債券は大幅反落、長期金利は5カ月半ぶり1.2%台-米債安や株高警戒

債券相場は大幅反落。長期金利は 約5カ月半ぶりに1.2%台に乗せた。雇用関連指標の改善などを受け て、前日の米国債相場が大幅安となったことや日経平均株価が大幅続 伸して1万円台を回復したことが売り材料となった。

みずほ証券リサーチ&コンサルティングの野地慎ストラテジスト は、「米国では量的緩和第2弾の下で、堅調な経済指標が続いている。 昨日の米長期金利が上昇し、3%に接近したことが、日本の金利上昇 の要因となっている。ただ、日経平均株価が200円近く上昇した割に は落ち着いている」と述べた。

現物債市場で、長期金利の指標とされる新発10年物国債の312 回債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp)高い1.20%で取引を開 始した。新発10年債としては6月22日以来、約5カ月半ぶりの1.2% 台乗せとなった。その後は買いが入り、午前10時前には1.185%まで 戻した。しかし、午後の開始後には再び1.20%まで上昇。その後は

1.195-1.20%で推移している。

前日の米国市場動向を受けて売りが先行した。トヨタアセットマ ネジメントの浜崎優チーフストラテジストによると、米経済指標で良 い数字が多かったことを受けて、海外金利が上昇したことに引きずら れたと言う。

1日の米国債相場は大幅安。11月の民間部門の雇用者数が予想以 上に増加したことが売り材料視されたほか、欧州債務危機が各国に波 及するとの懸念が和らぎ、安全な逃避先としての米国債需要が減退し た。米10年債利回りは前日比17bp上昇の2.96%程度。一方、米株式 相場は大幅高。また、この日の国内株相場は大幅続伸し、日経平均は 前日比180円47銭高の1万168円52銭と、終値で約5カ月ぶりの高 値を付けた。

もっとも、長期金利の1.2%前後ではいったん買いが入り、過度 な金利上昇懸念は出ていない。みずほ証券リサーチ&コンサルティン グの野地氏は、「10年債利回り1.2%近辺では打診的な買いも増えてい る。これまでのポジション(持ち高)調整による投げ売りは一巡し、 同水準で踏みとどまっている」と説明した。

中期債や超長期債も安い。新発5年債利回りは2bp高い0.42%、 新発2年債利回りは1bp高い0.19%まで上昇した。また、新発20年 債利回りは一時2.5bp高い2.00%を付け、6月半ば以来の2%台乗せ を記録。来週7日に実施される30年債入札に警戒感が出ており、それ に向けた売りなどが優勢となった。新発30年債利回りは2.5bp高い

2.105%に上昇している。

三井住友海上きらめき生命保険経理財務部の堀川真一部長は、「来 年度国債発行増発で中期債と超長期債の増発が濃厚と伝えられている。 来週の入札も良くないかもしれない」と話した。2日付の日本経済新 聞は、2011年度の国債発行総額が過去最大の170兆円台に膨らむ見通 しだと報じた。

先物は反落、141円割れ

東京先物市場で中心限月12月物は反落。前日比43銭安の140円 90銭で始まり、直後に49銭安の140円84銭まで下げた。直後から徐々 に下げ幅を縮小し、午前10時前には22銭安まで戻した。その後は141 円ちょうどを挟んで推移したが、終盤に水準を切り下げ、結局は39 銭安の140円94銭で終了した。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「米国で株高と 金利上昇が加速したことが売り材料視され、先物を中心にヘッジ売り が先行した」と説明。さらに、「欧州中央銀行(ECB)定例理事会で 債務危機に対する支援が打ち出されるか、3日の米雇用統計が強めの 内容となるといった場合、欧米で金利上昇が続く可能性があるだけに、 国内債市場も買いに動きにくい」と語った。

トヨタアセットの浜崎氏は、米金利上昇について、「米国ではオー トマティック・データ・プロセッシング(ADP)民間部門雇用者統 計が良かったため、3日の雇用統計への期待が強まっている」と述べ た。

ブルームバーグの調査によると、3日発表の11月の米雇用統計で、 非農業部門雇用者数は前月比14万5000人増加し、失業率は9.6%で 変わらずと予想されている。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「米国債は昨日のAD P統計で、週末の雇用統計が強そうであることをおおむね織り込んだ」 と分析。その上で、「米追加緩和の可能性が低いことがよりコンセンサ スになる」としながらも、「米国が一足飛びに今年春のような出口論へ と進む訳ではない」と予想し、米10年債は3%台前半への調整で十分 との見方を示した。

--取材協力:赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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