ユーラス永田社長:5年で発電設備を5割増強-米、東南アジアなどで

東京電力と豊田通商が出資する風力 発電国内最大手のユーラスエナジーホールディングスは、再生可能エネ ルギーの需要増に対応するため、国内外で現在約195万キロワットある 風力発電設備の能力を、今後約5年間で5割増強することを計画してい る。

同社の永田哲朗社長が11月30日、ブルームバーグ・ニュースとの インタビューで明らかにした。ユーラスエナジーは2月、親会社2社を 引受先とする250億円の株主割当増資を実施、国内外で風力発電や太陽 光発電事業を拡大する。

永田氏は、「状況にもよるが、3倍、うまくすれば4倍程度は借り られるのではないか」と予測しており、事業から生まれる収益を元に融 資を受ける「プロジェクト・ファイナンス」で資金を調達したいと語 った。

永田氏によると、増強する100万キロワットのうち約4割を米国、 残り3割ずつを欧州と日本を含むアジアで実施する計画だという。特に 有望な地域として米国をみており、「中間選挙でたたかれてはいるが、 オバマ大統領が進めたグリーン・ニューディール政策の効果がそれなり に表れてきている」と評価した。

米国では、カリフォルニア州、オレゴン州、イリノイ州、テキサス 州で風力発電所を保有。今後は、ワシントン州などで風力発電所操業を 手掛けたいと語った。

東南アジアにも拡大

さらに、風力発電を支援する制度の導入は遅れているものの「タイ やフィリピンなどに風の吹くところが多い」と話し、現在は日本と韓国 に限定されているアジア事業を東南アジア地域に広げたい考えを明らか にした。

一方で、2008年と09年に風力発電設備の導入が2年連続で倍増し た中国への進出には慎重。永田氏は「風力発電は15年から20年運転し、 その中で採算を取る事業」と強調。税制や外資規制など事業を取り巻く 制度が急に変更される可能性があることから、中国での事業展開には消 極的な姿勢を示した。

規制や再生可能エネルギーを利用した電力の買い取り制度は国ごと に異なる。欧州では現在、英国、スペイン、イタリアで風力発電所を運 営しており、制度に精通している利点を生かせるため、既存設備の増強 を柱に欧州での能力拡大を検討していると話した。

日本国内では、再生可能エネルギーで発電した電力を決められた価 格で買い取る「固定価格買い取り制度」の実施に向け議論が進んでいる 段階。永田氏によると、早ければ来年度にも導入される制度の買い取り 価格は「1キロワット時当たり15-20円で15-20年間、という形で議 論されている」という。同氏は「風の吹くところはまだ国内にもある」 とし、「20円で20年間」という価格水準で決定した場合には、国内でも 風力発電の導入が急激に進むとの見方を示した。

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