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【今週の債券】長期金利は1.2%台乗せを試す展開、10年債入札が焦点

今週の債券市場で長期金利は6月 下旬以来となる1.2%台乗せを試す展開となりそうだ。最近の急激な 金利上昇を受けて、週半ばに行われる10年債入札が警戒されており、 売りが膨らみやすい。もっとも、入札通過後には金利が低下に転じる との声も聞かれている。

三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長は、今週の長 期金利について、これまでのレンジの上限となっている1.2%で止ま るかどうかが注目と話した。銀行勢の10年債売りなどが警戒されるも のの、12月には債券需給の改善が見込まれていると指摘した上で、「今 回の10年債入札ではいったん買っていいタイミングだ」との見方も示 している。

長期金利の指標とされる新発10年債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが26日に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジ は全体で1.10%から1.25%となった。1.2%台に上昇すれば6月22 日以来となる。前週末の終値は1.19%。

前週の長期金利は約2カ月半ぶり高水準となる1.1%台後半に水 準を切り上げた。大手銀行などの投資家が、最近の急激な利回り上昇 (相場は下落)を受けて、リスク量を減らす目的で現物債に売りを出 したことが要因。損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの平松 伸仁シニアインベストメントマネジャーは、「銀行勢は積み上げてきた 債券のポジション(持ち高)を解消しており、長期債だけでなく、短 中期債利回りも上昇している」と解説した。

長期金利は過去2週間で21.5ベーシスポイント(bp)上昇した。同 期間の上昇幅としては、今年度では8月下旬から9月上旬に民主党の 代表選に絡んだ財政拡大懸念で急騰して以来の大きさだ。

入札後に金利低下との見方

もっとも、節目とされる1.2%に接近したことで、次第に買いが 優勢になるとの見方も出ている。岡三証券の坂東明継シニアエコノミ ストは「長期債に持ち高整理の動きが出ている。これが一巡しないと 相場は下げ止まらない。一方で、継続的に押し目買いも入っている。 調整は先週いっぱいではないか」と予想する。

週半ばの12月1日に実施される10年債入札を無事に通過できれ ば金利が低下に向かうとの見方もある。RBS証券の福永顕人チーフ 債券ストラテジストは、10年債入札前に長期金利は天井を付けると予 想するが、入札で需要を確認した後は、「戻りを試す展開ではないか」 とみている。また、平松氏は前週末の金利上昇について、10年債入札 に向けた証券会社の準備による売りも要因あったと話していた。

今回の10年利付国債(12月発行)の入札について、26日の入札 前取引では1.22%程度で推移した。このため、表面利率(クーポン) は前回より0.2ポイント高い1.2%が予想されている。1.2%で決まれ ば6月以来の高水準となる。発行額は2兆2000億円程度。

一方、日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジス トは、今回は大幅調整後に反発した9月の局面とは状況が違うと指摘。 「買い材料が見当たらないほか、調整の期間が長い。10年債入札を無 難に通過できても市場センチメントががらりと変わって、金利がすぐ に低下に向かうことは考えにくい」との見方を示している。

市場参加者の予想レンジとコメント

11月26日に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は12月物、新発10年国債利回りは310回債。

◎RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジスト

先物12月物139円80銭-142円00銭

新発10年債利回り=1.10%-1.25%

「需給に焦点が当たっており、10年債入札前に長期金利は上昇し て、天井を付けるとみている。入札で需要を確認した後は、戻りを試 す展開ではないか。米国の雇用関連指標は悪くない。しかし来年6月 に金融政策が正常化に向かうとの見方もなくなり市場は落ち着くと思 う。一方、国内で生産は減速感が明確に出てくるだろう」

◎東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト

先物12月物140円40銭-141円25銭

新発10年債利回り=1.115%-1.195%

「先週の相場下落は、利回り上昇が加速したことで、投資家が持 ち高調整の現物売りを出さざるを得なくなった。先物には海外勢の売 りのほか、ヘッジ売りが膨らんだ。こうした流れがいつ止まるかどう かがポイントだ。10年債入札では、金利面では妙味が出てきているが、 持ち高調整が続くようであれば買いを入れにくい」

◎日興コーディアル証券の野村真司チーフ債券ストラテジスト

先物12月物139円90銭-141円10銭

新発10年債利回り=1.135%-1.235%

「1.2%を巡る攻防。投資家のセンチメントの好転で相場の反発地 合いに転ずるかどうか非常に重要な週。大幅調整後に反発した9月の 局面と、今回とは状況が違う。買い材料が見当たらないほか、調整期 間が長い。10年債入札を無難に通過できてもセンチメントががらりと 変わって、金利がすぐに低下に向かうことは考えにくい」

◎三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長

先物12月物140円00銭-141円20銭

新発10年債利回り=1.12%-1.22%

「長期金利の上昇がこれまでのレンジの上限1.2%で止まるか注 目。週末の米雇用統計が良さそうな中、銀行の10年債売りやファンド の先物売りが警戒される。ただ、12月の需給を考えると、10年債入札 では買っていいタイミング。超長期債は需要が底堅く、中期債も金融 緩和の時間軸効果が期待され、一方的な金利上昇が続くとは思えない」

--取材協力:池田祐美、船曳三郎 Editors:Tetsuki Murotani,Masaru Aoki

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