ECB総裁を人質にした市場、追加措置求め圧力強める-きょう政策委

欧州中央銀行(ECB)のトリ シェ総裁は前回市場の圧力への屈服を拒んだ際、結局は方針転換を余 儀なくされた。今回はその危険性が一段と高まっているようだ。

ユーロ圏のソブリン債危機が域内で4番目の経済規模を持つスペ インまでのみ込みかねない情勢にあることから、投資家の間ではトリ シェ総裁が危機の拡大を阻止するため、何らかの行動を取るとの観測 が再燃している。銀行向けの無制限の支援の解除延期や債券購入の大 幅増額などの措置が見込まれているものの、ECBが政治家にとって 救済のツールになり、中銀としての独立性が損なわれるというリスク がある。これは5月に国債購入という前例のない措置に踏み込んだ際 にトリシェ総裁が回避したかったシナリオだ。

シティグループのユーロ圏担当チーフエコノミスト、ユルゲン・ ミヒェルス氏(ロンドン在勤)は「ある意味では、ECBは金融市場 によって人質に取られている」と述べ、「既存の措置では周辺国の問 題解決には十分とは言えないと見られるため、ECBはプログラムの 大幅強化を迫られる公算が大きい」と予想した。

ギリシャの財政危機を引き金に他のユーロ圏諸国の財政に懸念が 強まっていた5月6日、トリシェ総裁は対策の先導役を務めるのは各 国政府だとして新たな措置の導入を求める圧力に屈しなかった。EC Bが行動しなかったことで債券相場は急落。ECBは規則を曲げざる を得ない状況に陥り、政策決定委員会の意見対立を招いた経緯がある。

トリシェ総裁は2日にフランクフルトで開く政策委でも同じ状況 に立たされる。欧州連合(EU)主導のアイルランド支援では、投資 家は当局に危機拡大の阻止に必要な手段や決意があると納得せず、ア イルランドやギリシャ、ポルトガル、スペイン、ベルギーの資産を投 げ売りした。

ブルームバーグがエコノミスト52人を対象に実施した調査では、 政策金利は過去最低の1%に据え置かれると全員が予想した。政策決 定は現地時間午後1時45分(日本時間午後9時45分)に発表され、 トリシェ総裁はその45分後に記者会見を開く。

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