12月3日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル、対円で3週ぶり安値-米雇用低迷

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが円に対して3週間ぶり安 値に下落。11月の米雇用者数の伸びが予想を大幅に下回り、失業率 が上昇したことで、景気回復が腰折れしつつあるとの観測が広がった。

ドルはメキシコ・ペソとカナダ・ドルを除く主要通貨すべてに対 して値下がり。11月の米雇用統計によれば、失業率は9.8%に上昇 し、米連邦準備制度理事会(FRB)による雇用拡大を狙った追加量 的緩和の決定を裏付ける格好となった。スイス・フランは上昇。ドル の代替投資先として買い進まれた。

為替取引を手掛けるテンパス・コンサルティングのストラテジス ト、ジョン・ドイル氏は「きょうの雇用統計は、FRBとその流動性 供給の正当性を示した」と指摘。「ドルとリスクの相関関係がこの日 は崩れた。リスク環境は変わっていないが、株価とドルが下げている」 と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で前日比1.5%下 げて1ドル=82円53銭(前日は83円82銭)と、11月15日以 来の安値。週間ベースでは1.9%下げ、10月以来の値下がり。

ドルはユーロに対しては1.5%安の1ユーロ=1.3414ドル (前日1.3209ドル)。週間では1.3%安と、1カ月ぶりの下落と なった。ユーロは対円で1ユーロ=110円73銭と前日から変わら ず。

失業率は4月以来の高水準

11月の米雇用統計によれば、非農業部門雇用者数(事業所調査、 季節調整済み)は前月比3万9000人増加。前月は17万2000人 の増加(修正値)だった。失業率は9.8%で前月の9.6%から上昇 し、4月以来の高水準を記録した。

今月3日に決定されたFRBの追加の国債購入計画については、 国内外から批判が起こった。ドイツのショイブレ財務相は、ドルの価 値低下を意図しているとの見方を示唆する発言を行った。また共和党 の重鎮4人は、バーナンキFRB議長あての書簡で、国債購入計画が 「将来のドルの強さに重大な不確実性をもたらす」と指摘した。

フラン上昇

米失業率は2009年7月以降、9.5%以上の状態が続いている。 09年10月には1983年6月以来の高水準となる10.1%を付けた。

スイス・フランは一時2%高の1ドル=0.9727フランと、11 月12日以来の高値に上昇。金相場も値上がりした。ドル以外の安全 資産を求める動きが広がった。

米国の主要貿易相手国通貨6種類に対するドルの動きを示すドル 指数は1.4%下げて79.153と、1週間ぶりに80を下回った。

カナダ・ドルとメキシコ・ペソは、ドルに対するパフォーマンス が最悪となった。カナダ・ドルは0.1%安の1米ドル=1.0039カ ナダ・ドル。メキシコ・ペソは0.1%下げて1ドル=12.3369ペ ソ。

◎米国株:続伸、商品高が追い風―景気懸念を相殺

米株式相場は上昇。週間ベースでは1カ月ぶりの大幅高となった。 エネルギーや金属株が堅調に推移し、11月の米雇用統計を背景にし た景気回復の腰折れ懸念を相殺した。同統計では雇用の伸びが予想を 下回った。

産金で米最大手のニューモント・マイニングや油田サービス最大 手のシュルンベルジェが大きく値上がり。商品19銘柄で構成するロ イター・ジェフリーズCRB指数は週間では2009年以来で最大の 上げを記録して終了した。シティグループが買いを勧めたデュポンも 高い。

一方、ディスカウントストアのビッグ・ロッツは安い。同社は 2011年1月通期の業績見通しを引き下げた。投資判断を引き下げら れたナスダックOMXグループも下落した。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1224.71。一時は

0.4%値下がりしたが、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB) 議長の発言が伝わり、上げに転じた。同議長は米CBSテレビとのイ ンタビューで、6000億ドルの国債購入計画の規模を拡大する選択肢 を排除していないことを明らかにした。ダウ工業株30種平均は

