抜けた。 その後失速し、午後には一時マイナスに転じる場面もあったが、取引 終了にかけては底堅さを示した。

10月の米国の中古住宅販売成約指数は前月比10.4%上昇し、伸び 率は2001年の同データの記録開始以降で最高を記録。また、感謝祭の 週末を中心に値引き商品の売れ行きが堅調だったことから、10代向け 衣料小売りのアバクロンビー・アンド・フィッチをはじめ、11月の米 小売り大手の既存店売上高は3月以来の高い伸びを見せた。

弱気派も軌道修正、目先は過熱感

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは、「米国では量的 緩和を織り込み8月から金利が低下し、景気を刺激して回復しないと まで言われていた住宅にまで一部効果が表れてきた」と指摘。これに より、「『米国経済の日本化』という弱気シナリオを描いていた投資家 は、軌道修正を迫られつつあることに気づき始めた」と言う。

りそな銀の黒瀬氏によると、「海外投資家はアジアでのインフレ悪 化がデフレの日本にとって良い影響を及ぼすと見て、日本株のアンダ ーウエートを見直している」そうだ。需給面でも、日本株に追い風が 吹きつつある。

もっとも、東証1部の騰落レシオ(25日平均)は2日に124%と、 過熱気味とされる120%以上に達している。上昇ピッチの速さから、 午前後半からは上値の重さも意識された。

中央証券の大越秀行株式部長は、「日経平均1万200-1万300円 はチャート上の節目でもあり、簡単に上回ってくることはない。日経 平均先物は6月高値と並んだが、上回ることはなかった」と指摘。短 期急騰後や円が対ドルで1ドル=83円台とやや強含んだこともあり、 「米雇用統計を前に買い手控えムードが出ている」としていた。

東証1部の売買高は概算で15億6174万株、売買代金は同1兆 1640億円。値上がり銘柄数は914、値下がりは547。

野村総研が大幅高、Fリテイリは反落

個別銘柄では、野村証券向けビジネスを評価し、ゴールドマン・ サックス証券が強気判断を確認した野村総合研究所が大幅高。沢井製 薬が経営統合を提案したキョーリン製薬ホールディングス、10年10 月期の連結営業利益は従来予想を上回ったもようのクミアイ化学工業 も急伸した。MBO(経営陣による企業買収)で株式を非公開化する インボイスは、株式公開買い付け(TOB)価格にさや寄せして東証 1部値上がり率3位。

半面、11月の国内ユニクロ事業の既存店売上高が前年同月比

14.5%減だったファーストリテイリングは3日ぶりに反落。カタール のガス処理プラントの受注有利という一部報道は、内容の精度が高い とは言えないと野村証券が指摘した千代田化工建設、ドイツ証券が業 績予想を引き下げた王子製紙は反落した。

ジャスダック指数が8月来の50ポイント回復

新興市場も連騰。ジャスダック指数の終値は前日比1.3%高の

50.55と5連騰で、終値では8月3日以来、4カ月ぶりに50ポイント を回復。東証マザーズ指数は0.4%高の395.29と3日続伸した。8- 10月連結営業利益が前年同期比44%増となったビットアイル、光学3 倍ズーム装置で世界最小クラスの製品を開発したシコーが大幅高。半 面、8-10月連結営業損益が赤字だったアルチザネットワークスは急 落した。

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