日本株は反発、業績見直しトヨタなど時価総額上位銘柄買い

東京株式相場は反発。欧州債務危 機問題や中国の利上げ懸念など海外材料の不透明感が強まる中、日本 の相対的な業績安心感や株価の割安感が見直された。トヨタ自動車や ソニー、任天堂、ブリヂストン、東京電力といった時価総額上位銘柄 中心に海外投資家とみられるまとまった買いが入り、株価指数を押し 上げた。

日経平均株価の終値は前日比51円1銭(0.5%)高の9988円5銭、 TOPIXは5.13ポイント(0.6%)高の866.07。ともに取引終盤に じり高となり、きょうの高値引け。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「世界経済が回復基調 にあり、対ドルでの急激な円高が止まった以上、日本株がキャッチア ップできる環境は整いつつある」と指摘。欧州の国債を売却した資金 の振り向け先として、「海外投資家から日本株が選別されている」との 認識を示した。

米国や中国の良好な経済指標から世界景気に対する安心感が高ま り、午後後半にかけてじりじりと上げた。きのうの日本株の大幅安で、 東証1部の騰落レシオや日経平均の25日線からのかい離などテクニ カル面から見た短期過熱感はやや後退。きのうの日本株が午後に崩れ る一因となった中国株が午後堅調に推移したことも、追い風だった。 欧州や米国株の下落にもかかわらず、11月以降は打たれ強い日本株の 色彩が強まっている。

米消費者信頼感、中国PMI

11月30日に発表された米国のコンファレンス・ボード消費者信 頼感指数やシカゴ地区の製造業景況指数は、ブルームバーグがまとめ たエコノミスト予想の中央値を上回った。日本時間きょう午前に発表 された中国の11月製造業購買担当者指数(PMI)も上昇するなど、 世界景気の回復基調を示す経済指標が相次いでいる。

カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、「欧州問題 は気掛かりだが、出遅れている日本株は海外株と比べ株価のステージ が違う」との見方だ。海外株がリーマン・ショック前まで上昇して高 値警戒から調整気味となる一方、日本の株価指数は年初来高値からも 下振れた水準にある。きょうから名実とも12月相場に入り、ヘッジフ ァンドの決算期末である11月末を通過し、信用取引の買い残の整理も 進んだことで、「需給面は良好」と山田氏は言う。

この日上昇が目立ったのは、東証1部の時価総額や流動性上位30 銘柄で構成するTOPIXコア30指数。前日比0.9%高と、ミッド400 指数の0.4%高、時価総額が相対的に小さい銘柄で構成するTOPI Xスモール指数の0.3%高を上回った。コア30に組み入れられる日本 を代表する銘柄群は、「配当利回りが高いことに加え、PER(株価収 益率)やPBR(株価純資産倍率)で見ても株価が割安」と、みずほ 投信の岡本氏は話している。

メリルリンチ日本証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは、 世界の投資資金がアジア株より割安な日本株にシフトして11月の日 本株が海外株を大きくアウトパフォームしたと指摘した上で、「世界の 投資家は日本株をまだ大きくアンダーウエートしている。日本株比重 引き上げのために大型株中心に買い増そう」と予想していた。

半導体やガラス株は売られる

一方、半導体関連やガラス株は売られた。クレディ・スイス証券 では、中国市場のパソコン在庫過剰リスクが半導体・半導体製造装置 業界の新たな材料として懸念されるとし、DRAM市況は底が見えな いと分析。エルピーダメモリが東証1部の下落率1位となり、ルネサ スエレクトロニクス、アドバンテストも安い。過剰供給懸念から、ゴ ールドマン・サックス証券が格下げした旭硝子と日本電気硝子も売ら れ、ガラス・土石製品は東証1部33業種の下落率1位。

東証1部の売買高は概算で17億1291万株、売買代金は同1兆 2052億円。値上がり銘柄数は861、値下がり634。

昭電工は急伸、アコムが急反落

個別では、2013年に売上高1兆円、営業利益800億円を目指す中 期計画を午後に発表した昭和電工が急伸。三菱商事と共同で米化学企 業モメンティブからロジン系印刷インク用樹脂などの事業を買収する ハリマ化成は反発した。下期も配給映画の興行収入増を予想し、三菱 UFJモルガン・スタンレー証券が格上げした東宝も反発。

半面、メリルリンチ日本証券が11年3月期に会社計画以上の大幅 な最終赤字を予想し、目標株価を下げたアコムが反落。リードフレー ムの損益悪化からUBS証券が営業利益予想を減額した新光電気工業、 モルガン・スタンレーMUFG証券が格下げしたSUMCOも安い。

新興市場は上昇、IPO2社

国内新興市場は上昇。ジャスダック指数の終値は前日比0.7%高 の49.41と3日続伸し、東証マザーズ指数は0.6%高の387.15と反発 した。クラウド開発の米ソフト会社に出資すると1日発表したインフ ォテリアが値幅制限いっぱいのストップ高。11年1月期の連結純利益 予想を引き上げたトリケミカル研究所は急伸した。半面、5-10月単 体純利益予想を減額修正したソフトウェア・サービスは急落。

この日、ジャスダックには企業の情報活用を支援するソフトウエ ア会社の1stホールディングスが新規上場し、初値は公募価格の 630円を下回る570円だった。マザーズにはインターネット投稿の監 視業務を手掛けるイー・ガディアンが上場、午後2時55分にようやく 付いた初値は公募価格1300円に比べ2.3倍の3000円と明暗を分けた。

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