債券は大幅高、投資家の現物債買いで-長期金利一時1.125%に急低下

債券相場は大幅高。この日の10年 債入札結果はやや低調となったものの、需給イベントが通過したタイ ミングで投資家から中期債などに買いが入ったことを受けて相場は大 きく水準を切り上げた。新発5年債利回りは一時、節目の0.4%を割 り込んだほか、長期金利は1.125%まで急低下した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、「10年債の入札結果は良くなかったものの、イベントを通過 したことや月初でもあって先物に売り建ての買い戻しが入った。銀行 勢から短中期債に買いが入ったことから安心感が広がった」と述べた。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比3銭安の140円84銭 で始まり、12銭安まで下げた。しかし、午前の取引終盤からはプラス 圏に転じての推移となり、午後に入ると買いが膨らんで水準を大きく 切り上げた。一時は70銭高の141円57銭まで上昇して、11月24日 以来の高値を付けた。結局は46銭高の141円33銭で終了した。

午後の相場上昇について、日興コーディアル証券の山田聡チーフ クオンツアナリストは、中期債に投資家などから買いが入ったことや 前日の米国債相場の上昇などが要因と述べた。大和住銀投信の伊藤氏 は、「5年債など中期債が買われて地合いが改善した」と話した。

新発5年物の92回債利回りは一時5.5bp低い0.385%まで低下。 4営業日ぶりの0.4%割れとなり、11月22日以来の低水準を付けた。 新発5年債利回りは今週初めに0.47%と半年ぶりの高水準まで上昇 しており、現在の金融政策の長期化観測が強い中では売られ過ぎとの 見方が出ていた。

長期金利は午後に急低下

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前日比1ベーシスポイント(bp)高い1.195%で取引を開始。 前日に続いて約2カ月半ぶりの高水準を付けた。しかしその後は買い が優勢となり、午後に入ると水準を切り下げ、一時は6bp低い1.125% まで急低下。11月25日以来の低水準を付けた。その後は低下幅をや や縮めており、午後3時過ぎからは1.14-1.145%で推移している。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、「10年 債入札こそやや低調な結果となったものの、イベント通過による安心 感からか、中期ゾーンなどで買いが強まり、長期金利は急低下となっ た」と説明し、市場の自律的な動きとして、徐々に1.0-1.2%前後の レンジ形成が進みつつあるとの見方を示した。

超長期債も堅調。新発20年債利回りは一時5bp低い1.935%、新 発30年債利回りは2bp低い2.07%まで低下した。

前日の海外市場動向も円債相場の下支えとなった。11月30日の 米国債相場は上昇。アイルランドの債務危機がポルトガルやスペイン に波及する可能性があるとの懸念から、比較的安全とされる米国債へ の需要が高まった。米10年債利回りは前日比3bp低下の2.79%程度。

10年入札結果は低調、テールは拡大

一方、財務省が実施した表面利率(クーポン)1.2%の10年利付 国債(312回債)の入札結果では、最低価格が100円01銭、平均落札 価格は100円09銭となった。最低価格は事前予想の100円10銭を下 回った。小さくなるほど好調とされるテール(最低と平均落札の価格 差)は08銭と前回の02銭から拡大。応札倍率は2.41倍と前回の3.91 倍から低下した。

日興コーディアル証の山田氏は、10年債入札結果について、「も っと良いかと思っていたが、低調な結果となった」としながらも、新 発10年債利回りの1.2%近辺では押し目買いが入ってサポートになる との見方も示した。

日本相互証券によると、この日入札された10年物の312回債利回 りは業者間市場では1.185%で寄り付いた。その後、1.145-1.20%の レンジで推移した後、1.165%付近で取引されている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE