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10月鉱工業生産は5カ月連続低下も予想上回る-先行きプラス(Update

10月の日本の鉱工業生産指数は自 動車や電子部品などの生産が減少し、5カ月連続のマイナスになった ものの、市場予想は上回った。輸出の伸びが鈍化したことやエコカー 購入補助の打ち切りに伴う反動減などが響いた。先行きは11月、12 月とプラスが見込まれている。

経済産業省が30日発表した鉱工業指数速報(季節調整済み、2005 年=100)によると、生産指数は前月比1.8%低下の91.1。前年同月比 は4.5%の上昇だった。ブルームバーグ調査の予想中央値は前月比

3.2%低下、前年同月比3.1%上昇だった。前月比予想の幅は前月比

0.5%低下-4.5%低下。

経済産業省は10月の生産の基調について「生産は弱含みで推移し ている」と、前月の「生産は弱含み傾向にある」から変更した。政 府は11月の月例経済報告で「景気はこのところ足踏み状態となってい る」と基調判断を維持したが、生産については「このところ減少し ている」と、2カ月連続で下方修正した。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは統計発表前に、 10月の生産が「大幅に低下することは市場に織り込まれており、大き なサプライズは生じにくい」と指摘。それよりも「11月、12月の予測 指数に注目が集まる」との見方を示していた。

生産予測指数

鉱工業生産の10月の出荷指数は前月比2.7%低下し、在庫指数は 同1.5%低下した。先行きの生産動向をみる上で重要な製造工業生産 予測指数は11月に前月比1.4%上昇、12月は同1.5%上昇が見込まれ ている。

9月初旬にエコカー購入補助金が終了したことに伴い、9月の新 車販売台数(登録車)は前月比29.9%減少し、10月も同20.9%減少 した。ハイブリッド車「プリウス」で生産を伸ばしてきたトヨタ自動 車の10月の国内生産は前年同月比22%減、海外生産も同7.0%減とな り、世界生産は同14%減と2カ月連続のマイナスとなった。

家電は駆け込み需要

その一方で、家電製品を購入する際に取得できるエコポイントが 12月から半減されるのを前に駆け込み需要が発生。10月の薄型テレビ 販売は前年同月比138.3%の大幅増加。エアコンも同2.5倍に伸びた。 海江田万里経済財政担当相は26日の閣議後会見で、家電製品について 「12月以降の売り上げ減は大変心配される」と反動減の可能性を挙げ、 「12月と、特に年明けの個人消費が大変気になる」と語った。

加えて、大型テレビを中心に在庫の積み上がりも懸念要因。NT T関連会社である情報通信総合研究所の野口正人主席研究員はリポー トで、情報通信技術(ⅠCT)関連の在庫は7-9月期に大幅に積み 上がりの局面に入ったと指摘。テレビを中心に「家電エコポイント効 果による駆け込み需要が一服し、企業の強気姿勢が崩れ、積み上がっ た在庫が『意図せざる在庫』となれば、ICT生産も大きく減速する 可能性は否定できない」とみる。

同氏はその半面、プラス要因として世界的に急速に普及している スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット型端末の普及が、国 内ICT関連の生産活動に刺激を与えられるかどうかが注目されると の見方を示した。

10月の貿易統計速報によると、最大の輸出先であるアジア向け輸 出額は前年同月比11.3%増ながら、伸び率は前月(14.3%増)から縮 小した。また、内閣府が同速報を基に独自に試算した輸出数量指数(数 量ベース)によると、10月は前月比2.5%減と2カ月ぶりに減少に転 じた。地域別ではアジア向けが1.4%減のほか、欧州向けは前月に船 舶の大型案件で増加した反動で10.6%減、米国向けは1.6%増だった。

--取材協力、浅井秀樹Minh Bui Theresa Barraclough  Editor: Hitoshi Ozawa, Norihiko Kosaka

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