ECBがアイルランドに圧力、救済要請迫る-アハーン司法相

アイルランドのアハーン司法相 は30日、同国は欧州中央銀行(ECB)から今月、救済を要請する ように圧力を受けていたと明らかにした。また、欧州の当局者らは現 在、ポルトガルに対して同様の圧力をかけていると述べた。

アハーン司法相はアイルランドの公共放送RTEとのインタビュ ーで、「アイルランド政府がそれを考えもしないうちに、国外からわ れわれに救済要請を迫る人々がいたのは明らかだ」と語った。「彼ら は今、同じことをポルトガルにしている」と付け加えた。

アイルランドに圧力をかけたのは誰かとの問いに対し、「もちろ ん、ECB内の人々だ」と答えた。

ECBは金融危機に際して導入した緊急措置を段階的に解除した い考えだが、ユーロ圏周縁諸国の財政危機悪化で出口戦略を進めにく くなっている。28日にアイルランド救済の詳細がまとまったものの、 スペイン国債などの利回り上昇は続いている。

ECBのトリシェ総裁はこの日、同中銀は個々の国を支援するこ とを目的に金融政策を設定することはできないと説明。ECBがアイ ルランドに救済受け入れを迫ったかとの問いには、ブリュッセルの欧 州議会での答弁で、「アイルランドの状況を考慮に入れて政策を調整 することはできなかった」と述べた。

ポルトガル国債をクレジット・デフォルト・スワップ(CDS) で保証するコストはこの日、12ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し過去最高の552bpに達した。先週はポルトガルが 支援要請の圧力を受けているとのフィナンシャル・タイムズ・ドイツ 版(FTD)の報道をポルトガルとドイツの両国が否定した。

ECB当局者が今月12日の電話会議でアイルランドに救済要請 を勧めたとの関係者情報が流れ、その後数日で救済観測が高まった。 アハーン司法相は14日に放映されたインタビューで、救済観測は真 実でないと述べたが、財務省は同日夕、救済交渉中であることを認め た。

アハーン司法相はこの日、欧州連合(EU)当局者による情報が 14日付の各紙に掲載され、アイルランドには信じ難いほどの圧力と なったと語った。ECBの報道官は同相の発言についてコメントを控 えた。

アイルランド危機にECBは、国債購入や銀行システムへの流動 性供給などの措置で対応している。アイルランドの国内事業を手掛け る銀行のECBからの借り入れは10月に3.3%増えた。ECBは30 日にもアイルランド国債を購入したと2人の関係者が明らかにした。

アイルランドは28日に、平均5.8%の金利でEUと国際通貨基 金(IMF)からの融資を受けることに合意したが、その前日には5 万人以上の市民がダブリンで抗議行動を繰り広げた。カウエン首相に 対しては、懲罰的な条件でアイルランドの主権を明け渡したとの批判 が根強い。

野党第一党の統一アイルランド党の財務広報担当、マイケル・ヌ ーナン氏は「政府は交渉で完全に敗れた」として、「5.8%の金利は あまりに高過ぎ、支払えるか支払えないかのぎりぎりの線だろう」と 述べた。

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