米国債:10年債利回り、4カ月ぶり高水準-民間雇用増で

米国債市場では、10年債利回 りが7月以来の高水準に上昇した。景気回復を示す米経済指標が発 表されたほか、欧州債務危機が各国に波及するとの懸念が和らぎ、 安全な逃避先としての米国債需要が減退した。

10年債利回りは4営業日ぶりに上昇した。11月の民間部門 の雇用者数が予想以上に増加したのが材料視された。市場では雇用 が回復しつつあると受け止められた。米連邦準備制度理事会(FR B)が1日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では12 地区のうち10地区が景気に対して前向きな報告だった。雇用がや や改善したほか、製造業活動も拡大。また小売業は、好調なホリデ ーショッピングシーズンを予想した。この日は米株が値上がりした。

ウェルズ・ファーゴで約30億ドルの債券運用に携わるジェ イ・ミューラー氏は、「株価が上昇し、周縁国の債券市場も回復し つつある。ユーロは崩壊に向かっていないとの楽観的な見方が強ま っており、これが米国債を押し下げている」と指摘。「ニュースや 経済統計は楽観的になれる理由を少しは示している。緩やかだった 成長のスピードは幾らか加速している」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時20分現在、10年債利回りは前日比17ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.97%。一時は7月30 日以来の最高をつけた。同年債(表面利回り2.625%、償還 2020年11月)価格は1 14/32安の97 2/32。30年債利回 りは13bp上げて4.24%だった。

ゴールドマンの予想

今回のベージュブックは、12地区連銀が11月19日までに 実施した聞き取り調査を基に、クリーブランド連銀のスタッフがま とめた。次回連邦公開市場委員会(FOMC)は今月14日に開か れる。

米ゴールドマン・サックス・グループは、来年の米国内総生 産(GDP)の予想を2.7%増と従来の2%増から引き上げた。 2012年には3.6%の拡大が見込まれている。ゴールドマンは1日、 顧客にリポートを送付した。

FRBは借り入れコスト低下と景気刺激を目的とした資産購 入プログラムの一環として、償還期限2016年6月から2017年 11月の国債を82億ドル相当購入した。

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は前日、債券購入プ ログラムは「継続中」であり、「われわれの決断がどのようになる か見守っていく」と述べた。

欧州中央銀行(ECB)は2日、政策金利を決定する定例 政策委員会を開催するが、ブルームバーグ・ニュースがまとめた 52人のエコノミストの予想では全員が1%での据え置きを予想し ている。

民間部門雇用統計

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロ セッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与 名簿に基づく集計調査によると、11月の米民間部門の雇用者数は 前月比で9万3000人増を記録した。ブルームバーグがまとめたエ コノミストの予想中央値は7万人の増加だった。

英バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏 (ニューヨーク在勤)は「労働市場からの景気回復への貢献が少な く、市場参加者は持続性ある回復という見方を避けてきたが、ここ にきて労働市場が上向きつつある」と述べ、「今週発表される労働 省の雇用統計で雇用の方向性が一段とはっきりと示されるだろう」 と続けた。

3日発表される11月の米雇用統計では、非農業部門の雇用 が前月に続き増加すると予想されており、ブルームバーグ・ニュー スのまとめた予想の平均は14万5000人の増加となっている。

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