債券は続落、米雇用統計控えて現物買い慎重-超長期債売りも足かせに

債券相場は続落。欧米市場で株 高・債券安が続いているほか、米国の雇用統計発表を今晩に控えて現物 買いに慎重な雰囲気が広がった。午後に20年債など超長期債売りが優 勢となると、朝方に堅調だった先物相場の上値も重くなった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、10年債利回り1.2%台など金利面からは買いが入っても良い 水準だが、市場の地合いはなお悪化したままだと言い、米雇用統計の発 表前に買い控えが続くのはやむを得ないとも話した。

東京先物市場の中心限月の12月物は、前日比1銭高い140円95 銭で開始した。その後は小高い推移となり、午前の終了前には16銭高 の141円10銭を付けた。しかし、午後に入って再び売りが膨らむと前 日の終値付近でのもみ合いとなり、取引終盤には140円86銭まで下落。 結局は6銭安の140円88銭で終了した。

きのうの欧米市場で株高、債券安が続いたため、国内債相場も続 落を予想する見方が出ていたが、先物相場は日中取引で総じて小高い推 移となり、市場では前日の急落の反動買いが入ったとみられていた。み ずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、債券市場で特段の 買い材料が出たわけではないが、相対的に割安化した先物への買いをき っかけに反発したとの見方を示した。

投資家は新規取引に慎重

もっとも、2日には欧州中央銀行(ECB)が緊急流動性措置の 解除を延期したことや、米中古住宅販売成約指数が過去最大の上昇とな ったことが材料視され、欧米市場ではいずれも株高、債券安が続いた。 東京時間の今晩には米雇用統計の発表を控えていることもあって、投資 家が積極的に現物買いに動く様子はうかがえず、先物市場も午前の買い が一巡すると方向感の乏しい展開が続いた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、非農業 部門雇用者数は11月に15万人増加したもよう。失業率は変わらずの

9.6%が予想されている。

また、財務省がきょう実施した流動性供給入札(第83回)がやや 低調な結果に終わると、先物市場で再び売りが優勢となった。新発20 年債利回りは午後に2.035%に上昇して、5月以来の高水準を付けた。

10年債利回りは1.205%

現物市場で新発10年物の312回債利回りは前日終値と同じ

1.20%で開始。しばらくは1.195-1.20%での取引となり、午前11 時前後には1ベーシスポイント(bp)低下の1.19%を付けた。しかし、 午後に売りが広がると1.205%まで上昇して、新発10年債として6月 22日以来の高い水準を記録。その後も1.20-1.205%で推移している。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 長期金利は節目の水準である1.2%での需要に支えられていると指摘。 ただ、相場が特に強いという感じではなく、米国の雇用統計発表を控え て一方向に動く展開ではないとも話していた。

312回債には1日実施の入札通過後に買いが先行したが、前日に は米金利上昇や内外株高を手掛かりに売り込まれた。

この日も午前の買いが一巡すると売りが優勢となり、5カ月半ぶ りの水準まで上昇している。しかし、投資家は新規の債券購入に慎重な 一方で、現状水準からさらに売り込むには至っていないもよう。みずほ 証の三浦氏は、10年債の1.2%乗せは売られ過ぎとみる向きが多く、 「雇用統計発表後に米国株相場が一段と上昇しない限り、週明けには 徐々に債券買いが出てきそうだ」と予想していた。

来週の10年債は1.2%中心に推移か

市場関係者の間では、来週の10年債利回りは1.2%を中心とした 推移が見込まれている。11月の金利上昇が米雇用統計の改善がきっか けだったことには警戒感があるが、みずほ証の三浦氏は、市場はすでに 米雇用情勢の改善を織り込んできたため指標発表後に反動が出る可能性 があると指摘。その上で、「10年債利回りは一時的な上振れがあって も1.16-1.22%程度がレンジの中心」だと予想する。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、米国債市場 で30年債の利回り上昇が一服するなど、金利上昇の勢いに陰りが見え 始めた点に着目。「国内債市場も10年債の1.2%は投資家の買い目線 にあり、ここから持続的に上昇が続くとはみていない」と言う。

来週7日には30年利付国債、9日には5年債の価格競争入札が実 施される。30年債の入札では利回り2.1%台で相応の需要が期待され ている。また、足元では中期ゾーンも売り込まれるなど不安定な展開と なっているが、みずほ証の三浦氏は、金融緩和の時間軸効果を考えると 中期債利回りの上昇には限界があると言い、「この水準での5年債入札 は売りでなく買いで対応していきたい」と話した。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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