ロスチャイルド氏:ヘッジファンドで得た人脈が武器-資源投資に意欲

ナサニエル・ロスチャイルド氏が ヘッジファンドマネジャーとして最も成果を挙げたのは、米鉱山会社フ ェルプス・ドッジへの投資だった。将来、5代目の英男爵となるナサニ エル氏は今、世界最大規模の石炭会社の創設を計画していると語る。

ナサニエル氏は、中国向け石炭輸出で最大手となる石炭会社を誕生 させるため30億ドル(約2500億円)規模の買収を主導している。同 氏は、ナポレオン統治下のフランスとの戦争で英国に資金を援助したこ とで知られるロスチャイルド家の血を引く。

ナサニエル氏は自身の知名度に加え、10年以上にわたるヘッジフ ァンドでの勤務経験や、まるで商品関連業界の人名録のようなネットワ ークを活用している。商品取引最大手、スイスのグレンコア・インター ナショナルのアイバン・グラゼンバーグ最高経営責任者(CEO)は友 人であり、ロシアのアルミニウムメーカーを率いる資産家オレグ・デリ パスカ氏には助言をしている。ピーター・ムンク氏率いる産金最大手、 カナダのバリック・ゴールドでは取締役を務める。

ナサニエル氏(39)はインタビューで「世界的な石炭会社は現時点 では存在しない」と指摘。「石炭業界にはバリック・ゴールドのような 企業はない。だからチャンスがある」と語った。

ナサニエル氏が創設した投資会社バラーは7月にロンドンで実施し た新規株式公開(IPO)で7億700万ポンド(約920億円)を調達。 それ以降、天然資源関連の買収の機会を模索していた。バラーは11月 16日、インドネシアの石炭生産会社ブミ・リソーシズの株式25%とベ ラウ・コール・エナジーの株式75%を取得すると発表した。

ナサニエル氏は「予定がいっぱいだ。唯一、少しストレスを感じる のは旅行日程、そして社会生活についてだ。もっともそんなものは存在 しないが」と述べた。

ヘッジファンドでの経験

ニューヨークで1990年代にナサニエル氏と出会い、現在ではリベ ラム・キャピタル(ロンドン)の資源担当責任者を務めるマイケル・ロ ーリンソン氏はナサニエル氏について「誰にでも電話をかける度胸があ り、人の言葉を真剣に受け止める点が興味深い」と指摘。「アイバン・ グラゼンバーグ氏もオレグ・デリパスカ氏も裸一貫からのたたき上げ だ。上流階級の人間だからといって好印象を持たない」と語る。

バラー創業前、ナサニエル氏はヘッジファンド運営会社アティカ ス・キャピタル(ニューヨーク)で勤務していた。同社の創業者ティモ シー・バラケット氏が家族と過ごす時間を増やす決心をしたことから、 アティカスのほとんどのファンドは昨年閉鎖された。

ナサニエル氏はアティカスでの勤務経験について、コモディティー (商品)の世界に「どっぷりと漬かっていた」と振り返る。それが「最 強の得意分野」になった。そして、資源業界で最も影響力を持つ人々の 一部と知り合った。

バリックの創業者で会長のムンク氏は「彼の人脈の広さは並ぶ者が いない。ロスチャイルド一族であることも、もちろん助けになっている だろうが、ドアを開けてそこにいるのが取るに足らない人物なら会うの は一回限りだ。彼には才能がある」と評価した。

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