19.68ドル(0.2%)上昇の11382.09ドル。

「ほかの指標に注目」

USAAインベストメント・マネジメントの株式投資バイスプレ ジデント、ワシフ・ラティフ氏は、「市場は極めてそううつ的な局面 にある」と指摘。「雇用統計は失望されたが、ほかのすべての経済指 標は非常に底堅い内容だ。これは米経済が緩やかながらも着実に回復 していることを示している。引き続き株式投資への好材料といえる」 と述べた。

S&P500種は週間では3%高。米中古住宅販売成約指数が記 録的な伸びを示したことや、米既存店売上高がアナリスト予想を上回 ったことなどが背景にある。同株価指数は7月に付けた年初来安値か ら20%上昇。企業決算の改善や、FRBが成長刺激に向け資産購入 プログラムを拡大したことが好感された。

S&P500種の素材株とエネルギー株指数は業種別10指数の 値上がり率上位を占めた。ドルの下落を背景に、原油や金属価格が上 昇。代替投資先としての商品の魅力が増した。

ニューモントが高い

ニューモント・マイニングは3.1%高。シュルンベルジェは

2.5%値上がり。

デュポンは1.3%高。シティグループは同社の投資判断を「ホ ールド」から「買い」に引き上げた。同社のエレクトロニクス製品が 強いことを理由に挙げた。

ホランドの会長として40億ドル強の管理・運用に携わるマイケ ル・ホランド氏は、「雇用統計が悪い内容だったにもかかわらず株価 が上昇したという事実は良い兆しだ」と指摘。「市場参加者は景気の 上振れを示唆するほかの経済指標に注目し始めている。株の先安を見 込んだ取引をしている人にとっては気の毒な環境だ」と述べた。

ダウ30種平均は一時0.4%値下がりする場面があった。労働 省が発表した11月の雇用統計によると、非農業部門雇用者(事業所 調査、季節調整済み)は前月比3万9000人増加と、ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値(15 万人増)を 下回った。家計調査に基づく11月の失業率は9.8%で前月の

9.6%から上昇した。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、雇用の伸 びが市場予想を下回っていることから、米金融当局が今後数年間に利 上げを実施する可能性は低いと指摘した。同氏はブルームバーグラジ オとのインタビューで述べた。

ビッグ・ロッツは安い

ビッグ・ロッツは5.1%安と、11月4日以来の大幅下落。同社 は11年1月通期の1株当たり利益が最大でも2.81ドルにとどま るとの見通しを示した。従来は少なくとも2.82ドルになると予想 していた。

ナスダックは2.7%安。スタイフェル・ニコラウスは、米2位 の証券取引所を所有する同社の投資判断を「買い」から「ホールド」 に引き下げた。同社の株価がS&P500種に比べると割高なためと 説明した。ナスダックの株価は7月27日に四半期決算を発表して以 降前日までに22%上昇。一方、同期間のS&P500種の上昇率は

9.6%となっている。

◎米国債:2年債上昇、雇用伸び悩みで買い

米国債は2年債利回りが低下。午前に発表された11月の米雇用 統計は、エコノミスト予想を大幅に下回る雇用増にとどまったうえ、 失業率が上昇した。これを受け、景気回復のペースが減速するとの懸 念が再燃した。

償還期限が5年以下の国債は3日ぶりに上昇した。11月の非農 業部門の雇用者数は3万9000人増にとどまった。米連邦準備制度 理事会(FRB)はこの日、借り入れコスト抑制を目的とした6000 億ドルの国債購入計画に基づき、68億ドルの国債を購入した。償還 期限の長い国債は下落。11月の米サービス業活動を示す指数が過去 6カ月での最高を記録したのが影響した。

トロント・ドミニオン銀行のTDセキュリティーズ部門のチーフ 金利ストラテジスト兼エコノミスト、エリック・ラッセルズ氏は、 「償還期限の短い国債が上昇した。経済統計に影響された悲観的な見 方や、さらにFRBが近く量的緩和のペースを緩める理由はないとの 認識がある程度反映されている」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時20分現在、2年債利回りは前日比7ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の0.47%。同年債(表面利回り

