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債券は反発、長期金利の1.2%接近で投資家需要-米債上昇も支え

債券相場は反発。株式相場の上昇 を受けて朝方には先物市場で売りが先行したが、前週末の米国債相場 が反発したことが支えとなった。また、長期金利が節目とされる1.2% 付近まで上昇したことで、投資家などからの買いが入り、相場は午後 に水準を切り上げた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、きょうの相場展開について、「先週末に売り込まれた反動や米 国債相場が反発したことを受けて、先物を中心にショートカバー(売 り建ての買い戻し)が入って値を上げた」と説明した。

東京先物市場で中心限月12月物は、前週末比12銭安の140円45 銭で始まり、直後に140円41銭まで下落。中心限月としては6月17 日以来、約5カ月ぶりの安値を付けた。しかしその後は買いが優勢と なり、プラスに転じた。午後に入るとじり高となり、取引終了間際に は34銭高まで上昇した。結局は28銭高の140円85銭で引けた。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「前週末までの ポジション(持ち高)調整による売りが一巡した感じ。先物中心にシ ョートカバーが入った」と述べた。

日銀、資産買い入れ実施

日銀はこの日午前、資産買い入れ等の基金による長期国債の買い 入れ入札1500億円を実施した。スタート日は12月2日。対象銘柄は 2年債が297回、298回、5年債が66回、67回、10年債が241回、 242回。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、「日本のファンダメン タルズ(経済の基礎的諸条件)から見て、景気は今ひとつ良くない。 物価はマイナスだし、日本銀行は積極的に金融緩和を行っている」と 説明し、国内環境から見ると、最近の債券相場は売られ過ぎとの見方 を示した。先物12月物は、過去2週間で2円程度下落した。

こうしたなか、日銀の白川方明総裁はこの日、名古屋市内で講演 後、質疑応答で、現行5兆円規模の資産買い入れ等基金を今後拡大す る可能性について「効果と副作用を点検した上で、効果が勝ると判断 し、かつ、経済がわれわれの想定より厳しいとなれば、有力な選択肢 の一つだ」と語った。ドイツ証の山下氏は、「基金増額は他の審議委員 も言及しているので目新しい内容ではない。いくぶん金利上昇とも発 言しているが、危惧して行動を起こす段階ではない。追加的な金融緩 和につながる発言ではなく、大きな影響はないと思う」と分析した。

10年債利回り1.17%まで低下

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の310回債利回 りは、前週末比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.185%で始まった。 直後に、1.19%と、前週末に記録した約2カ月半ぶりの高水準に並ん だ。しかし、次第に買いが優勢になって水準を切り下げ、午後2時過 ぎには2bp低い1.17%まで低下した。その後は1.175%で取引されて いる。

長期金利の1.2%付近で買いが入ったことについて、トヨタアセ ットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャーは、「投資家は、 下半期の長期金利の上限めどを1.2%程度とみていた人が多かったの で、同水準に接近したため、打診買いが入っている」と述べた。

中期債も売りが先行したが、その後は買いが入って戻している。 2年物の299回債利回りは一時前週末比1bp高い0.21%に上昇。新発 2年債としては、昨年12月1日以来の高水準を付けた。その後は0.20 -0.205%で推移している。また、新発5年債利回りは0.47%と約半 年ぶり高水準を付けたが、一時は0.5bp低い0.455%に低下する場面 があった。

大和住銀の伊藤氏は、中期債売りに関して、銀行勢による短中期 債の持ち高削減の動きと見ていた。

26日の米国債相場は反発。アイルランド政府が国有化したアング ロ・アイリッシュ銀行の格付けを米格付け会社スタンダード・アンド・ プアーズ(S&P)が引き下げたため、安全資産としての米国債の需 要が膨らんだ。北朝鮮と韓国の緊張が高まっていることも買い材料。 10年債利回りは前営業日比4bp低下の2.87%程度となった。

--取材協力:赤間信行、近藤雅岐 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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