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米国株:下落、アイルランド合意後も欧州債務への懸念増大

米株式相場は下落。アイルラン ド救済策がまとまったものの、欧州の債務危機が南欧地域に波及する との懸念払しょくには至らなかった。

ヒューレット・パッカード(HP)とコカ・コーラが大きく下落 し、ダウ工業株30種平均採用銘柄の値下がり率の上位に並んだ。ウェ ルズ・ファーゴとバンク・オブ・アメリカ(BOA)を中心に金融株 は上昇し、主要株価指数の下げ幅縮小に貢献した。

ビザは値下がり。携帯ネットワーク運営会社に市場シェアを奪わ れる可能性を指摘したアナリストの分析がきっかけ。スターバックス も安い。クラフト・フーズは販売契約を打ち切ろうとするスターバッ クスに対抗措置を取る構えを示した。

S&P500種株価指数は前週末比0.1%安の1187.76。一時は

1.3%値下がりする場面もあった。ダウ工業株30種平均は39.51ド ル(0.4%)下落の11052.49ドル。

PNCウェルス・マネジメントの主任投資ストラテジスト、ウィ リアム・ストーン氏は、「市場を困惑させる材料が数多くあるようだ」 と指摘。「欧州の金融危機が健全な経済を抱える国やユーロの存続に 影響を及ぼすとの懸念が存在する。この問題は解決には程遠いようだ。 今の市場は現状に対して総じて不満なのではないだろうか」と述べた。

アイルランド救済合意

S&P500種は7月2日に付けた年初来安値からはなお16%戻し ている。予想を上回る企業決算が相次いだことや、米連邦準備制度理 事会(FRB)による追加の国債購入計画が好感された。一方、同株 価指数は5日に2年ぶり高値を付けて以降は3.9%値下がりしている。 中国がインフレ抑制に向け利上げを実施するとの観測や、ソブリン債 危機が南欧にも波及するとの懸念が重しとなった。

欧州ではアイルランドはギリシャに続いて2番目の支援要請国と なった。アイルランドは欧州連合(EU)から450億ユーロ、国際通 貨基金(IMF)から225億ユーロを受け取るほか、自国の国家年金 積立金基金から175億ユーロを拠出する。アイルランドによると、救 済パッケージの金利は平均で5.8%。

米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授はこの日、スペイ ンは欧州の債務危機に生息する「巨象」だとして、同国を救済する十 分な資金はないかもしれないと述べた。同教授はプラハで開催された 会議に出席し、ポルトガルが次に金融支援を求める可能性は「極めて 高い」と指摘した。

テクニカル水準

S&P500種はこの日、一時1173.64まで下げた。ブルームバ ーグのデータによると、同水準では50日移動平均線を9月以来初めて 下回った。50日移動平均の現在の水準は1177前後。

MKMパートナーズのテクニカルアナリスト、ケイティー・スト クトン氏は、「50日移動平均を9月初旬以降に試したことはなかった ため、その重要性には疑問符も付く」と指摘。「当然ながらこの水準 を割り込んで相場が崩れるような事態は望まれていない」とした上で、 S&P500種が2日連続で50日移動平均を下回れば、1130-1135 のレンジに値下がりする可能性がある」と述べた。ただ、実際にそう なるとは予想していないと付け加えた。

HPは1.4%安と、ダウ30種平均の値下がり率トップ。コカ・ コーラは1.3%、住宅関連用品小売り米最大手のホーム・デポは1% それぞれ値下がりした。

ビザは1.7%安。サンフォード・C・バーンスティーンのアナリ スト、ロッド・ブルジョア氏は29日付顧客向けリポートで、携帯端末 で買い物ができるシステムを提供する企業にビザは市場シェアを奪わ れる可能性があると指摘した。

年末商戦スタート

スターバックスは1.1%安。クラフトは0.4%値下がり。クラフ トは食料品店へのコーヒーの販売契約の打ち切りに抗議し、仲裁手続 きを開始したと明らかにした。

小売株も下落。全米小売業協会(NRF)の発表によると、年末 商戦最初の週末の買い物客の平均支出額は昨年比6.4%増加したもの の、小売り株の株価上昇にはつながらなかった。この週末に小売店や ウェブサイトを通じて買い物をした人は約2億1200万人で、平均支 出額は365.34ドルだった。

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