国内市況:株は反発・債券大幅高、ユーロ下げ一服-欧州懸念は根強く

東京株式相場は反発。欧州債務危 機問題や中国の利上げ懸念など海外材料の不透明感が強まる中、日本の 相対的な業績安心感や株価の割安感が見直された。トヨタ自動車や任天 堂、ブリヂストン、東京電力といった時価総額上位銘柄中心に海外投資 家とみられるまとまった買いが入り、株価指数を押し上げた。

日経平均株価の終値は前日比51円01銭(0.5%)高の9988円 05銭、TOPIXは5.13ポイント(0.6%)高の866.07。ともに取 引終盤にじり高となり、きょうの高値引け。東証1部の値上がり銘柄数 は861、値下がり634。

米国や中国の良好な経済指標から、世界景気に対する安心感が高ま り、午後後半にかけてじりじりと上げた。きのうの日本株の大幅安で、 東証1部の騰落レシオや日経平均の25日線からのかい離などテクニカ ル面から見た短期過熱感はやや後退。きのうの午後に崩れる一因となっ た中国株が堅調に推移したことも、追い風となった。

11月30日に発表された米国のコンファレンス・ボード消費者信 頼感指数やシカゴ地区の製造業景況指数は、ブルームバーグがまとめた エコノミスト予想の中央値を上回った。日本時間きょう午前に発表され た中国の11月製造業購買担当者指数(PMI)も上昇するなど、世界 景気の回復基調を示す経済指標が相次いでいる。

この日上昇が目立ったのは、東証1部の時価総額や流動性上位30 銘柄で構成するTOPIXコア30指数。0.9%高となり、ミッド400 指数の0.4%高、時価総額が相対的に小さい銘柄で構成するTOPIX スモール指数の0.3%高を大きく上回った。

コア30に組み入れられる日本を代表する銘柄群は、配当利回りが 高いことに加え、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)で 見ても株価が割安との見方が出ていた。

長期金利が一時1.125%に急低下

債券相場は大幅高。この日の10年債入札はやや低調な結果となっ たものの、需給イベントが通過したタイミングで投資家から中期債など に買いが入り、相場は大きく水準を切り上げた。新発5年債利回りは一 時、節目の0.4%を割り込み、長期金利は1.125%に急低下した。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比3銭安の140円84銭 で始まり、12銭安まで下げた。しかし、午前の取引終盤からはプラス 圏に転じ、午後に入ると買いが膨らみ水準を大きく切り上げた。一時は 70銭高の141円57銭まで上昇。11月24日以来の高値を付けた。結 局は46銭高の141円33銭で終了した。

新発5年物の92回債利回りは一時5.5bp低い0.385%まで低下。 4営業日ぶりの0.4%割れとなり、11月22日以来の低水準を付けた。 新発5年債利回りは今週初めに0.47%と半年ぶりの高水準まで上昇し ており、現在の金融政策の長期化観測が強い中では売られ過ぎとの見方 が出ていた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前日比1bp高い1.195%で取引を開始。前日に続き、約2カ月 半ぶりの高水準を付けた。しかし、午後には一時6bp低い1.125%ま で急低下。11月25日以来の低水準を付けた。午後3時過ぎからは

1.14-1.145%で推移した。超長期債も堅調。新発20年債利回りは一 時5bp低い1.935%、新発30年債利回りは2bp低い2.07%まで低下 した。

前日の海外市場動向も円債相場の支えとなった。11月30日の米 国債相場は上昇。アイルランドの債務危機がポルトガルやスペインに波 及する可能性があるとの懸念から、比較的安全とされる米国債の需要が 高まった。米10年債利回りは前日比3bp低下の2.79%程度。

財務省が実施した表面利率(クーポン)1.2%の10年利付国債 (312回債)の入札結果は、最低価格が100円01銭、平均落札価格は 100円09銭。最低価格は事前予想の100円10銭を下回った。小さい ほど好調とされるテール(最低と平均落札の価格差)は08銭と前回の 02銭から拡大。応札倍率は2.41倍と前回の3.91倍から低下した。

ユーロじり高、短期的な過熱感

東京外国為替市場では、ユーロが対ドルで約2カ月半ぶり安値付近 から小反発した。ポルトガルやスペインなど欧州周縁国の債務危機拡大 への懸念は根強いものの、1ユーロ=1.3ドルの大台をいったん割り込 んだこともあり、ユーロの下げに一服感が広がった。

午後4時30分現在のユーロ・ドル相場は1.3034ドル前後。朝方 には1.2971ドルと前日の海外市場で付けた9月15日以来のユーロ安 値、1.2969ドルに迫る場面もあったが、その後はじりじりと値を戻し、 午後には1.3045ドルまで回復した。

ドル・円相場は、ユーロ高・ドル安につられる形で1ドル=83円 台後半から一時、83円38銭と1週間ぶりの水準までドル売りが進ん だ。

ユーロは対ドルで11月4日に10カ月ぶり高値の1.4282ドルを つけて以降、欧州債務懸念の再燃を背景にほぼ一貫して売られてきた。 先週末にはアイルランドが850億ユーロの緊急支援パッケージを確保 したが、市場ではむしろポルトガルやスペインなどに危機が波及すると の懸念が拡大。ユーロ安が一段と加速し、30日には1.3ドルの大台を 割り込んでいた。

もっとも、欧州周縁国の債券売りに歯止めがかからない中、ユーロ が底を打ったと見る向きは少ない。米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は前日にポルトガルの信用格付けを引き下げ方 向で見直すと発表。2011年予算削減に伴う財政上の制約を埋め合わせ る経済成長の押し上げで進展が見られないとした。

米財務省は30日、ブレイナード米財務次官(国際経済担当)が週 内にマドリードとベルリン、パリを訪れ、政府当局者と協議すると発表 。欧州の経済動向のほか、力強く持続可能な世界成長という米欧共通の 長期課題について話し合うという。

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