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11月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロが10週ぶり安値-リスク回避の動き

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルと円に対し約 10週間ぶり安値に下落した。欧州の債務危機が拡大するとの観測 を受け、高リスク資産を回避する動きが広がった。

円は主要16通貨すべてに対して上昇した。ポルトガルやイタ リア、スペインの国債値下がりや世界的な株価下落を手掛かりに円 は買われた。通貨のボラティリティ(変動性)を表す指数は7月以 来の高水準に上昇。これを受け、高利回り資産を買う動きが後退し た。

UBSの為替ストラテジスト、アメリア・ブルドー氏は「外為 市場は依然として欧州の金利動向やユーロ圏周縁国経済の問題に大 きく左右されている」と指摘。「リスク回避の動きだ。欧州から重 大なニュースが出てくるリスクがあまりにも高いためだ」と説明し た。

ニューヨーク時間午後4時24分現在、ユーロは対ドルで前日 比1.1%安の1ユーロ=1.2985ドル。一時1.2969ドルと、9 月15日以来の安値を付けた。月間ベースでは6.8%安と、8月以 降初の値下がりとなっている。

対円では1.8%安の1ユーロ=108円66銭(前日は110円 60銭)。一時108円35銭と、9月15日以来の安値となった。 円は対ドルでは0.7%上昇し、1ドル=83円69銭(前日は84円 26銭)。

逃避目的の円買い

ドイツ銀行のG10為替ストラテジーの世界責任者アラン・ラス キン氏(ニューヨーク在勤)は「欧州をめぐる懸念が続いていること を受け、投資家は逃避先として円買いに傾いている」と指摘。「リス ク回避の市場環境の中で、円がドルに対しても上昇するという従来の 動きが見られている」と述べた。

スウェーデン・クローナとノルウェー・クローネは主要通貨の大 半に対して値下がり。クローナは対ドルで0.7%安の1ドル=

7.0302クローナ。クローネは0.9%下げて6.2113クローネ。

ブルドー氏は「これらの通貨はリスク投資と関連している。リス ク回避の環境では、北欧の通貨が反応する」と述べた。

JPモルガン・チェースのG7ボラティリティ指数は一時、

2.1%上昇の13.14と、終値ベースで7月5日に付けて以来の高水 準となり、キャリー取引のリターン低下につながった。低金利通貨で 資金を調達し高金利通貨で運用するキャリー取引では、ボラティリテ ィが低下すると取引にはプラスとなる。

「リスクと関連」

シティグループのG10通貨戦略責任者、スティーブン・イング ランダー氏(ニューヨーク在勤)は「きょうは、どの国の財政状態が 健全で、どの国が問題かというような話を超えた状況にある。どの資 産がリスクと関連し、そうしたリスク資産を売ることができるのかと いうのが現在の状況だ」と指摘。「この根源にあるのはソブリン債問 題への懸念、2週間前よりも拡大している懸念だ」と述べた。

アイルランドへの850億ユーロの救済パッケージが承認された 28日以降、欧州債務危機の悪化懸念はポルトガルとスペインに移っ ている。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ポ ルトガルの外貨建ておよび現地通貨建ての長期と短期のソブリン信用 格付けをクレジットウオッチ・ネガティブに指定した。現在の格付け は長期が「A-」、短期は「A-2」。

◎米国株:続落、欧州債務懸念-グーグルやeベイが安い

米株式相場は下落。S&P500種株価指数は月間ベースでの 3カ月連続高は達成できなかった。欧州の債務危機が悪化すると の懸念が強まったほか、米グーグルが競争法違反の疑いで調査を 受けていることが嫌気された。

グーグルは4.5%安と、7月以来の大幅な下げとなった。欧州 連合(EU)の欧州委員会は、競争法違反の疑いで同社に対する調 査を開始した。パイパー・ジャフレーが投資判断を引き下げたeベ イも安い。バンク・オブ・アメリカ(BOA)はダウ工業株30種 平均の値下がり率トップ。同社の社債保証コストが16カ月ぶり高 水準に上昇したことが背景。

S&P500種株価指数は前日比0.6%安の1180.55。10月 末の終値1183.26を下回った。ダウ工業株30種平均は46.47 ドル(0.4%)下落の11006.02ドル。オバマ米大統領が、減税 措置の延長について共和党と妥協する用意があることを示唆すると、 株価は一時下げ渋った。

フェデレーテッド・インベスターズの株式市場チーフストラテ ジスト、フィリップ・オーランド氏(ニューヨーク在勤)は、「寝 かしつけた不安要因が再び眠りから覚めつつある」と指摘。「アイ ルランドは問題だ。ポルトガルとスペインがどれくらい後ろに迫っ てきているのかが気になるところだ。より大規模な救済になること を市場は懸念している」と述べた。

S&P500種は5日に2年ぶり高値を付けて以降3.7%下落し ている。同株価指数は前日に続き2日連続で一時50日移動平均の 水準を下回ったものの、終値では同水準を上回った。

欧州懸念

米株式相場は引け前15分間で再び下げ幅を拡大した。米格付 け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ポルトガル の信用格付けを引き下げる可能性があると指摘。来年の予算削減の 影響緩和に向けた経済成長において、同国政府がほとんど前進して いないことを理由に挙げた。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMC O)のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は、欧州の 債務危機がスペインやポルトガルなどの国に波及する可能性が高い と指摘した。同CEOはこの日の米経済専門局CNBCとのインタ ビューで、ユーロ加盟国数は現在の16カ国から5年後には減って いるだろうとの見通しを示した。

テクノロジー株が安い

S&P500種のテクノロジー株指数は1.4%安。

グーグルは4.5%安。同社は欧州委員会からEU競争法違反の 疑いで調査を受けている。検索結果で競合サービスを不当に下位に 表示したり、一部ウェブサイトに対し競合他社の広告引き受けを妨 げるような圧力をかけている疑いが持たれている。

訪問者数で2位の電子商取引サイトを運営するeベイは3.6% 安。パイパー・ジャフレーはeベイが今後2年間に市場シェアを失 うとして、同社の投資判断を「オーバーウエート」から「ニュート ラル」に引き下げた。

BOAは3.2%安の10.95ドルと、09年5月以来の安値。 内部告発サイト「ウィキリークス」の創業者、ジュリアン・アサン ジ氏は、ある米銀の書類を来年公表すると米経済誌フォーブスに語 ったが、同氏は昨年、BOA幹部1人のハードドライブを保有して いると説明していた。BOAは電子メールで、ウィキリークスがハ ードドライブを保有している証拠はまったくないとコメントした。

VIX指数

米国株オプションの指標、シカゴ・オプション取引所(CBO E)のボラティリティ指数(VIX)は9.3%上昇の23.54と、 2カ月ぶり高水準となった。同指数は過去200日の平均値を10月 4日以来初めて上回って終えた。

◎米国債:2年債上昇、アイルランド債務問題で逃避需要

米国債市場は2年債が上昇。アイルランドの債務危機がポル トガルやスペインに波及する可能性があるとの懸念から、比較 的安全とされる米国債への需要が高まった。

30年債利回りは下げを縮小した。一時は3週ぶり低水準を 付ける場面もあった。米連邦準備制度理事会(FRB)が6000 億ドルの国債購入計画の一環として、米国債を購入したのが背景 だ。シカゴ購買部協会が発表した11月の景気指数では、製造業 活動が市場予想を上回るペースで拡大したことが示された。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダの米国債トレーディング責 任者、トーマス・トゥッチ氏は、「償還期間の長い国債は騰勢が ある程度失われた。過去数日間、値上がりが続いていたほか、経 済統計の内容も良好だった。また、月末の買いも終了。投資家は デュレーション(平均残存期間)になるとより保守的になりつつ ある」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨー ク時間午後5時10分現在、2年債利回りは前日比6ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01ポイント)下げて0.46%。10年債利 回りは2bp下げて2.8%。一時は7bp下げる場面もあった。 月間ベースでの利回りは14bp上げている。30年債は3bp下 げて4.11%。一時は11 月5日以来の低水準を付けた。月間ベ ースでは13bpの上げとなっている。

スワップスプレッド

2年物米金利スワップスプレッド(金利スワップレートと米 国債利回りとの格差)は3.98bp上昇の28.13ポイント。7月 以来で最大だった。スワップスプレッドは投資家の信用リスクを 計る指標として使用される。

FRBは68億ドルの国債を購入。償還期限2014年―2016 年の国債が対象だった。前日は94億ドルの国債を購入した。

アイルランドは28日、ギリシャに続く国際支援要請国とな った。アイルランドの救済策には850億ユーロが投じられる。 モーガン・キーガンの債券資本市場部門プレジデント、ケビン・ ギディス氏は「市場はアイルランド救済の取り組みに困惑してい る。投資家はまだ救済が続くのではと不安に思っている」と述べ た。

米10年物国債と同年限のドイツ国債との利回り格差は9.8 bpに縮小。今年4月には2006年以来で最大の90bpまで拡 大する場面もあった。

シカゴ製造業景況指数

シカゴ購買部協会が発表した11月のシカゴ地区の製造業景 況指数(季節調整済み)は62.5と、前月の60.6から上昇し、 4月以来の高水準となった。ブルームバーグ・ニュースが実施し たエコノミスト調査の予想中央値は59.9だった。同指数は50 が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

11月の消費者信頼感は5カ月ぶりの高水準に上昇した。

ブルームバーグが銀行や証券会社を対象にまとめた調査に よると、米国債は年内上昇が続き、来年は下落すると予想されて いる。年末時点での10年債利回りは2.62%が予想され、来年 末は3.23%が見込まれている。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、 11月の米国債リターン(投資利益率)は0.85%のマイナス。3 月以降で最大の落ち込みだった。S&P500種株価指数は

0.38%のプラス。なお年初来では米国債リターンは7.7%のプ ラスとなっている。S&P500 種は5.69%のプラス。

◎NY金:続伸、欧州債務危機の深刻化で逃避需要-1386.10ドル

ニューヨーク金先物相場は続伸。2週間ぶりの高値をつけた。欧 州債務危機の深刻化で安全な逃避先としての需要が高まった。

ドルは対ユーロで10週間ぶりの高値に上昇した。欧州連合 (EU)がアイルランドとギリシャを救済した後、投資家の懸念 はスペインとポルトガルの急速に拡大している債務に移行して いる。金は年初から26%上昇、9日には1オンス=1424.30ド ルまで上げ、最高値を更新した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ) のヘッドディーラー、フランク・マギー氏は「金相場は欧州債務 危機の波及懸念を背景に上昇している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金 先物2月限は前営業日比18.60ドル(1.4%)高の1オンス=

1386.10ドルで終えた。

◎NY原油:反落、欧州危機を懸念-ヒーティングオイルにつれ安

ニューヨーク原油先物相場は反落。ヒーティングオイルにつれ安 した。ギリシャとアイルランド以外にも欧州連合(EU)による救済 が必要になる国が出てくるとの観測で、外国為替市場ではユーロが 10週ぶりの安値に沈んだ。

中心限月の最終取引をこの日迎えるヒーティングオイル先 物が下落。原油はこれにつれ安して、引け前30分に1ドル以上 値下がりした。前日のクレジット・デフォルト・スワップ(CD S)市場ではポルトガルとスペインの国債の保証コストが過去最 高に上昇。アイルランドが救済パッケージを受け入れたことが影 響した。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォー ド)のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は、「欧 州で続いている問題がポルトガルやスペインに波及し、イタリア とベルギーに飛び火する可能性さえもあることが嫌気され、原油 は下げた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は 前日比1.62ドル(1.89%)安の1バレル=84.11ドルで終了 した。11 月全体では3.3%の値上がりとなり、3カ月連続高。 年初来では6%上昇している。

◎欧州株:総じて安い、債務悪化を懸念し銀行株に売り

欧州株式相場は総じて下落。域内の債務危機が深まったほか、 9月の米住宅価格の伸びが事前予想を下回ったことが背景にあ る。

8営業日続落したフランスのBNPパリバを中心に、銀行株 が売られた。イタリアとスペインの国債急落がきっかけ。スイス の食品メーカー、ネスレは2.2%安。クレディ・スイス・グルー プが同銘柄の投資判断をほぼ6年ぶりに下方修正したことが売 りを誘った。

一方、独建設会社ホッホティーフは2%上昇。同業でスペイ ンのACS(アクティビダデス・デ・コンストルクシオン・イ・ セルビシオス)による27億ユーロでのホッホティーフ買収案が 承認されたことが手掛かりとなった。

