ブリヂストン:天然ゴム使用量半分のタイヤ開発へ、相場高騰に対応

タイヤの売上高で世界首位のブリヂ ストンは、天然ゴムなどの原材料の使用量を従来に比べ半分程度に抑え るタイヤの製品化を目指す。ゴム相場が11月に30年来の高値を付ける など資源高が続いており、開発に成功すれば生産コストの大幅削減につ ながる可能がある。

開発を進めるのは、燃費向上に貢献する環境対応型の「ハーフウェ イトタイヤ」。石井雅之・広報部長は11月30日のブルームバーグ・ニュ ースとの取材で、原材料の使用量を減らすのは合理的とした上で、「製 品の品質を損なうことはない」と説明した。

石井氏によると、同社はゴム材料削減のための技術力を蓄積してい ると言い、荒川詔四社長も10年以内の開発の実現を望んでいるとい う。

独立系調査会社のティー・アイ・ダヴリュ(TIW)の高田悟アナ リストは、ゴム原料の使用量を大幅に減らすといったブリヂストンの戦 略について、「原材料価格上昇の抑制要因となるので、従来通りのタイ ヤ価格を維持できたとなると、それなりにプラスになるだろう」と指摘 した。

他のタイヤメーカーがブリヂストンに追随して同様の技術を開発す る可能性について高田氏は、「国内ではどこかが始めるとほかも行くと いうように動いているので、当然出てくるだろう」と述べ た。

ブリヂストンの世界のタイヤ市場に占める割合は、同社が米国のタ イヤビジネス誌が集計、発表している資料を基に算出したところによる と、2009年時点の売上高ベースで16.2%。ミシュランの15.5%、グッ ドイヤーの12.4%を押さえて世界1位。

ゴム相場

自動車用タイヤの主原料となる天然ゴムの価格は、国際的な指標と される東京工業品取引所(TOCOM)の先物中心限月の価格が1キロ グラム当たり360円付近で推移している。11月11日には383円と1980 年以来の高値を付けて史上2番目の高値圏に達した。

ゴールドマン・サックス・グループの諌山裕一郎アナリストは11 月のリポートで、仮に天然ゴムなどが1キログラム当たり5ドルにまで 上昇した場合のタイヤメーカーに対する影響は、全社営業利益の半分を 超える減益要因との見方を示した。

ブリヂストンのタイヤ生産は、天然と合成ゴムの重量換算で10年に 前年比24%増の177万トンとなる見込み。その内の123万トンは海外生 産が占める。東京工業品取引所によると、世界の天然ゴムは70%以上が タイヤの生産に使われている。

日本自動車タイヤ協会(JATMA)によると、自動車用タイヤは 天然ゴムや合成ゴム、タイヤコード、カーボンブラックなどの原材料で 構成されている。日本国内のタイヤ生産における天然ゴムの占める重量 比率は一般に28.9%、合成ゴムは21.4%。ブリヂストン広報担当の富澤 薫氏によると、同社では「鉱山用などで耐久性が求められるので一般よ りも天然ゴムの占める割合が多い」という。

タイヤ需要

ブリヂストンによると世界のタイヤ需要は今後も引き続き増加する 見通しだ。同社の金原雄次郎・海外地域事業本部長は、世界のタイヤ需 要について、「乗用車用タイヤは2009年を100とすると2015年には120 にトラック・バス用タイヤは150に増加する」と述べた。

中でも、世界最大の新車市場を持つ中国は今後5年間で「伸び率が 他市場と比べて一番高い」という。中国の乗用車用、トラック・バス用 タイヤは15年に09年比でともに80%増加するとみている。インドにつ いては、乗用車用タイヤが同期間に50%増加する一方、トラック・バス 用タイヤは年率で5-7%増加すると予想している。

中国汽車工業協会(CAAM)によると、中国の1-10月自動車販 売台数は前年同期比34%増の1462万3800台。その内、乗用車は36%増 の1107万8400台で商用車が29%増の354万5400台だった。09年には 米国を抜き世界最大の新車市場となっている。

現在のブリヂストンのタイヤ生産拠点は世界25カ国47工場。中国 では、天津市と無錫市、瀋陽市、惠州市に設立し、タイヤ供給してい る。

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