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財務省:11月の介入額はゼロ-ドル反発・株高で円高懸念が後退

日本政府による11月の為替市場 介入額はゼロ円だった。主要通貨に対するドル高を受け、円の対ドル 相場も月初の戦後最高値接近後、足元まで下落基調。輸出採算の悪化 や株安を通じ、世界的な金融危機後の景気回復に逆風となりかねない 一方的な円高を抑える必要性は、ひとまず後退している。

財務省が30日夜に発表した10月28日から11月26日までの「外 国為替平衡操作の実施状況」で分かった。介入額ゼロは2カ月連続と なった。政府・日本銀行は9月15日、2004年3月以来の為替市場介 入を実施。約4カ月半で13%近い円高・ドル安に対し、単日では過 去最大となる2兆1249億円の円売り・ドル買いに踏み切ったが、以 後は介入していない。03年初から04年3月にかけては、約35兆円 に及ぶ円売り介入を実施した経緯がある。

午後7時2分前後で円・ドル相場は1ドル=83円95銭前後。

円・ドル相場は11月1日に一時、80円22銭に上昇。1995年4 月19日の戦後最高値79円75銭に迫った。しかし、その後は米量的 緩和政策に対する米国内外からの批判もあって、米金利低下とドル安 は一服。欧州重債務国の財政・金融不安や北朝鮮を巡る地政学リスク もあり、29日には一時84円41銭と約2カ月ぶりの円安・ドル高水 準をつけた。日経平均株価は18日、約5カ月ぶりに1万円の大台を 回復した。

バークレイズ銀行の山本雅文チーフFXストラテジストは、円売 り介入がなくても「感謝祭に向けた季節的な需給要因もあり、ドル買 い戻しの勢いが強かった」と述べた。ただ、米量的緩和は「金利低下 とドル安を通じて景気を押し上げる」政策だと指摘。米金利とドルの 上昇が続けば、米連邦準備制度理事会(FRB)幹部らが緩和継続を 強調し、円・ドル相場は82円前後に反発すると予想した。

米量的緩和政策

FRBは3日、来年6月にかけて6000億ドルの米国債を購入す る方針を打ち出した。住宅ローン担保証券の償還元本の再投資分も含 めると、総額8500億-9000億ドル。今年3月に終了した資産購入で は、米国債3000億ドルを含む1兆7000億ドルの証券を購入した。

米量的緩和策に対しては、20カ国・地域(G20)首脳会議(サ ミット)に前後してドイツや中国、ブラジルの当局者から批判が続出。 米国でも、投資家やエコノミスト23人が中止を求める公開状を発表 した。

G20首脳会議は12日、対外不均衡是正に向けた方策などを盛り 込んだ首脳宣言に合意。通貨の競争的な切り下げを回避し、先進国は 為替レートの過度の変動や無秩序な動きを監視することなどで一致 した。

日立製作所が80円、ホンダは84円など、大手輸出企業が対ドル 想定レートを円高方向に修正する動きが広がっているが、政府は円急 騰時には円売り介入も辞さない構えを崩していない。野田佳彦財務相 は22日の参院予算委員会で、為替相場を引き続き注視し、必要な時 には断固たる措置を取ると述べた。

日銀は米量的緩和導入直後の4日から開いた金融政策決定会合 で、追加金融緩和を見送った。10月5日には、政策金利を従来の0.1% から0-0.1%に変更し、物価の安定が展望できる情勢になるまで実 質ゼロ金利政策を継続すると表明。長・短期国債やコマーシャルペー パー(CP)、社債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資 信託(J=REIT)などを買い入れるため、臨時に5兆円規模の基 金創設を検討するとしていた。

Editor:Hitoshi Sugimoto, Joji Mochida

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