須田日銀委員:可能性限りなく低いがゼロでない-外貨購入

日本銀行の須田美矢子審議委員は 1日午後、山形市内で会見し、資産買い入れ等基金の規模と対象の拡 大について「可能性としては頭に入れている」と述べた上で、外貨建 て資産を買い入れ対象に加えることも「限りなく可能性としては低い とは思っているが、ゼロではないと思っている」と述べた。

日銀は10月5日の金融政策決定会合で包括的な金融緩和策を打 ち出し、国債など比較的リスク度の低い金融資産に加え、指数連動型 上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(J-REIT)などリス ク度の高い金融資産を買い入れる5兆円規模の基金創設を決めた。

須田委員は買い入れ資産の種類を将来拡大することについて「こ れから先も、もちろんコストとベネフィットを両方考えながら、でき るものがあったら拡大することは可能性としては頭に入れている」と 言明。買い入れ対象に外貨建て資産を加えることも「私自身はそれは 検討したが、今のような状況ではコストの方がうんと大きい」としな がらも、「完全に排除しているわけではない」と述べた。

須田委員はリスク資産購入について「今、日本経済を考えていく 上で、構造的な問題にどう対応していくかが非常に重要だ。その観点 から、チャレンジ精神を少しでも高めてもらいたいという部分も含め て、本来なら中央銀行の伝統的な金融政策ではないが、こういったリ スク性資産の買い入れを始めるのは望ましい方向だ」と述べた。

外貨建て資産購入の狙いは

外貨建て資産購入の狙いとしては「日銀のポートフォリオ(資産 構成)としていろいろなものを買うというのが1つの考え方だ。要す るに、ピンポイントにどこかの市場に影響を与えるよりは、さまざま な市場から少しずついろいろなものを買っていくというのも1つのス タンスだと思っているので、その一環として申し上げた」と語った。

為替介入は財務省の権限であり、外貨建て資産の買い入れは事実 上、介入に近いのではないか、との質問に対しては「私が中央銀行に 来る前、金融政策の在り方として、買う資産はいろいろあり得て、そ の中には外貨を調節手段として使ってもおかしくないのではないかと いうのがもともとの考えとして持っていた」と述べた。

須田委員はその上で「ただ、今おっしゃったように、結局、介入 政策とのすみ分けの難しさというのがあるので、その点では先ほどの 限りなく可能性が低いという答えになった」と語った。

11年度プラス実現できると思わない

自身が「拡大することは可能性としては頭に入れている」と述べ た点について、買い入れ対象となる資産の種類だけでなく、基金の規 模についても拡大があり得るという理解で良いかと問われ、「そうだ」 と答えた。ただ、その場合でも、国債の買い入れ増額については「私 はそこは賛成しかねる」と述べ、否定的な見方を示した。同委員は資 産買い入れ等基金に国債を加えることに反対票を投じている。

須田委員は同日午前、山形市内で講演し、消費者物価指数(除く 生鮮食品、コアCPI)の前年比について、2011年度中にマイナスか ら脱却できる蓋然(がいぜん)性は高くないとの見方を示した。会見 では「私自身の相対的に蓋然性の高い見通しとしては、11年度にプラ スが実現できるとは思っていない」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE