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ユーロ圏:11年成長は減速へ、歳出削減など響く-欧州委経済見通し

2011年のユーロ圏経済は、10年 に比べ成長が減速する見込みだ。欧州連合(EU)の行政執行機関、 欧州委員会は29日経済見通しを公表し、財政赤字減らしに向けた政府 の歳出削減が個人消費の足かせとなるほか、世界経済の成長鈍化が輸 出を抑えるとの見方を示した。

欧州委によると、11年のユーロ圏成長率は1.5%と、今年の推定 値1.7%から低下する見込み。今年はドイツが3.7%のプラス成長とな る一方で、アイルランドとギリシャ、スペインはマイナス成長が続く と見込まれる。

欧州委は、回復は「進展している」ものの、「世界的危機の衝撃が 依然として景気に影を投げ掛けている」とし、「経済見通しに対する不 確実性は引き続き高水準にある」と指摘した。

欧州各国は28日、アイルランドの救済策で合意した。欧州委は、 回復は「脆弱(ぜいじゃく)で一律でない」状態が続くと予想。ドイ ツが引き続き域内景気回復のけん引役となるという。

シティグループのユーロ圏担当チーフエコノミスト(ロンドン在 勤)、ユルゲン・ミヒェルス氏は「投資家の懸念は続いている」とし、 「ドイツを除けば成長の状態はかなりひどいだろう」と話した。

11年のドイツ成長率は2.2%の見込み。フランスは今年、来年と もに1.6%成長と予想されている。イタリアは両年とも1.1%成長が見 込まれる。

11年にはマイナス成長がギリシャとポルトガルのみとなり、アイ ルランドは0.9%のプラス成長に転じると予想される。

「調整の異なる段階」

欧州委のレーン委員(経済・通貨担当)は発表資料で、「今回の回 復は一律でない。多くの加盟国が調整の異なる段階にある」と説明し た。欧州委は「財政の持続可能性に対する懸念が去らない」ことが「最 も重大な困難の1つだ」と分析。

「ソブリン債リスクプレミアムの拡大と銀行の借り入れ困難が経 済成長見通しに影響するという悪循環が再び起こる可能性を排除でき ない」としている。そのようなシナリオの可能性が高いとは「考えて いない」と付け加えた。

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