マレーシア企業:今年はアジアのM&A回復をけん引-規制緩和で

マレーシアは企業の合併・買収 (M&A)でアジア太平洋地域最大の伸びを示している。企業が株 価評価や規制緩和の恩恵に乗じているためだ。

ブルームバーグの集計データによると、マレーシア企業を買収 対象とするM&A総額は今年これまでに213億ドル(約1兆7900億 円)と、昨年通年のほぼ3倍に増加し、ここ3年間で最高に達した。 11月単月でも不動産開発会社が計3件、30億ドル相当の買収案件を 発表した。

RHBインベストメント・バンクのマネジングディレクター、 チェイ・ウェイ・レオン氏は「マレーシアにとって今年はM&Aの 年だ」と指摘。市場心理も良好で「規模拡大の必要性が認識されて いる」と分析した。ブルームバーグのデータによると、同社は今年、 マレーシア企業の買収でアドバーザー・ランキング首位となってい る。

約10年ぶりのマイナス成長に直面した同国のナジブ首相は昨年、 買収や新規株式公開(IPO)、不動産購入にかかわる規制緩和を 実施。これがM&A取引回復の背景にある。同首相は国内企業の統 合を推進している。

ブルームバーグのデータによると、今年発表されたアジア太平 洋地域のM&A案件の総額は4350億ドルと、前年比7%増にとどま っており、マレージアの伸びは顕著だ。

クリム(マレーシア)の11月25日の発表によると、米プライ ベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社2位の米カーライ ル・グループは、マレーシアのファストフード・レストランチェー ンのQSRブランズに19億リンギット(約507億円)の買収提案を 行った。QSRの筆頭株主で不動産投資やプランテーション事業を 手掛けるクリムは同月29日に提案を拒否した。

レーダー圏外

ブルームバーグのデータによると、マレーシア企業同士の今年 の合併・統合案件は全体の約4分の3を占め、国内企業の統合がM &Aのけん引役となっていることを示している。

同国株価の指標であるFTSEブルサマレーシアKLCI指数 は11月10日に1528.01の過去最高値を記録。年初来では17%高と なっているが、ブルームバーグの集計データによると、それでも同 指数構成銘柄の時価総額は平均49億ドルと、シンガポールの主要株 価指数と比べて約60%、インドの指数より57%低い。3指数はそれ ぞれ30銘柄で構成されている。

メイバンク・インベストメント・バンクのテンク・ザフルル・ テンク・アブダル・アジズ最高経営責任者(CEO)は「企業統合 は一部には能力拡大の必要性から起きている」と説明。「マレーシ アでの競争や海外進出には規模が必要だ。マレーシア企業は規模が 小さ過ぎるために、ここ何年も海外投資家のレーダー圏外にある」 と指摘した。

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