シャープ:堺工場で単結晶太陽電池の生産開始、150億円投資

太陽光発電国内最大手のシャープは 1日、大阪府堺市の工場で単結晶太陽電池のセルからモジュールまでの 生産を2010年度内に開始すると発表した。約150億円を投資し、同工 場で太陽電池の年間生産能力200メガワット(MW)の体制を構築する。 今後も住宅・産業用を中心に国内外で需要が拡大すると判断した。

生産するのは新技術を採用した高効率な単結晶太陽電池。大西徹夫 常務執行役員は会見で、現在は約14%のモジュール変換効率について 「17%台でスタートし、将来的に20%台まで引き上げたい」と述べた。

結晶型太陽電池は現在、奈良県葛城市の工場で550MWを生産して いるが、大西氏は「葛城は現在いっぱいの状態。ここで新型を生産する スペースはない」と説明、堺工場での新ライン稼働により計750MW体 制にするとしている。

海外での結晶型太陽電池の生産については、7月に英国モジュール 工場の増強を発表している。約40億円を投じ、250MWの生産能力を12 月から順次拡大し、11年2月には500MW体制とする予定だ。

一方、大規模発電を中心に需要が見込まれる薄膜型太陽電池では、 イタリア最大の電力会社、エネルなどとの合弁工場が11年後半に稼働 する予定。当初の年間生産能力は160MWで、既存の葛城、堺の両工場 (各160MW)を合わせて480MW体制にする。

結晶・薄膜の両輪戦略

同社の2011年3月期の太陽電池事業の売上高は前期比34%増の 2800億円、販売量としては同64%増の1300MWを計画している。大西 氏は結晶・薄膜の両輪戦略を進める方針をあらためて示し、「シェア 10%をとれるポジションを常に維持していきたい」と語った。

シャープの予測によると、世界の太陽電池需要が09年度の8.4ギ ガワット(GW)から12年度には18.4GWに拡大する見通し。結晶型 は09年度に比べて1.9倍、薄膜型は3.6倍になると見込んでいる。

9月には米発電開発事業者のリカレント社(カリフォルニア州)を 最大で3億500万ドル(約250億円)を投じて買収し、完全子会社にす ると発表。電池の製造・販売だけでなく、発電プラント事業の開発や運 営ノウハウまでを取り込むことで太陽光発電ビジネスでの収益源の多 様化を狙う。

シャープの株価終値は前日比変わらずの805円。年初からは31%低 下している。

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