0.5%、償還2012年11月)価格は4/32高の100 1/32。

10年債利回りは2bp上昇して3.01%。一時、7月28日以 来の高水準となる3.04%をつけた。30年債利回りは6bp上げて

4.32%、11月18日以来の最高だった。

利上げの可能性低い

10年債と2年債の利回り格差は4日連続で拡大、2.54ポイン トと、6月以来の最大をつけた。

ラッセルズ氏は「まだ良好な材料も多くあり、それが長期債の利 回りを押し上げている」と続けた。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、雇用の伸 びが市場予想を下回っていることから、米金融当局が今後数年間に利 上げを実施する可能性は低いと指摘した。

グロース氏は3日、ブルームバーグラジオとのインタビューで、 政策当局者が政策金利を事実上のゼロに据え置かざるを得ない状況で、 「償還期間の短い国債が安全な領域だ」と述べた。

雇用統計とISM

米労働省が発表した11月の雇用統計によると、非農業部門雇用 者数(事業所調査、季節調整済み)はブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミストの予想中央値(15万人増)を下回った。前月は 17万2000人の増加に上方修正された。

家計調査に基づく11月の失業率は9.8%に上昇し、4月以来 の高水準を記録した。

米供給管理協会(ISM)が発表した11月の非製造業総合景 況指数は55と、前月の54.3から上昇した。ブルームバーグがま とめたエコノミスト予想の中央値は54.8だった。同指数で50は サービス業活動の拡大と縮小の境目を示す。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーの債券ストラテジスト、 ケビン・フラナガン氏は、「最近、良好な経済統計が多く発表されて いたが、雇用統計はその流れを止めた」と述べた。「しかし、米国が 二番底を回避し、緩やかながらもある程度の勢いがみられることから、 市場関係者は雇用統計をある程度割り引いて考えている。そのため、 現時点では雇用統計を深読みしていない」と指摘した。

◎NY金:続伸、1400ドル突破-雇用統計受けて代替資産に買い

ニューヨーク金先物相場は続伸。ドルの下落を背景に、オンス当 たり1400ドルを突破した。米統計で雇用の伸びが予想を下回った ことから、代替資産としての金投資の魅力が増した。

11月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、 季節調整済み)の伸びは予想を大きく下回り、失業率は9.8%に上 昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が景気浮揚を狙って金融システ ムへの流動性供給を続けるとの見方が強まり、ドルは6週ぶりの大幅 安で推移した。

LGTキャピタル・マネジメントの商品アナリスト、バイラム・ ディンチェル氏(チューリヒ在勤)は「景気の不透明感がなかなか晴 れず、高い失業と景気回復のこう着への対応で一段の量的緩和が必要 となりそうな状況は、金投資への確固たる根拠となっている」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比16.90ドル(1.2%)高の1オンス=1406.20ド ルで終了。一時は1409.90ドルまで上昇し、11月12日以来の高 値をつけた。週間ベースでは3.1%の値上がり。

◎NY原油:続伸、25カ月ぶり高値-雇用統計受けたドル下落で

ニューヨーク原油先物相場は続伸し、2年1カ月ぶりの高値を付 けた。ドルが大幅安となったため、代替資産としての商品に買いが入 った。

原油は1.4%上昇。11月の非農業部門雇用者数の伸びが予想を 大きく下回ったほか、失業率が予想に反して上昇したことを受け、主 要6通貨に対するドル指数は11月23日以来の水準に低下した。

米コンサルティング会社、ショーク・グループ(ペンシルベニア 州ビラノバ)のアナリスト、ハムザ・カーン氏は「原油高はドルの大 幅安が原因だ」と指摘。「需給要因に基づく買いではない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前日 比1.19ドル(1.35%)高の1バレル=89.19ドルで終了した。 終値ベースで2008年10月7日以来の高値。週間では6.5%の値 上がり。年初来では12%上昇した。

