欧州危機が中核国へ浸透、景気堅調のベルギーも国債利回り大幅上昇

欧州の債務危機がユーロ圏16 カ国の中心へと浸透しつつある。景気が好調なベルギーも、ユーロ 圏で3番目に大きな公的債務が注目され、国債利回り上昇に見舞わ れた。

ベルギーの10年物国債の同年限のドイツ国債に対するプレミ アム(上乗せ利回り)は11月30日、139ベーシスポイト(bp、 1bp=0.01%)に拡大し、少なくとも1993年以来の最大となっ た。CMAによれば、ベルギー国債の保証コストを示すクレジット・ デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドも同日、過去最高を記 録した。

850億ユーロ(約9兆3300億円)規模のアイルランド救済合 意は市場を沈静化させることができず、投資家は周縁国から、ベル ギーなどの中核国に目を転じた。ベルギーは、首都ブリュッセルに 欧州連合(EU)の欧州委員会の本部を擁し、いわばEUの中心。 今年の同国経済は域内景気のけん引役となっている。ただ、票の割 れた総選挙結果を受けて新政権が成立しておらず、財政の動向が不 安視されている。

INGグループのエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏(ブ リュッセル在勤)は「次に危機に見舞われるのはどこだろうと投資 家が考える中で、ベルギーが浮かび上がった」と述べ、「経済のファ ンダメンタルズ (基礎的諸条件)面からの懸念はほとんどないが、 債務水準と政局不安が危機観測を高めた。国債スプレッドはすでに 緊張状態を示している」と説明した。

ベルギーでは、7政党が連立政権樹立に向けて協議しているも のの、財政面での地方自治権をめぐり対立が続いている。ブルーム バーグのデータによると、同国の公的債務は対国内総生産(GDP) 比で100%に迫っており、650億ユーロ相当が来年償還期限を迎え る。

ベルギーが先月29日に実施した10年物国債の入札では、借り 入れコストが9カ月ぶりの高水準となった。政府は2020年9月償 還債、9億4500万ユーロ相当を利回り3.72%で発行。3.76%だ った2月22日の入札以来の高利回りだった。

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