ストックス欧州600指数は261.83で終了。この日の取引 は方向感のない展開に終始し、下げ幅は0.1%未満。騰落比率は 1対2。月間ベースでは1.6%下げ、8月以降で初のマイナスと なった。

F+Mフィナンシャル(フランクフルト)で1億5000万ユ ーロ相当の資産運用に携わるイエンス・フィンクバイナー氏は、 「欧州に債務危機がある限り、株価は一段安となる可能性がある」 と述べた。「だが3-4%を超えるような調整はないと見込んで いる。欧州の周縁国、特にスペインで状況が改善したならば、売 る理由はなくなる。米国の経済状況は改善に向かう見通しであり、 欧州でも来年若干の成長がみられるだろう」と続けた。

イタリアとスペインの国債相場が下落し、ドイツ国債に対す るスプレッド(上乗せ利回り)は拡大した。イタリア10年債と 同年限のドイツ債とのスプレッドは1997年以来で初めて200ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を超えた。

銀行株

BNPパリバは3.4%安。ベルギーの金融サービス、デクシ ア は3.8%、仏銀ソシエテ・ジェネラルは3.6%それぞれ下げ た。

オランダの金融サービス、INGグループは2.8%安。ドイ ツ・ポストバンクは7日続落し、2.8%下げた。

◎欧州債:スペインとイタリア国債が下落-独債とのスプレッド拡大

欧州債市場では、イタリアとスペインの国債相場が下落し、 ドイツ債とのスプレッド(利回り格差)はユーロ導入以後の最大 となった。欧州の債務危機が深刻さを増していることが背景にあ る。

イタリア10年債と同年限のドイツ債とのスプレッドは 1997 年以来で初めて200ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)を超えた。ドイツ債に対するベルギー国債のプレミア ム(上乗せ利回り)も過去最大に達した。ベルギー政府が実施し た28億ユーロの国債入札で、借り入れコストが上昇したことが きっかけ。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、イタ リアとスペイン、ポルトガル、アイルランドの4カ国の国債を保 証するコストが過去最高を記録した。

バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウ ス・ダハイム氏(ミュンヘン在勤)は、「引き続き波及リスクが 注目されている」と述べ、「誰もが周縁国のリスクを敬遠してい る」と続けた。

ロンドン時間午後4時34分現在、イタリア10年債利回り は3bp上昇し4.68%。一時は4.88%まで上げ、6営業日連 続の上昇となった。同国債(表面利率3.75%、2021年3月償 還)価格は0.26ポイント下げ92.89。独10年債とのスプレッ ドは一時、212bpまで拡大。これはユーロ導入以降の最大。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインとイタリア の5国の10年債の平均利回りもユーロ導入以降の最高に達した。 アイルアンドのカウエン首相が21日に救済の必要性を認めて以 降、他国にも国際的な救済が必要になるとの観測が強まったこと が背景。

スペイン10年債利回りは11bp上げ5.57%となり、11 営業日連続で上昇した。前日は25bp上昇した。独10年債との スプレッドは284bpに拡大。ベルギー10年債利回りは13bp 上げ4.03%となった。ドイツ国債に対するプレミアムは過去最 大の139bpに広がった。

◎英国債:上昇、ドイツ債とのスプレッド縮小

英国債相場は上昇。ユーロ圏の債務危機が悪化するとの懸念 から、比較的安全な代替投資先に資金を移動する動きとなり、英 国債やポンドに対する需要が高まった。

ポンドは対ユーロで続伸し、月間ベースでは2009年1月以 降で最大の値上がり。イタリア10年債の英10年債に対するプ レミアム(上乗せ利回り)は拡大し、09年3月以来の最大とな った。

みずほコーポレート銀行の欧州ヘッジファンド営業責任者、 ニール・ジョーンズ氏(ロンドン在勤)は「ユーロ圏外という事 実が具体的な恩恵となっている」と語った。

10年債利回りは前日比12ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の3.22%。10月29日以降の上昇幅は18bp に縮まった。2年債利回りは前日比9bp低下し0.9%。月間ベ ースでは6bp上げた。

英10年債の同年限のドイツ国債に対するプレミアムは55 bpと、1週間前の71bpから縮小。5月時点では103bpと、 今年最大となっていた。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 mrakuyama@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba

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