◎欧州株:下落、米統計で回復足踏み懸念-週間は4週ぶりプラス

欧州株式相場は下落。11月の米失業率が予想に反して上昇した ことから、世界の景気回復が足踏みするとの懸念が強まった。ストッ クス欧州600指数は週間ベースでは上昇し、4週ぶりプラスとなっ た。

BNPパリバ・フォルティス・グローバル・マーケッツの調査責 任者、フィリップ・ガイゼル氏は、「心配だ。景気は何とか苦境を脱 しようとする段階にある。大量のリスクが2011年に持ち越される」 と語った。

英保険会社オールド・ミューチュアルと、英銀バークレイズを中 心に金融株が下げた。ディーゼルエンジンメーカーの独ドイツは大幅 安。同社株主が株式の20%を売却したことが嫌気された。

ストックス欧州600は前日比0.3%安の270.94。前日までの 2営業日間の上げ幅は7月以降で最大だった。欧州中央銀行(ECB) が緊急融資措置と国債購入プログラムを延長したほか、米中古住宅統 計で米景気回復への期待が高まったことが背景にある。週間ベースで は1.7%上昇した。

米労働省が3日に発表した11月の雇用統計によると、非農業部 門雇用者数は前月比3万9000人増加と、ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト調査の中で最も悲観的な予想さえも下回っ た。失業率は9.8%と、4月以来の高水準を記録した。

オールド・ミューチュアルとバークレイズはいずれも2.5%下 げた。ドイツは9.7%下落した。

◎欧州債:アイルランド債など上昇-ECBの国債購入観測で

欧州債市場ではアイルランドとポルトガル国債が上昇し、ドイツ 国債に対するスプレッド(利回り格差)が縮小した。欧州中央銀行 (ECB)が債務危機阻止に向けて、高債務国の国債を追加購入した との観測を背景にある。

アイルランド10年債は週間ベースでも上昇し、上げ幅は5月 14日終了週以降で最大となった。取引について知る少なくとも4人 のトレーダーによると、ECBがこの日にアイルランドとポルトガル の国債を購入。また、同日発表されたユーロ圏のサービス業と製造業 の生産活動を示す指数(改定値)が速報値から上方修正され、拡大ペ ースの加速が示されたことから、ドイツ国債に対する需要が後退した。

ソシエテ・ジェネラルの金利戦略責任者、バンサン・シェニョー 氏(ロンドン在勤)は「ECBの国債購入で、過去2日間で国債スプ レッドは急速に引き締まった」と述べ、「国債買い取りが当面続くと の見方から、誰もこれに逆らう意志はないようだ」と続けた。

ロンドン時間午後5時13分現在、アイルランド10年債利回り は前日比38ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

8.37%。4日連続の低下。同国債(表面利率5%、2020年10月 償還)の価格は2.09ポイント上げ77.93。前週末比では97bp 下げた。ドイツ10年債とのスプレッドは534bp。前週末は646 bp。

ドイツ10年債利回りは5月18日以来の高水準となる2.89% まで上げた後、前日比5bp上昇の2.86%となった。

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミスト、ダーク・シ ューマッハ氏(フランクフルト在勤)は、ECBがソブリン債危機の 沈静化に向けて、国債を追加購入する可能性があると語った。

ポルトガル10年債利回りは6.08%と、前日から23bp低下。 ドイツ10年債とのスプレッドは8月24日以降で初めて300bpを 割り込む場面もあった。

◎英国債:10年債下落、利回り3.42%-2年債ほぼ変わらず

英国債市場では10年債相場が下落し、同利回りは3.42%に上 昇した。週間ベースでは7bp上げた。2年債利回りは1.02%と、 前日からほぼ変わらず。

ポンドの対ドル相場はロンドン時間午後5時24分現在、前日比 1%高の1ポンド=1.5752ドル。前週末比でも1%高。ユーロに 対しては0.3%安の1ユーロ=84.94ペンス。週間ベースではほぼ 変わらずとなった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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