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日本株反発、円安好感し輸出中心買い-素材など底上げ動き

東京株式相場は反発。欧州債務問 題の拡大懸念や地政学リスクなどから為替市場がドル高傾向で推移、 対ドルでの円安や米国株先物の堅調な値動きを好感し、電機など輸出 関連株中心に幅広い業種が買われた。海運株のほか、ゴム製品や鉄鋼 など素材関連、銀行や証券といった金融株も高い。

日経平均株価の終値は前週末比86円43銭(0.9%)高の1万125 円99銭と6月21日以来、5カ月ぶりの高値。TOPIXは7.78ポイ ント(0.9%)高の874.59。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテ ジストは、「夏場以降の日本株の出遅れをキャッチアップする流れが続 いている」と指摘。ドル・円相場の84円台での推移は、「為替介入を 行った82円台から1円以上も円安水準にあり、安心感が出るレベルに 入っている」と話していた。

先週末の欧米、新興国株式市場はおおむね軟調だったが、日本株 は終日堅調に推移した。午前はユーロ安が不安視され一時伸び悩む場 面もあったが、その後に欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー のノワイエ・フランス銀行(中央銀行)総裁や日本銀行の白川方明総 裁などの発言が伝えられると、再度買い直された。東証1部33業種は、 29業種が上げる全般底上げの様相。

26日の欧州債市場では、アイルランドやスペイン10年債の独10 年債に対するプレミアム(上乗せ利回り)がユーロ導入以降の最大を 記録した。欧州のソブリン債務負担がさらに重くなるとの不安に加え、 北朝鮮と韓国の衝突が激化するとの懸念から、同日のニューヨーク外 国為替市場では逃避通貨としてのドル買いが先行。その流れは29日の 東京時間も継続し、ドル・円は1ドル=84円台前半で安定推移した。

減額修正懸念遠のく、米年末商戦の出足好調

みずほインベスターズ証券の稲泉雄朗エクイティ情報部長による と「輸出関連の大企業の対ドル予想中心レートは80円から82円が多 く、84円台は今期業績の下方修正懸念が遠のく」という。また、全米 小売業協会の調べによると、年末商戦最初の週末の買い物客の平均支 出額は6.4%増加。電機株には米クリスマス商戦への期待も追い風と なり、TOPIX電気機器指数は5カ月ぶりの高値となった。

欧州の財務相らは28日、アイルランド向けの850億ユーロ(約9 兆5000億円)の緊急支援パッケージを承認、将来の財政危機時に債券 保有者にも負担を求める提案を緩めた独仏の妥協案を支持した。バー クレイズ・キャピタル証券では、債務の取り扱いが明確になった今回 の合意は、先週に高まっていた緊張を若干和らげる一助になると指摘。 フランス銀のノワイエ総裁は、ユーロの将来をめぐる疑念は完全に払 しょくされた、と述べていた。

日銀総裁発言

一方、日銀の白川総裁は29日午前、指数連動型上場投資信託(E TF)や不動産投資信託(J-REIT)を含む5兆円の資産買い入 れ等基金を今後拡大する可能性について、「効果と副作用を点検した上 で、効果が勝ると判断し、かつ経済がわれわれの想定より厳しいとな れば、有力な選択肢の1つだ」と語った。「白川総裁発言も午後の買い 安心感につながった」と、マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテ ジストは見ていた。

東証1部の売買高は概算で17億2944万株、売買代金は1兆1445 億円。値上がり銘柄数は1150、値下がり銘柄数は343。

飯田産が値上がり1位、太陽誘電は急落

個別銘柄では、用地仕入れの厳選など収益性の向上に努め、2011 年4月期の連結純利益予想を増額修正した飯田産業が東証1部の上昇 率1位。発行済み株式の2.34%を上限に自社株買いを行うニッタは急 反発した。午前の取引終了後に、米社から衛星用エンジンを含む計4 台のエンジンの受注を発表したIHIは午後一段高。野村証券が格上 げしたソニーも高い。

半面、目標株価に近づいたとし、みずほ証券が投資判断を「アウ トパフォーム」から「中立」に下げた太陽誘電、新たに公表された大 規模な空室の発生や地代の値上げの影響は小さくないとし、野村証券 が投資判断を引き下げた日本空港ビルデングがともに大幅安。株式売 り出しを実施するカゴメと北国銀行は需給悪化懸念で売られ、北国銀 は東証1部の下落率1位だった。

国内新興市場も反発。ジャスダック指数の終値は前週末比0.3% 高の49.06、東証マザーズ指数は0.5%高の385.94。角膜再生上皮シ ートのフランスでの治験結果(速報)が発表されたセルシード、発行 済み株式総数の4.34%に相当する60万株を上限に自社株買いを行う アイ・オー・データ機器が急伸。そーせいグループは、同社が昨年承 認申請した事後服用の緊急避妊薬について、厚生労働省部会が承認可 の意見をまとめたと26日の共同通信で報じられ、ストップ高となった。 半面、売買代金上位ではユビキタス、日本風力開発、トランスジェニ ックなどが安い。

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