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国内市況:日経平均1万円割れ、長期金利1.2%接近-円全面高(訂正

東京株式相場は反落し、日経平 均株価は終値で8営業日ぶりに1万円の大台を割り込んだ。欧州債務危 機拡大への警戒や中国の金融引き締め懸念から、電機や精密機器、輸送 用機器など輸出関連株が下落。商社や海運といった中国を含む新興国経 済との関係が深い業種も売られ、鉄鋼は東証1部の業種別下落率1位だ った。

日経平均株価の終値は前日比188円95銭(1.9%)安の9937円 4銭、TOPIXは13.65ポイント(1.6%)安の860.94とともにき ょうの安値で終了。

11月に入ってからの急ピッチな上昇で、29日時点の東証1部騰落 レシオは過熱気味とされる120%を上回り、日経平均の25日移動平均 線からの上方かい離は4.5%に達していた。短期テクニカル指標に過熱 感が強まっていた中、きのうの欧米株式市場は欧州債務危機への警戒か ら下落。さらに、きょうの中国上海総合指数の下落率が一時3%を超え た影響も加わり、午後にかけて日本株は一段安となった。

29日の欧州債市場では、スペインとイタリアの10年債のドイツ 債に対するプレミアム(上乗せ利回り)がユーロ導入後の最大を記録し た。欧州連合の行政執行機関である欧州委員会は、2011年のユーロ圏 成長率は1.5%と今年の推定値1.7%から低下する見込みと発表。景気 先行きの減速が見込まれる状況とあって、アイルランドの支援合意後も 波及懸念は根強かった。

また、中国社会科学院(CASS)のエコノミストは、中国人民銀 行(中央銀行)は2ポイントの追加利上げが必要だと指摘。あす発表に なる中国の11月製造業購買担当者指数(PMI)での仕入れ価格が高 騰するのではないかとの観測も聞かれた。

新興国需要の恩恵を受けるとされる商社や非鉄金属、海運などが業 種別下落率上位に並ぶ中、特に下げが大きかったのは鉄鋼。みずほ証券 では29日、円高や価格弱含みで11年3月期業績の下振れの可能性が あるとし、新日本製鉄やJFEホールディングスの投資判断を「アウト パフォーム」から「ニュートラル」に下げた。また30日付日本経済新 聞朝刊は、鉄鋼大手4社の11年1-3月期業績は、鉄鉱石や原料炭な ど原料価格の上昇が重荷になる、と報じた。

東証1部の売買高は概算で21億7851万株、売買代金は同1兆 5216億円。値上がり銘柄数は224、値下がり1342。任天堂や東京電力 など時価総額上位銘柄の売買が活発だったこともあり、売買代金は18 日以来の高水準となった。

長期金利が1.2%に接近

債券市場では長期金利が2カ月半ぶりの高い水準となる1.2%に接 近。あす実施の10年債入札に向けた売りが優勢となった。一方、国内 株相場が午後に下げ幅を拡大させたため、先物相場は引けにかけて買わ れて小幅ながら続伸した。

現物市場で新発10年物の310回債利回りは、前日比0.5ベーシ スポイント(bp)低い1.17%で開始。しばらくは小動きとなったが、 午前10時半前後から売りが膨らむと1.19%を付けた。さらに、午後 には一時2bp高の1.195%まで上昇して、新発10年債として9月6 日以来の高い水準を記録。その後は1.18-1.19%で推移している。

きのうは先物市場で売り方の買い戻しが膨らんだとみられ、10年 債も1.2%手前でいったんは金利上昇に歯止めがかかったが、きょうの 取引では入札を前に再び売り圧力が強まった。

東京先物市場の中心限月の12月物は前日比9銭安い140円76銭 で始まったが、開始後しばらくは小高く推移して一時は13銭高の140 円98銭まで上昇。その後、午前10時半前後から売りが膨らむと下げ に転じ、午後には140円66銭まで下げ幅を拡大させた。引けにかけて は再び下げ渋っており、結局は2銭高の140円87銭で終了した。

円が全面高、対ユーロ2カ月半ぶり高値

東京外国為替市場では、午後の取引で円が主要16通貨に対して全 面高となった。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=109円99銭と、9月 15日以来、約2カ月半ぶりの円高値を付けた。欧州財政問題の拡大懸 念を背景にユーロ安圧力がかかる中、中国がインフレ抑制に向けて一段 の引き締め策を講じるとの見方が強まり、アジア株安を背景にリスク回 避に伴う円買いが促された。

この日の東京市場では、午後の取引にかけて中国の引き締め観測を 背景とした中国上海総合指数の下落幅拡大に連れる形で、オーストラリ ア・ドルを中心にクロス・円(ドル以外の通貨の対円相場)が軟化(円 は上昇)。午後3時30分現在のユーロ・円相場は110円24銭付近で 推移している。

前日の海外市場で一時1ドル=84円41銭と、9月27日以来の円 安値を付けていたドル・円相場はクロス・円での円買いに押される格好 となり、午後には84円01銭と、前日のニューヨーク時間午後遅くに 付けた84円26銭から円が水準を切り上げた。同時刻現在は84円06 銭近辺で取引されている。

30日付の中国英字紙チャイナ・デーリーによると、中国社会科学 院のエコノミストは論説記事の中で、現在の過剰な流動性の下では、イ ンフレを抑えるために同国が200ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)の追加利上げをする必要があると主張している。

一方、ユーロは対ドルで午後に一段安の展開となり、一時は1ユー ロ=1.3076ドルと、前日のニューヨーク時間午後遅くに付けた

1.3125ドルから水準を切り下げている。午後3時30分現在は1.3114 ドル付近で推移。前日の海外市場では一時1.3064ドルと、9月21日 以来のユーロ安値を更新している。

前日の欧州債市場では、スペインの10年国債相場がユーロ導入以 降で最大の下げとなったほか、ユーロ圏内の高債務国の国債も総じて安 かった。さらに、スペインとイタリアの10年債利回りとドイツの10 年債利回り格差はユーロ導入後の最大を記録した。

米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は29日、スペイン は欧州の債務危機に生息する「巨象」だとして、同国を救済する十分な 資金はないかもしれないと述べた。ポルトガルについても、緊急資金を 必要とする可能性が「極めて高い」との見方を示している。

そうした中、29日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS) 市場では、スペインやポルトガルなどの高債務国に加え、ドイツに至る まで、国債の保証コストが上昇している。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経 済・通貨担当)は29日、財政目標達成に向けたスペイン政府の取り組 みは「順調だ」との認識を示した。

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