ユーロが2カ月半ぶり安値から反発、短期的に売られ過ぎとの見方も

東京外国為替市場ではユーロが対 ドルで約2カ月半ぶり安値付近から反発した。ポルトガルやスペイン など欧州周縁国の債務危機拡大への懸念は根強いものの、1ユーロ=

1.3000ドルの大台をいったん割り込んだこともあり、ユーロの下落に 一服感が広がった。

午後4時50分現在のユーロ・ドル相場は1.3040ドル前後。朝方 には1.2971ドルと前日の海外市場で付けた9月15日以来のユーロ安 値、1.2969ドルに迫る場面も見られたが、その後はじりじりと値を戻 し、午後には1.3047ドルまで回復した。

また、ユーロ・ドルにつられる形でドル・円相場は1ドル=83円 台後半から一時、83円38銭と1週間ぶりの水準までドル売りが進ん だ。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加藤倫義参事役は基本的に はユーロ安方向だが、「きのうの1.29ドル台というのはちょっとやり 過ぎで、オーバーソールド(売られ過ぎ)の域に入っていた」と指摘。 その上で、米雇用統計前は「ポジションの調整が入りやすく、今はこ れまでユーロ売りを進めてきた向きが買い戻しをやりやすいコンディ ションにある」と語った。

ユーロ下落に行き過ぎ感

ユーロは対ドルで先月4日に約9カ月半ぶり高値の1.4282ドル をつけて以降、欧州債務懸念の再燃を背景にほぼ一貫して売られる展 開が続いてきた。先週末にはアイルランドが850億ユーロの緊急支援 パッケージを確保したものの、市場ではむしろポルトガルやスペイン などに危機が波及するとの懸念が拡大。ユーロ安が一段と加速し、30 日にはついに1.3000ドルの大台を割り込んだ。

加藤氏は、「下がるにしても1.35ドルぐらいまで戻っておけば1.2 ドル程度までのユーロ安も描けるが、最近の相場はワンウェイでちょ っと行き過ぎ感がある」と語る。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクターの斎藤裕司氏 も、ユーロ・ドル相場は6月のユーロ安値と11月のユーロ高値の半値 戻しの1.3080ドル付近を抜け、心理的な1.3000ドルも割れたが、テ クニカル上、ここからさらならユーロの下落トレンドが始まるには 「61.8%戻しが控える1.2800ドル付近」を抜ける必要があると指摘し ている。

もっとも、欧州周縁国の債券売りに歯止めがかからないなか、ユ ーロが底を打ったと見る向きは少ない。

米財務省は30日、ブレイナード米財務次官(国際経済担当)が週 内にマドリードとベルリン、パリを訪れ、政府当局者と協議すると発 表した。欧州の経済動向のほか、力強く持続可能な世界成長という米 欧共通の長期課題について話し合うという。

上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、市場では「ア イルランドの救済だけでは終わらない」との見方が優勢だとした上で、 きょうあすに予定されているポルトガルやスペインの国債入札が不調 な結果となれば、高債務国をめぐる市場の不安心理が収まらない可能 性があると語る。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は前日 にポルトガルの信用格付けを引き下げ方向で見直すと発表。2011年予 算削減に伴う財政上の制約を埋め合わせる経済成長の押し上げで進展 が見られないとしている。

米指標

一方、米国では週末の雇用統計の前哨戦となる11月の民間雇用統 計や米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数が発表される。また、 地区連銀景況報告(ベージュブック)も公表される予定で、次回の米 連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、米国の景気・物価動向につ いてどのような報告がなされるかが注目される。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の塚田常雅グループマネージャー は「予想を上回るような指標が出たときにどれだけ株価が反応するか が、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)を含めてユーロや豪ドル の価格動向を見るという意味では重要」と語る。

この日のユーロは対円でもじり高。オーストラリアの国内総生産 (GDP)が市場予想を下回り、オーストラリア・ドルが下落した影 響で、一時は前日につけた9月15日以来のユーロ安値(1ユーロ=108 円35銭)に近付く場面も見られたが、午後にかけては109円02銭ま で値を戻した。

豪ドルが一時80円割れ

オーストラリア統計局が1日発表した7-9月の経済成長率は前 期比0.2%増加とエコノミスト予想の半分の水準にとどまった。また、 4-6月(第2四半期)は、同1.1%増に下方修正された。

豪GDP発表後、豪ドルは対ドルで一時、9月24日以来の安値ま で下落、対円では約1カ月ぶり安値をつける場面が見られた。

一方、中国物流購買連合会が発表した11月の製造業購買担当者指 数(PMI、季節調整済み)は55.2と、前月の54.7から上昇し、ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値(54.8) を上回った。

これを受け、中国では追加引き締め観測から短期金利が2年ぶり の高水準に上昇。一方、アジア株は前日発表された米消費者信頼感指 数に続く中国指標の上昇を好感、総じて底堅い展開となり、午後にか けてユーロや豪ドルの買い戻しを促した。

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